話題株ピックアップ【夕刊】(2):HIS、郵船、ファストリ
■エイチ・アイ・エス <9603> 2,640円 +70 円 (+2.7%) 本日終値
エイチ・アイ・エス<9603>が3日ぶり急反発、一時164円高の2734円に買われ、年初来高値を更新した。海外旅行を中心に格安航空券販売やパック旅行を手掛け、テーマパークやホテル運営なども行っており、ワクチン普及を背景としたアフターコロナ関連の中核銘柄の一つでもある。前週末11日に発表した21年10月期の第2四半期累計(20年11月~21年4月)決算は営業損益段階で310億8300万円の赤字だった。ただ、業績悪は織り込み済みだったことで株価下落の材料とはなりにくかった。逆に空売りの買い戻しで、株価に浮揚力が働いた。直近信用倍率は1.04倍と拮抗している。
■日本郵船 <9101> 5,350円 +120 円 (+2.3%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>、NSユナイテッド海運<9110>など海運株が一斉高。業種別騰落で「海運」は一時3%前後の上昇率を示した。世界的な景況感の回復が顕著となっており、ばら積み船の運賃市況の動向を表すバルチック海運指数が、直近急速な切り返しに転じている。同指数は前週8日時点で2420まで水準を切り下げていたが、その後3連騰、特に10日と11日には連日で188ポイントの急騰をみせるなどで注目を集めた。これを背景に、きょうの東京株式市場では海運株が改めて買い直される展開となった。
■ファーストリテイリング <9983> 84,330円 +1,830 円 (+2.2%) 本日終値
ファーストリテイリング<9983>が急反発、1800円を超える上昇で8万4000円台を回復した。きょうは、朝方に先物を絡め日経平均が200円を超える上昇で2万9000円台を回復して始まったが、日経平均寄与度の高い同社株の上昇が目立ち指数押し上げに寄与した。同社株は5月末を境に下値模索の展開を強め、前週10日には8万2000円台半ばまで売り込まれ年初来安値を更新していた。ただ、前週末にメジャーSQを通過したことで、指数絡みの売り圧力が一巡し目先買い戻しを誘発した。
■第一三共 <4568> 2,609円 +35.5 円 (+1.4%) 本日終値
第一三共<4568>は3日続伸。朝方カイ気配で始まった後急速に値を消し、一時マイナス圏に転じる場面もあったが、そこからじりじりと上昇し堅調に推移した。同社は前週末11日、がん治療用ウイルス製品「デリタクト注」が悪性神経膠腫の治療を目的とした再生医療等製品として、国内において条件及び期限付きで製造販売承認を取得したと発表しており、これを好感した買いも入ったとみられる。同製品は、東京大学医科学研究所と共同開発したもので、悪性神経膠腫の治療を目的としたがん治療用ウイルスとしては世界で初めての承認になるという。
■BEENOS <3328> 3,730円 +25 円 (+0.7%) 本日終値
BEENOS<3328>が反発。午前11時ごろ、子会社デファクトスタンダードが運営する国内最大級のファッションリコマースサービス「ブランディア」が、中国最大級の越境ECマーケットモール天猫国際(Tmall Global)に正式出店すると発表しており、これが好感された。ブランディアは、中期目標として海外販売比率50%を掲げており、これまでに世界最大級の越境ECサイトである「ebay」や、欧州最大級のセカンドハンドファッションのマーケットプレイス「Vestiaire Collective」、東南アジア最大級のマーケットプレイス「Shopee」に出店をしているが、中国への越境販売は今回が初となる。
■HEROZ <4382> 2,290円 -188 円 (-7.6%) 本日終値 東証1部 下落率5位
11日に決算を発表。「今期経常は68%減益へ」が嫌気された。
HEROZ <4382> が6月11日大引け後(15:00)に決算を発表。21年4月期の経常利益(非連結)は前の期比29.5%減の2億8500万円になり、22年4月期も前期比68.4%減の9000万円に大きく落ち込む見通しとなった。3期連続減益になる。
■任天堂 <7974> 65,080円 -2,070 円 (-3.1%) 本日終値
任天堂<7974>が寄り後に大口の売り注文が断続的に出て急速に水準を切り下げる展開。売買代金は東証1部上場企業の中でも群を抜いており、株価の下げ方も異質で市場関係者の注目を集めた。世界最大級のゲーム見本市E3が米国時間12日から開幕(オンライン開催)しているが、そのなか、「同社の発表が今週16日午前1時(日本時間)に予定されているが、期待されたニンテンドースイッチの新機種発表が見送られるのではないかとの観測が高まったことで、これを材料に売りがかさんでいる」(国内証券マーケットアナリスト)という。E3は東京市場でもゲーム関連株を刺激する材料として、開催前から取り沙汰されてきたが、任天堂は特にスイッチ絡みで注目を集めていた。
■三菱UFJ <8306> 604.7円 -6.1 円 (-1.0%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクは売り買い交錯。ここ米10年債利回りが低下基調にあり、前週末時点では1.4%台半ばの推移となっている。前週末の米国株市場ではゴールドマン・サックスは堅調だったもののシティグループがマイナスで引けるなど、大手金融株は高安まちまちの展開だった。東京市場でも前週は米長期金利低下を嫌気する形でメガバンク3社に利益確定の売りが出ていずれも25日移動平均線を下回ってきたが、目先的には値ごろ感も意識され、高配当利回りに着目して押し目を買う動きも観測される。
■ビューティガレージ <3180> 4,380円 +700 円 (+19.0%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率2位
ビューティガレージ<3180>がストップ高。前週末11日の取引終了後に発表した22年4月期の連結業績予想で、売上高230億6100万円(前期比17.7%増)、営業利益13億100万円(同30.1%増)、純利益7億9500万円(同22.5%増)を見込み、年間配当予想で前期比2円増の16円を予想していることが好感された。美容業界でデジタル化が加速していることを背景に、ECサイトのUI/UXの更なる進化・改善を進めるほか、物流面、営業面、サービス面などの一層の強化を行うことでロイヤル顧客の拡大と1顧客当たりの年間利用額の増加を図り業績拡大を目指すという。なお、21年4月期決算は、売上高195億9700万円(前の期比24.6%増)、営業利益10億円(同37.0%増)、純利益6億5000万円(同59.3%増)だった。同時に25年4月期を最終年度とする中期経営計画について、最終年度の目標数値を売上高300億円から350億円へ、経常利益17億円から21億円(21年4月期10億7900万円)へそれぞれ引き上げており、これも好材料視されたようだ。
■マクビープラ <7095> 6,510円 +1,000 円 (+18.2%) ストップ高 本日終値
Macbee Planet<7095>はストップ高に買われた。同社はWebマーケティング支援ビジネスを展開するが、コロナ禍での消費者の巣ごもり化も追い風となってスマートフォンなどをはじめとするネット利用比率が高まっており、Web広告管理システム関連の受注も既存顧客を中心に需要獲得が進んでいる。前週末11日取引終了後に発表した、22年4月期営業利益予想は前期比27%増の10億円予想と連続で過去最高利益を更新する見通しにあり、これを好感する買いを呼びこんでいる。
株探ニュース