利益成長【青天井】銘柄リスト〔第1弾〕 34社選出 <成長株特集>
4月下旬から21年1-3月期の決算発表集中期間に突入している。本特集では、6日までに発表された決算の中から、1-3月期に過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益成長が“青天井”状況になっている銘柄にスポットライトを当てた。
下表では、時価総額100億円以上の銘柄を対象に、本決算月にかかわらず、21年1-3月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している34社を選び出し、1-3月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったナブテスコ <6268> の21年1-3月期(第1四半期)業績は、経常利益1244億円と過去最高だった直前の10-12月期を9.6倍も上回って着地。協業関係を解消したハーモニック・ドライブ・システムズ <6324> [JQ]の持ち分法適用除外に伴う評価益を計上したことが利益を大きく押し上げた。
2位に入ったサイバーエージェント <4751> の1-3月期(第2四半期)は、ゲーム事業で2月にリリースしたスマートフォン向け育成型ゲーム「ウマ娘プリティーダービー」、スクウェア・エニックスとの共同タイトル「NieR Re[in]carnation」がヒットしたことが収益を押し上げた。また、インターネット広告事業は昨年の新型コロナウイルス感染拡大の影響から復調し、21四半期ぶりに経常利益の過去最高を塗り替えた。業績好調に伴い、21年9月期通期の同利益予想を575億~625億円(従来予想は300億~350億円)に上方修正し、5期ぶりに最高益を更新する見通しとなった。これを受けて株価は急騰し、4月30日に上場来高値2294円をつけている。
3位のブイキューブ <3681> は新型コロナウイルスの感染拡大を背景に急増するイベントのリモート開催ニーズを取り込み、Webセミナー配信サービスの提供回数が大きく伸びた。また、顧客が運営する事業に映像コミュニケーション機能を組み込むサービス「V-CUBE Video SDK」の利用時間が増加したうえ、防音型コミュニケーションブースの設置販売も拡大し、1-3月期(第1四半期)経常利益は2四半期連続の最高益更新を遂げた。
4位にリスト入りしたNECネッツエスアイ <1973> の1-3月期(第4四半期)は、投資が集中したGIGAスクール案件を獲得したほか、デジタルトランスフォーメーション(DX)技術を活用した働き方改革に関連したICTサービスや通信事業者向けインフラ整備などの注力領域も好調だった。また、プロジェクト管理の徹底に加え、不採算案件に対する損失引当金が減少したことも寄与し、売上高、経常利益ともに四半期ベースの過去最高を達成した。
5位の内外トランスライン <9384> は独立系海上輸送会社。1-3月期(第1四半期)は国内部門で利益率の高い輸出混載貨物や単価の高いフルコンテナの取扱数量が増加したほか、子会社では航空貨物輸送が大きく伸びた。また、日本からの貨物取扱を主力とする海外部門の収益も拡大し、経常利益は前年同期比2.4倍の8.1億円に膨らんだ。併せて、21年12月期業績予想を大幅上方修正したことも好感され、株価は年初来高値を更新中だ。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 1-3月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<6268> ナブテスコ 859 124494 12979 367 163000 34907 5.4
<4751> サイバー 104 26097 12814 69.8 60000 35341 43.4
<3681> ブイキューブ 69.8 798 470 125 2300 1020 33.0
<1973> NESIC 50.3 11637 7742 2.0 26000 25493 17.3
<9384> 内外トランス 49.7 819 547 44.9 2400 1656 10.8
<3969> エイトレッド 42.4 282 198 11.4 880 790 32.6
<3085> ALサービス 40.0 2186 1561 15.0 5600 4868 22.6
<9702> アイエスビー 36.1 845 621 8.1 1850 1712 14.5
<3496> アズーム 29.9 152 117 102 450 223 52.3
<2760> 東エレデバ 27.6 2013 1578 5.1 5100 4852 14.4
<3901> Mラインズ 27.2 332 261 9.7 1050 957 60.5
<4348> インフォコム 23.0 3723 3026 0.6 11000 10936 20.5
<2359> コア 18.6 835 704 6.4 2250 2114 13.9
<4726> SBテク 17.4 1520 1295 8.0 4300 3981 25.0
<7518> ネットワン 17.2 7757 6616 20.8 22000 18208 19.5
<3891> 高度紙 16.1 894 770 7.3 3000 2796 17.1
<4739> CTC 15.9 20905 18034 11.5 49000 43952 26.8
<3064> モノタロウ 15.5 6083 5266 25.8 24738 19671 73.2
<9682> DTS 15.3 3665 3179 0.6 11200 11131 15.6
<4389> プロパテDB 14.6 165 144 2.7 533 519 28.6
<4220> リケンテクノ 14.5 2090 1825 10.8 6500 5869 9.6
<9534> 北ガス 12.2 5017 4473 13.6 6200 5456 6.2
<4327> 日本SHL 10.4 868 786 0.1 1393 1392 18.2
<7309> シマノ 7.6 36948 34343 8.3 109500 101110 29.3
<8096> 兼松エレク 6.5 4691 4405 4.2 11500 11041 13.9
<4206> アイカ 6.0 6247 5894 0.3 21400 21333 20.9
<5344> MARUWA 5.3 2917 2769 6.5 11000 10330 18.5
<8035> 東エレク 5.1 111451 106035 37.2 442000 322103 23.5
<7466> SPK 4.5 657 629 2.8 2100 2042 9.2
<4212> 積水樹 3.8 4145 3994 0.8 11350 11259 12.4
<4286> レッグス 3.2 619 600 25.8 1700 1351 21.2
<2491> Vコマース 3.1 1838 1782 19.6 7500 6271 36.3
<6516> 山洋電 2.4 2988 2918 25.3 10700 8540 12.7
<8174> 日ガス 2.1 6942 6796 3.8 14600 14062 22.4
※ 2020年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース