セル・イン・メイも怖くない、「本領発揮の低位材料株リスト」8選 <GW特集>

特集
2021年5月2日 19時00分

―気迷い相場で強み発揮、株価500円未満のワンコイン・ストックで妙味満喫へ―

東京株式市場は大型連休の谷間となった4月30日、上値の重さが強く意識され、日経平均は思いのほか調整ムードが強かった。新型コロナウイルスの感染拡大に対する警戒感も漂うなか、5連休を前に買いポジションを低くしておきたいというニーズが反映されたといえば、教科書的な解釈でまさにその通りなのだが、前場中盤から引け際までほぼ一方通行で下値を切り下げる展開で違和感はあった。日経平均3万円大台前後ならばともかく、2万9000円近辺という水準でも押し目買いが入りにくい現状は、「セル・イン・メイ」も想起されるタイミングで、やや注意が必要な局面にある。

●GW明けは強い相場との見方が強いが

ゴールデンウイーク明けは高いという見方が市場関係者の間では少なくない。しかし、企業の決算発表が5月第3週に佳境を迎えるなか、これまでの経緯では好決算発表後の主力株の下値模索の動きが相次いでおり、投資家の気勢が削がれても仕方のないところではある。今はまだ弱気優勢に傾いておらず空売りが闊歩するような地合いではないが、気迷い相場の色が強まっている。それだけに利食い急ぎの動きが顕在化すると、全体相場はショートカバー(空売り買い戻し)が見込めない分だけタチの悪い下げとなる。上値で売りたい向きが大勢いるとなれば、リバウンド期待も希薄化するのは道理である。

5月の大型連休期間中に米国株や欧州株が上昇歩調を強めれば、当然ながら日経平均もギャップアップして始まる形が想定されるが、4月末時点でそれを期待して買いポジションを積み上げるのは丁半博打に近い部分がある。また、個別では当該企業の好決算を見込んだ先回り買いや、サプライズ決算を受けた急騰株の高値に買いつく手段など、この時期は決算発表に絡む物色手法にマーケットの関心が向かいやすい。しかし、上げ潮相場からは遠い現在のような地合いでは、それは分の悪い投資戦略となりがちである。

●主力大型株は戻り売り圧力強い

昨年5月下旬以降に始まった“コロナマネー相場”で、暗黙のうちに日経平均の下値サポートラインとして機能したのが75日移動平均線だ。この75日線を4月21日にマドを開けて下に抜け、その後もこのラインを回復できないでいる。銘柄にもよるが、主力大型株については、総じて押し目買いから戻り売りトレンドに転じた可能性も考えられる局面だ。

ここは、全体の地合いを横にらみに比較的短期タームでの売り買いを考えるのが実践的である。投資対象としては、機関投資家のポジション調整の影響を受けにくい低位株の範疇(はんちゅう)に属する銘柄群が狙い目となる。500円未満の銘柄は値ごろ感から、個人投資家が参戦しやすい価格帯でもある。値がさ優良株にファンド売りの動きが観測されている以上、今はその流れに逆らわず、“低位株”という個人投資家の土俵にスポットを当てた銘柄選びをするのも一法だ。

●上値期待十分、ここから狙う低位株8選

今回の特集では、材料性豊富な中小型株で株価が500円未満の低位に位置する銘柄群の中から、上値期待を内包する8銘柄を選抜。短期回転が前提となるが、日経平均が仮に調整局面に入ってもインデックス売りの洗礼を浴びにくく、押し目を丹念に拾って噴き上げを待つという手法で臨むことも可能だ。

【永大産業は木材価格高騰で株高に点火】

永大産業 <7822> は4月27日に急動意をみせ340円台まで駆け上がった後に調整を入れている。住宅用床材など木質建材を手掛けており、目先は世界的な需給逼迫を背景とした木材価格の高騰が同社の株価を刺激した。しかし、そうした思惑を抜きにして純粋に株価指標面でも買える。3.7%前後の配当利回りながらPBR0.3倍台と超割安圏に位置する。22年3月期の業績改善を見込んでここは買いで対処できる局面だ。

