前週末28日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年5月31日 5時30分

■日経レバ <1570>  16,180円 (+670円、+4.3%)

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が大幅反発。600円を超える上昇をみせ、取引時間中としては今月11日以来13営業日ぶりの1万6000円台回復となった。日経平均に連動するETFで変動率が基本的に2倍に設定されている。28日は、想定以上に日経平均の振れ幅が大きくなったことで、個人投資家を中心とした短期資金の参戦が活発。売買代金は東証1部上場企業で断トツのソフトバンクグループ <9984> を更に大きく上回る水準をこなしている。

■Jフロント <3086>  1,096円 (+42円、+4.0%)

J.フロント リテイリング <3086> 、三越伊勢丹ホールディングス <3099> 、高島屋 <8233> 、エイチ・ツー・オー リテイリング <8242> など大手百貨店が軒並み高。28日付の読売新聞朝刊で「緊急事態宣言の再延長に合わせ、東京都は独自の措置として百貨店などの大規模商業施設に行っている休業要請を緩和し、平日の全館営業を容認する方向で調整に入った」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。大阪府の吉村洋文知事も25日、緊急事態宣言が延長された場合、大型商業施設への休業要請を緩和し、平日は時短営業とする方針を示しており、百貨店株には売り上げ回復への期待が高まったようだ。

■VTHD <7593>  472円 (+18円、+4.0%)

VTホールディングス <7593> が大幅反発。28日午前10時ごろ、22年3月期の連結業績予想について、純利益を50億円から100億円(前期比2.1倍)へ上方修正し、あわせて20円を予定していた通期配当予想を22円に引き上げると発表したことが好感された。保有するKeePer技研 <6036> 株式の一部売却に伴い第1四半期(4-6月)に投資有価証券売却益70億円を特別利益として計上することが要因。なお、売上高は2200億円(同10.3%増)、営業利益は80億円(同3.7%増)の従来見通しを据え置いている。

■高度紙工業 <3891>  3,470円 (+130円、+3.9%)

ニッポン高度紙工業 <3891> [JQ]が4日続伸。菅政権では2050年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標を掲げているが、その実現のためにガソリン車の電動車シフトを積極的に後押しする構えにある。世界的にもガソリン車から電気自動車(EV)へのシフトが加速している状況にあり、その基幹部品であるリチウムイオン電池などの2次電池市場が急拡大している。EV向けリチウムイオン電池は急速充電、高容量化、長寿命化に加え、高熱にさらされた環境においても発火しない安全性が重要視されている。そうしたなか同社は今月17日に高耐熱リチウムイオン電池セパレータの開発に成功したことを発表、顧客へのサンプル出荷を開始する段階にあり、株式市場でも注目度が高まっている。

■SBG <9984>  8,388円 (+296円、+3.7%)

ソフトバンクグループ <9984> が3日ぶり大幅反発。前日27日のMSCIの指数見直しに伴う売り圧力などが嫌気される形で、5月上旬を境に急激に株価水準を切り下げてきたが、前日は終値ベースで8000円トビ台まで下落し、わずか2週間あまりで株価は約2000円も安くなっていた。28日はMSCI絡みの株式需給面からのビッグイベントが通過したことで、リバウンド期待の買いが入った。

■三洋貿易 <3176>  1,260円 (+44円、+3.6%)

三洋貿易 <3176> が4日ぶり大幅反発。岩井コスモ証券は27日、同社株の投資判断を「B+」から「A」に引き上げた。目標株価は1250円から1500円に見直した。同社は11日、21年9月期連結営業利益を40億円から60億円に増額修正した。ゴム事業で自動車・建機向けに需要が回復したほか、化学品事業ではUVインキ原料の需要などが伸びている。下期もゴム・化学品の素材関連商材が堅調に推移するほか、木質バイオマス大型案件と子会社によるレアアース案件の実現を見込む。同証券では今期営業利益は60億5000万円と若干ながら上振れることを予想し、22年9月期の同利益は65億円への連続増益を見込んでいる。

■BEENOS <3328>  3,565円 (+110円、+3.2%)

BEENOS <3328> が大幅続伸し年初来高値を更新。27日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表しており、これが好感された。上限を16万株(発行済み株数の1.23%)、または8億円としており、取得期間は5月28日から6月30日まで。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するためという。

