利益成長【青天井】銘柄リスト〔12-2月期〕 11社選出 <成長株特集>

特集
2021年4月22日 19時40分

2月期決算企業を中心とする20年12月-21年2月期(3ヵ月決算)の決算発表が出そろった。本特集では、12-2月期に過去最高益を更新し、かつ通期も最高益を見込む、いわゆる利益が"青天井"状況になっている銘柄にスポットライトを当てた。

下表では、本決算月にかかわらず、20年12月-21年2月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が通期計画も最高益を上回る見通しを示している11社を選び出し、12-2月期経常利益の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。

上振れ率トップとなったのはSHIFT <3697> 。直近3ヵ月の12-2月期(第2四半期)業績は、売上高108億円(前年同期比61.4%増)、経常利益11.6億円(同76.3%増)といずれも過去最高を達成した。主力のソフトウエアテストで金融系などの案件獲得が進んだほか、M&Aによる新規連結会社の業績上積みが収益を押し上げた。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で低下していた稼働率の改善やエンジニア単価の上昇に加え、助成金収入を計上したことも利益拡大につながった。

2位に入ったアークランドサカモト <9842> の12-2月期(第4四半期)は、ホームセンター部門で巣ごもり需要を背景に日用品やDIY関連商品が好調だったうえ、大雪の影響を受けて季節商品の販売も伸びた。また、昨年11月に子会社化したビバホームの買収効果も寄与し、経常利益は59.8億円と過去最高益を42.9%上回って着地。12ヵ月と8日の変則決算となる22年2月期の同利益は195億円(前期は169億円)となる見通しだ。

4位のアスクル <2678> は主力の法人向け通販事業で手指消毒液やマスクといった新型コロナウイルス感染対策商品の特需が継続したうえ、オフィス用品需要が回復し、12-2月期(第3四半期)の経常利益は43.2億円と実に55四半期ぶりとなる最高益更新を果たした。好調な業績を踏まえ、通期業績見通しと配当予想を上方修正している。また、5月20日を基準日とする1→2の株式分割、400万株(発行済み株式数の7.2%)の自社株消却を実施することも明らかにした。

5位の大阪有機化学工業 <4187> は電子材料事業でレジスト向け半導体材料やディスプレー向け材料が大きく伸びたほか、化成品事業ではコロナ禍の影響を大きく受けた自動車塗料用や光学材料向け粘着剤用を中心に販売が回復した。また、機能化学品事業で利益率の高い製品比率が上昇したことも大幅増益につながった。好決算を背景に株価は8日に上場来高値4685円をつけている。

ITソリューションを提供する6位のセラク <6199> は、コロナ禍の影響で一時的に悪化したエンジニアの稼働率が改善したほか、デジタルトランスフォーメーション(DX)シフトを進めたことが奏功した。また、販管費の削減や雇用調整助成金の計上も寄与し、12-2月期(第2四半期)は4四半期連続の最高益更新を遂げた。上期(9月-2月)経常利益の通期計画に対する進捗率は67.3%に達しており、業績上振れが期待される。

10位にリスト入りしたパシフィックネット <3021> [東証2]の12-2月期(第3四半期)は、前期までの好調な受注を背景にパソコンなど情報機器のレンタル料収入が大きく増加した。また、データ消去サービスの受注好調に加え、リサイクルパソコンの販売単価上昇や生産性向上も寄与し、2四半期連続で経常利益の過去最高益を塗り替えた。併せて、21年5月期通期の16期ぶり最高益予想をさらに上乗せし、配当も増額修正している。

11位にリストアップされたケーブル・通信機器の専門商社であるダイコー通産 <7673> は、GIGAスクール構想案件や防災行政無線案件を多数受注し、12-2月期(第3四半期)は売上高、経常利益ともに2四半期連続の過去最高を達成した。業績好調に伴い、21年5月期通期業績見通しと配当予想の上方修正に踏み切っている。

┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想

コード 銘柄名    上振れ率 12-2月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高  PER

<3697> SHIFT    50.5  1169   777   34.1   3400   2535  119

<9842> アークランド   42.9  5983   4187   15.0  19500  16956  6.0

<7068> フィード     35.9  280   206    122   822   371 56.0

<2678> アスクル     32.9  4328   3256   31.5  12900   9810 29.3

<4187> 大有機      32.9  1672   1258    5.1   4845   4612 28.5

<6199> セラク      28.4  624   486   41.6   1650   1165 31.9

<6196> ストライク    26.0  1172   930    3.4   3083   2983 46.6

<4434> サーバワクス   15.2  144   125   11.9   471   421  105

<3562> No.1      9.1  276   253   13.9   794   697 19.0

<3021> PCNET     2.9  210   204   70.4   760   446 38.4

<7673> ダイコー通産    1.6  377   371   41.4   1069   756 13.7

※2020年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。

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