<時価323円 短期上値メド360円 中長期上値メド450円>

【ノムラシステムはDX関連の絶妙穴株】

ノムラシステムコーポレーション <3940> は昨年7月につけた高値517円から40%前後の大幅調整を入れているが、ITソリューション企業としては値ごろ感が際立っている。独SAPのERPソフトを中心とした戦略的システム導入コンサルティングを行うが、民間及び官庁のデジタルトランスフォーメーション(DX)関連として見直し余地は大。21年12月期営業利益は前期比横ばい見通しながら来期以降は2ケタ増益路線復帰へ。

<時価317円 短期上値メド360円 中長期上値メド500円>

【日駐はシェアオフィス事業参入に期待】

日本駐車場開発 <2353> は160円を軸とした狭いボックス圏往来が続いており、上放れの機をうかがう。国内駐車場事業が堅調なほか、テーマパークやスキー場事業に対する新型コロナウイルスの逆風も株価には大方織り込まれた。一方、企業のテレワーク導入の動きに対応した、シェアオフィス事業への新規参入に期待。21年7月期は23%営業増益見込み。値ごろ感は魅力で日々の出来高流動性を考慮すれば信用買い残も気にならない。

<時価156円 短期上値メド170円 中長期上値メド210円>

【YKTは産業用レーザーなどに将来性】

YKT <2693> [JQ]の300円近辺のもみ合いは拾ってみたい。独立系の電子機器及び工作機械を扱う商社。足もとの業績は厳しい状況で、21年12月期営業利益は前期比84%減益の5000万円予想と大きく落ち込む見込み。しかし、財務面は安定しており、今期5円配当を継続する見通しにもかかわらずPBRは0.5倍台に放置されている。同社は産業用レーザーなど光電子装置の販売を手掛け、新規需要獲得を進めている。

<時価299円 短期上値メド350円 中長期上値メド450円>

【リソー教育は強気の中計にらみ底値買い】

リソー教育 <4714> の300円割れは底値圏で逆張り対象として有力。首都圏中心に難関校を目指す個別指導塾「TOMAS」を展開するほか、家庭教師派遣事業、幼児教育など幅広く展開する。コロナ禍で21年2月期業績予想は営業利益が前の期比63%減と低迷したが、22年2月期はV字回復を見込む。GIGAスクール構想などにも対応し24年2月期営業利益37億1000万円(今期予想比48%増)を目指す中期計画を掲げる。

<時価295円 短期上値メド320円 中長期上値メド400円>

【キョウデンは5G関連の活躍舞台へ】

キョウデン <6881> [東証2]の300円近辺も売り物が枯れた水準と判断され買い場にみえる。21年3月期予想PERはわずかに6.5倍。これは固定資産売却に伴うものだが、PBRも0.7倍台で見直し余地が大きい。プリント基板メーカーで、車載や産業機器向けで高い実績がある。高速通信規格5G向けでは早い段階から長野工場を拠点に同規格に対応した電子基板の開発を進め、国内でのインフラ加速局面で活躍が期待される。

<時価302円 短期上値メド350円 中長期上値メド430円>

【シンワワイズはNFT関連で飛躍も】

Shinwa Wise Holdings <2437> [JQ]は3月下旬の急騰後、往って来いとなっているが再動意のタイミングをうかがう。祖業である美術品の公開オークションのほか、太陽光発電など再生可能エネルギー分野も手掛ける。また、ブロックチェーン技術を使って芸術品などの作者や所有者情報を保証するデジタル資産(=NFT)を深耕。グループで取り扱うアート作品をNFT化し販売する新規事業を立ち上げるなど積極的だ。

<時価445円 短期上値メド500円 中長期上値メド700円>

【メディア工房はVR事業で新境地開拓狙う】

メディア工房 <3815> [東証M]は小型株特有の瞬発力があり、5日・25日・75日移動平均線が収れんする300円台前半で煮詰まっている時価は妙味を内包する。パソコンやモバイル向けに占いコンテンツを配信している。足もとの業績は低迷しているもののVR事業で新境地を開拓する構え。ネットキャッシュは7億円強あり財務体質は安定。3月10日には「遺伝子検査」と「占い」による恋愛診断ツールをリリースし株価急騰の材料となった。

<時価339円 短期上値メド390円 中長期上値メド430円>

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