前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年5月21日 5時20分

■Fringe <6550>  401円 (+80円、+24.9%) ストップ高

Fringe81 <6550> [東証M]がストップ高。19日の取引終了後、Sansan <4443> と資本業務提携を再締結するとともに、Sansan及び日本政策投資銀行に対して第三者割当による優先株式の発行を行うと発表した。Fringeは、昨年12月に締結したSansanとの資本業務提携を終了させ、今回Sansanの子会社としてグループ入りすることを視野に改めて資本業務提携する。Fringeが手掛けるHRテックサービス「Unipos(ユニポス)」とクラウド名刺管理サービス「Sansan」との連携のほか、インターネット広告事業などで連携していく。あわせて、Sansanと日本政策投資銀行を引受先とする第三者割当増資を実施する。これにより調達する総額38億円の資金は、ユニポスのシステム開発やマーケティング投資などにあてる。なお、子会社化の時期についてFringeでは、契約上の取り決めはないが、ユニポス事業が成長し、Sansanグループの利益に貢献できるようになった段階を想定しているという。また、子会社となった後も上場は維持する方針とした。加えて、10月1日付で「Unipos株式会社」に商号変更を行う予定としている。

■ケアネット <2150>  6,480円 (+800円、+14.1%)

ケアネット <2150> [東証M]が大幅に3日続伸し、年初来高値を更新した。同社は19日に、今後5年間の会社経営の方向性をまとめた「中期経営ビジョン」を発表しており、これが評価材料となったようだ。経営戦略は、主力の医薬DX事業でデジタルと人が融合したハイブリッドモデルで市場成長を牽引するとしているほか、メディカルプラットフォーム事業ではデジタルによる効率化の余地が大きいクリニックなどのスマート化、ヘルスデータサイエンス事業では職域を中心に個人の健康管理を通じて企業の健康経営推進を支援する方針。最終年度となる25年12月期の数値目標は、連結売上高300億円(20年12月期実績は53億400万円)、営業利益100億円(同15億1000万円)を掲げている。

■シスロケ <2480>  1,615円 (+145円、+9.9%)

システム・ロケーション <2480> [JQ]が大幅高で3日続伸。同社は自動車リース会社向けなどを中心に自動車の業務・販売支援システムなどを展開している。19日取引終了後に中期経営計画を発表、数値目標としては第3フェーズの最終年度となる26年3月期に売上高30億円(21年3月期実績は11億3600万円)、営業利益段階で12億円(同4億3600万円)と大幅な伸びを見込んでおり、これを評価する形で買いを呼び込んでいる。株式需給面では信用買い残が枯れた状態にあり、株式需給面からも上値が軽い。

■ペッパー <3053>  330円 (+28円、+9.3%)

東証1部の上昇率3位。ペッパーフードサービス <3053> が5日続伸。同社は19日、4月度実績を公表。主力の「いきなり!ステーキ」の既存店売上高は前年同月比44.7%増となり、今年に入って初めて前年実績を上回ったことが好感されたようだ。既存店の客単価は同10.6%減となったが、客数が同61.8%増となったことが寄与した。なお、全店ベースの売上高は同7.9%減だった。

■IJTT <7315>  666円 (+56円、+9.2%)

IJTT <7315> [東証2]が急反発。いすゞ自動車 <7202> 系列の自動車部品会社3社が経営統合して発足した会社で、22年3月期に業績急回復を見込むいすゞの傘下企業として好調な収益環境を享受する見通し。IJTTの22年3月期業績は営業利益段階で前期比5.7倍の73億円を見込んでいる。予想PERは5.5倍前後と超割安。また1株当たり純資産は前期実績ベースで1579円あり、時価はそこから60%もディスカウントされた水準にあり見直し余地が大きいとみられている。世界的な電気自動車(EV)シフトの動きを背景にモーター駆動システムの開発などその対応にも余念がない。

■スタティアH <3393>  1,219円 (+96円、+8.6%)

東証1部の上昇率5位。スターティアホールディングス <3393> が5連騰。19日の取引終了後、子会社のC-designが全国のワークスペースが使い放題となる月額定額制サービス「anyplace パスポート」を展開するキャップクラウドと業務提携すると発表しており、これが好感された。今回の提携は、キャップクラウドが提供する「anyplace パスポート」を利用する施設の運営企業と施設をワークスペースとして利用するユーザー向けに、C-designが提供する業務支援プラットフォーム「cocrea」を紹介し、BEGINNERプランを無償で提供するもの。これにより、「cocrea」の会員数増加が見込まれるとしている。

■セーレン <3569>  2,150円 (+164円、+8.3%)

