シナネンホールディングス---21年3月期は2ケタ営業増益、非エネルギー及び海外事業が好調に推移

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2021年5月17日 18時24分

シナネンホールディングス<8132>は14日、2021年3月期連結決算を発表した。売上高が前期比8.4%減の2,171.22億円、営業利益が同19.6%増の29.35億円、経常利益が同37.2%増の30.23億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同9.1%減の27.17億円となった。

エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の売上高は前期比12.8%減の629.94億円、営業利益は同25.7%増の9.63億円となった。主力の「LPガス・灯油販売」において、営業権買収等のM&Aを中心とする収益基盤の強化と拡大に取り組んできたが、買収案件が想定を下回った。また、原油価格やプロパンCPの低下による販売単価の下落に加えて、夏場の平均気温が平年と比較して高かったことによる販売数量の減少により、減収となった。一方、利益面は、寒冷地を中心に差益が改善したことなどにより、前期比で大幅な増益となった。また、西日本エリアも家庭向け電力販売事業を開始したほか、関東エリアでは水回りリフォーム専門店を2店舗オープンするなど、新たな収益源確保に向けた取り組みを推進した。

エネルギーソリューション事業(BtoB事業)の売上高は前期比8.8%減の1,359.98億円、営業利益は同8.8%増の8.92億円となった。主力の石油事業で新型コロナウイルス感染症拡大による産業用エネルギー等の需要低迷があったものの、春先の低温や年始年末の寒波到来などから需要が増加し、前期を上回る販売数量を確保した。一方、原油価格やプロパンCPの低下に伴う販売単価の下落により、減収を余儀なくされた。利益面は、原油市況の変動に対応した仕入施策を徹底したことで差益を確保した。また、軽油販売に注力したことに加え、法人向けを中心とした電力販売事業では、契約電力量が伸長したほか、電源構成の最適化による原価低減にも取り組んだ。なお、新規事業として推進している新型マイクロ風車関連事業は、埼玉県さいたま市で実証事件を開始するなど、本格販売開始に向けた取り組みにも注力した。

非エネルギー及び海外事業の売上高は前期比15.4%増の177.81億円、営業利益は2.43億円(前期は0.50億円の損失)となった。自転車事業は、同感染症拡大の影響で、新入学等の需要が当第1四半期にずれ込んだことなどから販売が順調に推移したほか、プライベートブランド車の拡販や不採算店舗の閉店を進めるなど収益力の改善に努めた。シェアサイクル事業は、新たな連携先の拡大や地方自治体との実証実験等により、首都圏を中心に拠点開発を進めた。なお、2021年3月末現在、ステーション数は1,800ヵ所を超え、設置自転車数は8,200台超へ増加した。環境・リサイクル事業は、同感染症の拡大の影響で建築廃材の発生が減少傾向にある中、コスト抑制など収益確保の施策が奏功した。抗菌事業は、世界的な同感染症拡大を受けて、北米のマスク・手術衣向け抗菌剤の受注が大幅に拡大するなど好調に推移した。下期に入り北米向け需要は一段落したものの、急増した国内外からの問い合わせに対応すべく、設備を増強し増産体制を整えた。システム事業は、電力自由化に対応した顧客管理システム(電力CIS)が好調に推移した。建物維持管理事業は、同感染症拡大に伴い管理する施設の休業等があったものの、病院等向けの感染症対策消毒の受注が増加するなど、全体としては前期並みの売上水準を確保した。

2022年3月期通期の連結業績予想については、前期比12.4%増の2,440.00億円の売上高を見込む一方、利益面は、新規事業に係る先行投資やIT関連投資など経営基盤整備の推進を加速させるため、営業利益が同28.5%減の21.00億円、経常利益が同43.8%減の17.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同44.8%減の15.00億円を見込んでいる。

《ST》

提供:フィスコ

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