話題株ピックアップ【夕刊】(2):三菱UFJ、日ピス、ASTI
■ニップン <2001> 1,578円 +11 円 (+0.7%) 本日終値
ニップン<2001>がしっかり。同社は3日、家庭用小麦粉・家庭用ミックスの製品価格を引き上げると発表しており、採算改善を期待した買いが入った。7月1日納品分から、家庭用小麦粉で約1.5~4.0%、家庭用ミックスで約2.0~3.0%引き上げるとしている。輸入小麦の政府売り渡し価格が4月1日から引き上げられ、また資材費や物流費も上昇していることから、これらの価格変動を企業努力だけでは吸収することが難しいため値上げするとしている。
■三菱UFJ <8306> 636.4円 +2.3 円 (+0.4%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、第一生命ホールディングス<8750>などメガバンクや大手生保株が上値指向を継続している。前日の米国株市場ではハイテク株が売られる展開となった一方、ゴールドマン・サックスなど大手金融株に買いが入り全体相場を支えた。米10年債利回りは再び上昇基調に転じ、前日終値ベースで1.62%台まで上昇した。目先は5月の米雇用統計の結果待ちだが、ここ相次いで発表された重要経済指標は総じて好調な数値を示しており、長期金利は先高思惑が根強い。東京市場でも米金融株高に連動する形で銀行や大手生保株には機関投資家とみられる継続的な買いが観測される。
■日本ピストンリング <6461> 1,517円 +300 円 (+24.7%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
日本ピストンリング<6461>がストップ高まで買われ、年初来高値を更新した。同社はきょう、メドトロニック(アイルランド)と植込型医療機器協同開発プログラムを開始したと発表しており、これが材料視されたようだ。メドトロニックは150カ国で事業を展開する世界的な医療機器メーカーで、心臓補助装置や頭部・脊椎手術用ロボット、インスリンポンプ、手術機器、患者モニタリングシステムなどを含む70種類以上の疾患に対する治療法を提供している。一方、同社は2014年以降、歯科用インプラントをメインとした歯科製品の製造・販売や、放射線科医療機器の輸入販売を手掛け、生体適合性の高い金属材料などの開発・製品化にも取り組んでいる。
■東京ソワール <8040> 1,445円 +170 円 (+13.3%) 一時ストップ高 本日終値
東京ソワール<8040>の上げ足が止まらない。同社は婦人フォーマルウェアの最大手で百貨店や量販店向けに展開する。コロナ禍で業績は低迷しているものの、株価は需給思惑を背景に5月下旬から急速人気化、前日まで11連騰と異彩を放ち、この間に2.5倍化した。きょうは更に上値追いが加速し、カイ気配のまま水準を切り上げている。フリージア・マクロス<6343>が3日付で財務省に提出した大量保有報告書と変更報告書によると、フリージアが保有する同社株の保有比率は7.75%となり、新たに5%を超えたことが判明、これが需給相場に拍車をかけている。
■サニックス <4651> 385円 +40 円 (+11.6%) 本日終値 東証1部 上昇率2位
サニックス<4651>が急反騰。3日に行われた国土交通省、経済産業省、環境省による有識者会議「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」で、国や地方自治体が公共建築物を新たにつくる場合は太陽光発電設備の設置を標準化することが盛り込まれていることを受けて、同社や明治機械<6334>など太陽光発電関連の一角に思惑的な買いが入っているようだ。
■ASTI <6899> 3,200円 +326 円 (+11.3%) 本日終値
ASTI<6899>は急伸。5月14日に発表した中期経営計画で紹介された浜松市に建設予定の大原工場(仮称)がきょう付けの自動車専門紙電信版で取り上げられており、これが好材料視されたようだ。新工場は、電動車向け製品など低炭素社会関連事業の集約拠点として21年内に着工し、23年に完成する予定だ。
■富士石油 <5017> 300円 +29 円 (+10.7%) 本日終値 東証1部 上昇率3位
富士石油<5017>が急反発し年初来高値を更新した。旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)が3日の取引終了後、財務省に変更報告書を提出し、富士石油株の保有割合が5.03%から6.20%へ増加したことが判明しており、これを受けて需給思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は引き続き、投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為などを行うこととしている。報告義務発生日は5月27日。
■東天紅 <8181> 1,103円 +95 円 (+9.4%) 本日終値 東証1部 上昇率8位
東天紅<8181>が急伸。きょう、上野動物園のジャイアントパンダ「シンシン」に妊娠の兆候が確認されたことが複数のメディアで報じられており、これを受けてパンダ関連株に位置づけられる同社に思惑的な買いが入ったようだ。同じく、仏料理店の老舗で上野周辺にも店舗を構える精養軒<9734>も上昇した。
■小野測器 <6858> 585円 +40 円 (+7.3%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
小野測器<6858>は急伸。きょう付けの朝日新聞朝刊で、「自動車が実際に走行した時の燃費(実燃費)を正確に把握するため、国土交通省は、燃費を記録する装置を新車に搭載するよう、メーカーに義務づける方針を固めた」と報じられており、燃料計測装置や燃料流量計などを手掛ける同社に思惑的な買いが向かったようだ。記事によると、自動車メーカーが公表する「カタログ燃費」と実燃費とのずれを指摘する声が高まっていることを背景に、国交省が来週にも関係規定を改正し、早ければ23年10月以降の新車から順次適用する方針という。
株探ニュース