東証1部の上昇率6位。セーレン <3569> が急反発。19日の取引終了後に発表した21年3月期の連結経常利益は前の期比16.0%減の94億5100万円と2ケタ減益になったが、従来予想の80億円を上回って着地。子会社からの受取配当金の増加や生産調整休業に伴う雇用調整助成金の計上などが上振れの要因となった。続く22年3月期の同利益予想は前期比6.9%増の101億円に伸びる計画とした。ワクチン普及で緩やかに経済活動の正常化が進むなか、収益が回復に向かう見通しだ。また、併せて発表した中期経営計画では、最終年度である24年3月期の経常利益目標を151億円に設定している。

■岩崎電 <6924>  1,611円 (+121円、+8.1%)

東証1部の上昇率7位。岩崎電気 <6924> が急反発。19日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表しており、これが好材料視された。上限を33万株(発行済み株数の4.35%)、または5億円としており、取得期間は21年5月20日から22年3月31日まで。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するためとしている。

■アドウェイズ <2489>  1,017円 (+68円、+7.2%)

アドウェイズ <2489> が続急伸。4ケタ大台回復は2016年7月以来、約4年10ヵ月ぶりとなる。モバイル向け配信を主力とするアフィリエイト広告大手で、電子コミック系の広告需要が旺盛で業績が急変貌している。21年3月期は従来計画を大きく上振れ、トップラインが3割強の伸びを示したほか、営業利益は前期比8.3倍となる16億2600万円と過去最高利益を大幅更新した。今期は9ヵ月の変則決算となるが、会社側計画の4億9000万円は増額含みとみられている。「直近、外資系証券経由で空売り残が大幅に増加しており、その買い戻しによる株高効果も反映されている」(国内証券ストラテジスト)とみられる。

■テセック <6337>  2,926円 (+191円、+7.0%) 一時ストップ高

テセック <6337> [JQ]が3連騰で連日の年初来高値更新、業績高変化が見込める半導体関連として継続的な投資資金の流入が観測されている。12日にマドを開けストップ高の400円高に買われたが、その後も目先筋の売りを吸収しながら、5日移動平均線をサポートラインに漸次水準を切り上げる異彩の値動きを示している。同社はハンドラ(分類装置)とテスター(検査装置)を主力とする半導体製造装置メーカーで半導体投資の活発化を背景に足もとでは業績回復色が強い。22年3月期は売上高が前期比2.2倍の77億円を予想し、増収効果を反映して営業損益も15億円の黒字化(前期実績は4億4800万円の赤字)を見込む。また、年間配当も大幅増配しマーケットの耳目を集めた。今期は前期実績の10円に対し6倍の60円を計画し、ファンド系資金とみられる大口の買いを誘導した。

■キューブシス <2335>  1,110円 (+62円、+5.9%)

キューブシステム <2335> が5連騰。金融、流通業界向けなどで実績の高いシステムインテグレーターで、ソフト開発やデータベース構築などで優位性を発揮し、トップラインは前期まで9期連続で増収を確保、今22年3月期も8%増収の160億円を見込む。また、株主還元にも前向きに取り組んでいる。19日取引終了後、発行済み株式数の5.1%にあたる77万9840株の自社株を消却することを発表(消却予定日は今月末)しており、これが株高を後押しする格好となった。

■新日本科学 <2395>  835円 (+44円、+5.6%)

新日本科学 <2395> が大幅3日続伸、750~800円のゾーンでの三角もち合いをきれいに上放れ年初来高値を更新した。同社は新薬開発支援を手掛け、前臨床試験受託では国内最大手。新薬の開発支援業務において基礎研究から臨床試験に至るまでワンストップで対応できる強みを持っている。ここバイオ関連株に物色の矛先が向かうなか、業績実態の良好な同社株に投資資金が集まっている。同社の21年3月期営業利益は前の期比14%増の25億2900万円と2ケタ成長を達成、年間配当は前の期実績に15円増配となる20円とし、マーケットのサプライズを誘った経緯がある。22年3月期営業利益は25億5000万円予想と横ばい圏ながら豊富な受注案件を背景に堅調な収益を確保できる見込み。新型コロナウイルスの国産ワクチンについては欧米や中国などの後塵を拝しているが、国策的な後押しで開発が早まる可能性が指摘されている。同社は新型コロナワクチン開発に絡み、アンジェス <4563> [東証M]のプロジェクトに参画するほか、オンコリスバイオファーマ <4588> [東証M]などとも共同開発契約を締結している。

■ALBERT <3906>  5,500円 (+280円、+5.4%)

ALBERT <3906> [東証M]が3日続伸。同社は20日、資本・業務提携先のマイナビ(東京都千代田区)と共同で、デジタルトランスフォーメーション(DX)の実践力習得を目的とする「DX人材育成サービス(仮称)」の開発を始めたと発表。新たな買い材料となったようだ。マイナビの持つ採用・就職支援のノウハウ及び企業・学生・大学をつなぐネットワークと、ALBERTのDX人材・データサイエンティスト育成に関するノウハウ・実績を融合。このサービスでは、DXの素養を高めるコンテンツに加え、実践的なDX人材育成カリキュラムをeラーニングなどを通じて提供する予定だとしている。

※20日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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