決算ピークで週を通じて方向感は出難いところ/オープニングコメント

市況
2021年5月10日 8時20分

10日の日本株市場は、引き続きこう着感の強い相場展開になりそうである。7日の米国市場ではNYダウが229ドル高と続伸し、連日で最高値を更新。4月雇用統計で雇用者数の伸びが予想を大幅に下回ったため回復期待が後退し下落する場面も見られた。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)が早期に金融緩和を縮小するとの警戒感が後退し上昇に転じると、引けにかけては金融緩和の長期化を期待した買いが一段と強まり、上げ幅を拡大している。シカゴ日経225先物清算値は大阪比20円高の29410円。円相場は1ドル108円50銭台で推移している。

米国市場の上昇を受けた反応は見込まれるものの、シカゴ日経225先物の反応は限られていたこともあり、次第にこう着感が強まりそうである。新型コロナウイルス感染症の新規感染者数拡大が収まらず、東京都の新規感染者数が日曜日では1月以来となる1000人を超えている。東京五輪開催も不透明となるなか、グローバルマネーは向かいづらいところである。また、今週は決算発表がピークとなるため、決算内容を見極めたいとする模様眺めムードが強まりやすい状況でもある。週末には1000社近い企業の決算が予定されていることもあり、週を通じて方向感は出難いところである。

一方で、米国ではワクチン接種の進展による経済活動の正常化への期待は根強く、NYダウの最高値更新など需給状況は良好である。VIX指数は17.00を下回っており、リスク選好の流れは継続。欧州でもロックダウン解除の動きが見られてきており、外部環境は悪くないだろう。そのため、日本国内に限ってショートを仕掛けてくる流れにもなりづらく、日経平均の29200円から29500円辺りでのレンジ推移は続きそうである。

物色の流れとしては決算を手掛かりとした日替わり物色に向かいやすく、7日引け後の決算ではAGC<5201>、オリンパス<7733>、セイコーHD<8050>、邦チタニウム<5727>、ブロバンタワ<3776>辺りが注目されそうである。また、調整が続いていたナスダックは75日線水準からの反発を見せていることもあり、連動性の観点からハイテク株の一角の他、マザーズ銘柄などの自律反発も意識されやすいところである。

《AK》

提供:フィスコ

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