Iスペース Research Memo(1):メディア運営事業と海外事業が成長期へ、2022年9月期以降の収益拡大に期待

特集
2021年6月7日 15時01分

■要約

インタースペース<2122>はアフィリエイト広告を中心としたインターネット広告事業と、ママ向けコミュニティサイト「ママスタ(旧ママスタジアム)」を中心としたメディア運営事業を展開している。また、インドネシアやタイ、マレーシア、ベトナム、シンガポールの東南アジア5か国でアフィリエイトサービスの育成・普及に取り組んでいる。

1. 2021年9月期第2四半期累計業績の概要

2021年9月期第2四半期累計(2020年10月~2021年3月)の連結業績は、売上高で前年同期比15.5%減の11,155百万円、営業利益で同57.0%減の136百万円と減収減益となり、会社計画(売上高12,100百万円、営業利益160百万円)に対しても下回った。メディア運営事業は主力の「ママスタ」を中心に好調に推移したものの、インターネット広告事業において前期業績に貢献したEC関連の大型プロモーション案件がなくなったこと、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響により美容・エステなどサービス業界からの広告出稿低迷が長期化していることが下振れ要因となった。ただ、ベトナムの持分法適用会社の収益が拡大したほか、投資事業組合運用益の増加によって、経常利益は同25.2%減の211百万円と会社計画を51百万円上回った。

2. 2021年9月期の業績見通し

2021年9月期の連結業績見通しは、売上高で前期比6.8%減の23,200百万円、営業利益で同0.5%減の450百万円と期初計画(売上高25,800百万円、営業利益580百万円)を下方修正した。メディア運営事業や海外事業は好調に推移しているものの、コロナ禍の影響が長引くなかで国内アフィリエイト事業の売上見通しを引き下げたことによる。ただ、売上水準については第1四半期を底に第2四半期以降は緩やかながら回復に向かう見通しとなっている。また、子会社の(株)ストアフロントで展開しているストアフロントアフィリエイト事業についても、継続課金型へのビジネスモデル移行により、前期までは減収減益が続いていたが、2021年9月期からは増収増益に転じる見通しとなっている。

3. 成長戦略

同社は国内インターネット広告事業における収益基盤の強化を図りながら、成長ポテンシャルの高い海外事業やメディア運営事業への投資を継続し、中長期的な成長を目指していく戦略だ。インターネット広告事業では、新規商材の獲得やグローバルクライアントの開拓に注力していく。ストアフロントについても、新規商材・販路の拡大によりさらなる成長が可能なほか、海外事業についてもアフィリエイト広告市場の高成長が期待できることから、積極的に事業拡大を推進していく方針だ。メディア運営事業については、「ママスタ」のPV,UU数拡大基調が続いており、コンテンツの拡充も進めながら媒体価値の向上によりさらなる成長を目指す。また、2020年4月に子会社化した(株)ユナイトプロジェクトの学習塾ポータルサイト「塾シル」の育成にも注力していく。「塾シル」については、掲載教室数が約6,800件(2021年3月末)と子会社化した当時から約1.4倍に増加し、2021年3月には初めて単月黒字化を達成したが、業界トップの「塾ナビ」(同8.7万件)と比較すると規模はまだ小さい。このため、ターゲット層が重なる「ママスタ」との連携により認知度をさらに向上させ、収益拡大していく戦略となっている。同社は、将来的にメディア運営事業の利益をインターネット広告事業と並ぶ水準まで高めていくことを目指している。

■Key Points

・2021年9月期第2四半期累計業績は減収減益となるも、メディア運営事業や海外事業が大きく成長

・2021年9月期下期以降はインターネット広告事業も増収基調に転じる見通し

・中期的な営業利益目標として、インターネット広告事業とメディア運営事業の利益構成を50:50にする

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YM》

提供:フィスコ

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