■三菱ケミHD <4188>  892.6円 (+27円、+3.1%)

三菱ケミカルホールディングス <4188> が4日ぶりに大幅反発。28日付の化学工業日報で、「高精細の液晶ディスプレイ向けに新たなカラーレジストを投入する」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、既に一部のユーザーに採用されており、今期は大幅な増販を見込むとあり、業績への貢献が期待されている。

■ジェイエイシ <2124>  1,848円 (+42円、+2.3%)

ジェイエイシーリクルートメント <2124> が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が27日付で、投資判断「ホールド」を継続しつつ、目標株価を2000円から2100円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、国内人材紹介市場の中長期的成長と、両面コンサルタント体制という差別化から、同社に高い利益成長ポテンシャルがあると評価。21年12月期の営業利益予想を54億円から58億円へ引き上げるとともに、22年12月期予想を同63億円から66億円へ引き上げ、過去最高益を更新すると予想している。

■クスリアオキ <3549>  7,730円 (+150円、+2.0%)

クスリのアオキホールディングス <3549> が反発。27日の取引終了後に発表した5月度の月次営業速報で、既存店売上高は前年同月比6.4%減と10ヵ月連続で前年実績を下回ったものの、3月の同18.3%減、4月の同16.1%減に比べて減収率が大きく縮小したことが好材料視されたようだ。既存店の客単価は同6.4%増と堅調に推移するなか、客数が同12.0%減と前月の同20.6%減から改善した。なお、全店ベースの売上高は同3.6%増だった。

■アダストリア <2685>  1,928円 (+37円、+2.0%)

アダストリア <2685> が続伸。28日午前10時ごろ、電動キックボードなどの「電動マイクロモビリティー」を取り扱うシェアリングサービス「LUUP(ループ)」を展開するLuup(東京都渋谷区)と資本提携したと発表しており、これが好感された。今回の提携により、顧客のアダストリア各店舗での滞在時間に加え、その前後に必ず発生する移動時間までをも視野に入れたさまざまな施策を検討し、今までにない顧客体験や新たなライフスタイル提案を積極的に進めるとしている。第1歩として、LUUP利用者の最も多い渋谷エリアに位置するniko and...TOKYOで、両社の協業開始を記念した特別キャンペーンを今夏実施する予定だ。

■三菱UFJ <8306>  631.3円 (+11.9円、+1.9%)

三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> が3日ぶり反発、第一生命ホールディングス <8750> は4日ぶり反発に転じるなど大手金融株が買い優勢の展開。前日27日の米国株市場では米10年債利回りの上昇を背景にゴールドマン・サックス、JPモルガンなど金融セクターに買いが流入した。米10年債利回りはここにきて再び水準を切り上げる展開で、前日はフシ目の1.6%台を終値で回復した。東京市場でも米国事業を手掛けるメガバンクや大手生保株に運用環境の改善を期待した買いが入った。

■トヨタ <7203>  9,135円 (+155円、+1.7%)

トヨタ自動車 <7203> が6連騰と戻り足を加速させたほか、ホンダ <7267> 、日産自動車 <7201> 、SUBARU <7270> など自動車株が軒並み買われる展開。米長期金利が再び上昇基調にあるなか、ドル・円相場ではドル買いの動きが顕著となり、28日は1ドル=109円90銭台まで円安が進み、4月初旬以来の1ドル=110円ラインも見えてきた。輸出セクターのなかでも特に為替感応度の高い自動車株は、輸出採算改善の思惑を背景に株高が後押しされやすい環境にある。

■アインHD <9627>  6,730円 (+110円、+1.7%)

アインホールディングス <9627> が5日ぶりに反発。27日の取引終了後、集計中の21年4月期連結業績について、営業利益が92億円から109億円(前の期比32.2%減)へ、純利益が50億円から66億円(同28.1%減)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好材料視された。売上高は3000億円の従来予想に対して2973億円(同1.6%増)とやや下振れて着地したものの、主力のファーマシー事業で店舗運営の効率化などにより売上総利益が確保できたことや、業務改革の成果として販管費が計画を下回ったことなどが要因としている。

※28日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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