【杉村富生の短期相場観測】 ─ 海外ファンドが日本企業を狙う!
「海外ファンドが日本企業を狙う!」
●NY市場は絶好調なのに、東京は…?
NY市場は絶好調である。NYダウ平均は15日、初の3万4000ドル台に乗せた(ザラバ高値は3万4068ドル、終値は3万4035ドル)。10年物国債利回りは1.58%(3月30日には1.77%まで上昇)に低下している。これは内外機関投資家の債券買いを反映したものだろう。
国際マネーは「“主戦場”はアメリカ」とばかりに、GAFA+M(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)などに群がっている。いまや、GAFA+Mの時価総額は900兆円だ。2191社が上場する東証1部(約730兆円)よりもはるかに大きい。ちょっと悲しすぎないか。
日経平均株価は2月16日に、3万714円のザラバ高値をつけた後、2ヵ月以上にわたって“高値しぐれ”状態に陥っている。これはどうしたことか。やはり、新型コロナウイルスの感染第4波の襲来(まん延防止等重点措置は10都府県に拡大の見通し)、新型コロナワクチン接種の遅れ(接種率は1%未満)が影響していると思う。
それと、日米首脳会談では日本の対中国政策について、“踏み絵”を迫られるのは目に見えている。人権問題、台湾に関し、菅政権は重大な決断を求められる可能性がある。「アメリカとの関係は良好だが、中国とはギクシャク」では経済、産業界は困る。
さらに、買い手不在の状況がある。最大の投資主体の外国人は1~3月に現物を1兆2326億円買い越した。しかし、先物は1兆7495億円売り越している。差し引き5169億円の売り越しだ。彼らがどこで買いに転換するか、これが初夏相場の焦点となろう。
●ビットコイン関連セクターに妙味あり!
ただ、そのタイミング(買い出動)は意外に早いのではないか。すでに、東芝 <6502> はCVCキャピタル・パートナーズ、KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)、ベインキャピタルなどを軸に買収合戦の様相となっている。KKRは4月初め、アジア・太平洋地域の企業を対象とする150億ドル(1兆6500億円)のファンドを設立している。
スターウッド・キャピタルはREIT(不動産投資信託)を大量買いし話題となった。バークシャー・ハザウェイ(ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社)は1600億円の円建て社債を発行する。3回目だ。前回の発行では伊藤忠商事 <8001> を買った。今回は? 商船三井 <9104> が面白そうだが…。
ともあれ、投資家にとってはもうしばらくの辛抱だろう。いや、個別物色機運は極めて旺盛だ。ここは引き続いて、材料株を攻める戦術を推奨する。テーマ(話題)では暗号資産(仮想通貨→ビットコイン、NFT→ノンファンジブル・トークン)に注目できる。
4月14日には大手暗号資産取引所運営のコインベース・グローバルがナスダック市場に上場した。参考価格250ドル(この時点の時価総額は7兆円)に対し、初値は381ドルと、上々のスタートだ。関連銘柄はマネックスグループ <8698> 、フリー <4478> [東証M]、セレス <3696> 、CAICA <2315> [JQ]など。
値動き、売買代金を考慮した銘柄選別ではオキサイド <6521> [東証M]、イメージワン <2667> [JQ]、長野計器 <7715> 、フルヤ金属 <7826> [JQ]、セキド <9878> [東証2]、バルテス <4442> [東証M]などに妙味があろう。
2021年4月16日 記
株探ニュース