話題株ピックアップ【夕刊】(2):Jフロント、トヨタ、オリックス
■大和工業 <5444> 3,855円 +130 円 (+3.5%) 本日終値
大和工業<5444>が大幅続伸し年初来高値を更新した。世界景気回復に向けた期待が膨らむなか、グローバルな鋼材需給のタイト化が予想されている。同社は電炉大手で、国内に加えて米国やタイ、韓国、サウジアラビアなどで事業展開している。主力のひとつである米国事業は、形鋼の重要が強く業績拡大期待が膨らんでいる。大和証券では5月31日に同社株のレーティングを「3(中立)」から「2(アウトパフォーム)」に引き上げ、目標株価を2800円から4400円に見直しており、アナリストから強気評価が出ている。
■Jフロント <3086> 1,114円 +35 円 (+3.2%) 本日終値
J.フロント リテイリング<3086>、三越伊勢丹ホールディングス<3099>、高島屋<8233>、エイチ・ツー・オー リテイリング<8242>の百貨店が大手4社が軒並み高となっている。1日の取引終了後に発表した5月度の売上速報(既存店売上高)が、前年同月比で4社ともに増収となっており、これが好材料視された。前年は新型コロナウイルスの感染拡大により休業していた店舗が多く、その反動で売り上げを伸ばした。
■トヨタ自動車 <7203> 9,628円 +205 円 (+2.2%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が続伸。前日に300円超の上昇をみせたが、海外機関投資家とみられる実需買いを背景に最高値街道を走っている。時価総額は既に30兆円を超えており、時価総額2位のソフトバンクGと同3位のソニーグループ<6758>を合計しても同社には届かない。業績面も追い風が吹く。自動車販売需要は米国や中国などで好調に推移しており、半導体不足による生産調整は長引いてはいるものの一過性要因として株価の売り材料とはなっていない。22年3月期営業利益は前期比14%増の2兆5000億円を計画するが増額余地が意識されている。また、自動車の電動化シフトにも積極的に対応、電気自動車(EV)用電池の生産設備投資を加速させており、これも海外マネーの食指を動かす背景にあるとみられている。
■オリックス <8591> 1,983円 +28 円 (+1.4%) 本日終値
オリックス<8591>が続伸。株価は一時、18年5月以来3年ぶりとなる2000円を回復した。世界的な経済正常化に向けた期待が高まるなか、航空関連株を見直す動きが強まっている。同社は世界30カ国以上で航空機リース事業を手掛けており、航空機需要の回復は追い風となる。22年3月期の連結純利益は前期比29.9%増の2500億円の見通し。
■三菱UFJ <8306> 633.7円 +8.4 円 (+1.3%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、第一生命ホールディングス<8750>など大手金融株が堅調。前日の米国株市場では景気敏感セクターが強い動きを示し、米ISM製造業景況感指数が市場コンセンサスを上回る高水準だったことなどを背景に米長期金利も上昇、これを受けてゴールドマン・サックスやJPモルガンをはじめ金融セクターに買いが集まった。米10年債利回りは終値ベースで再び1.6%台に浮上している。東京市場でも米国事業を展開するメガバンクや大手生保株は運用環境の改善期待から買いが優勢となっている。また、前週に話題となったMSCIの銘柄入れ替えでも銀行株の組み入れを強化しており、東京市場においても世界的な金利上昇局面で恩恵を受けやすい大手金融株は引き続き注目度が高い。
■ニチレイ <2871> 2,813円 +28 円 (+1.0%) 本日終値
ニチレイ<2871>が3日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は1日、同社株のレーティングの「オーバーウエイト」を継続するとともに、目標株価を3400円から3500円に引き上げた。持続的な需要拡大が見込まれる冷凍食品と低温物流分野で高い競争力を維持する同社の利益成長の持続性は高い、と指摘。出遅れ感が強い株価の上昇を予想している。22年3月期の連結営業利益は前期比6.2%増の350億円と3期連続の最高益で、中期経営計画の目標値の達成を見込んでいる。
■大塚ホールディングス <4578> 4,515円 +35 円 (+0.8%) 本日終値
大塚ホールディングス<4578>は3日ぶりに反発。1日の取引終了後、100%子会社の大塚製薬が、米アケビア・セラピューティクス社(マサチューセッツ州)と共同で開発を進めている腎性貧血治療薬「バダデュスタット」について、透析期及び保存期における成人の慢性腎臓病(CKD)に伴う貧血の適応で、米国FDAが新薬承認申請を受理したと発表しており、これが好材料視された。なお、同件による21年12月期業績予想に変更はないという。
■デンソー <6902> 7,736円 +51 円 (+0.7%) 本日終値
デンソー<6902>が続伸、3月19日につけた7765円を上回り約2カ月半ぶりに上場来高値を更新した。後場寄りに一段高となり102円高の7787円まで上値を伸ばす場面があった。国内自動車部品メーカーのトップで、トヨタ自動車<7203>が筆頭株主となっている。ここ株式市場ではトヨタに海外マネーとみられる大口の買いが継続的に流入し、最高値街道を走るとともに時価総額30兆円超えを果たした。そのなかトヨタ系列の自動車部品会社にも物色の矛先が向いており、同社はその重鎮として存在感を示す。電装系、駆動系に幅広く技術力を持ち、自動運転分野での研究開発でも先駆している。業績は21年3月期営業利益が前の期比2.5倍、22年3月期は前期比2.7倍と急拡大が続く見通し。
■伊藤園 <2593> 6,110円 +40 円 (+0.7%) 本日終値
伊藤園<2593>が高い。同社が1日取引終了後に発表した21年4月期決算は営業利益が前の期比16%減の166億7500万円と2ケタ減益となったが、事前の会社側計画を大幅に上振れて着地した。続く22年4月期は傘下のタリーズコーヒーの休業に伴う影響などが軽減され、営業利益は前期比20%増の200億円を予想しており、これを好感する買いを引き寄せた。
■メディアドゥ <3678> 4,925円 -535 円 (-9.8%) 本日終値 東証1部 下落率トップ
メディアドゥ<3678>が急落、一時12.6%安の4770円まで下落し年初来安値を更新した。イーブックイニシアティブジャパン<3658>が1日、「LINEマンガ」を運営するLINE Digital Frontier(東京都新宿区)と電子書籍事業で業務提携すると発表した。メディアドゥはLINEマンガ向けにサービスを提供していることから、今回のイーブックの発表を受けて、今後の業績への影響を懸念した思惑的な売りが出ているようだ。
株探ニュース