4連勝さんはどんな人、コロナ相場での成績、含み損益が最大の銘柄は

特集
2021年6月22日 14時52分

第20回 強い投資家はどんな人~日本株投資家3900人調査で解明!(データ分析・4連勝さん編-1)

筆者/真弓重孝 = 『株探』編集部・編集統括プロデューサー
ビジネス誌、マネー誌などを経て、2018年4月にみんかぶ(現ミンカブ・ジ・インフォノイド)に入社。現在に至る。

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昨日(6月21日)から一転して反発している日経平均株価だが、昨日のように3%以上の下落が襲うと、投資意欲が落ち込むもの。

ちなみに日経平均の終値が前日比3%以上の下落になったのは、今年で3回目。昨年からでは11回、そして2015年からでは35回目になる。

参考までに東証マザーズ指数での「3%以上の下落日数」は、順に6、29、87回。日経平均と比べて2~3倍ほど多い状況になる。

となると新興市場銘柄を主力とする個人投資家にとっては、ボラティリティー(株価の変動率)の大きさは大型株より上値を狙いやすい分、逆のインパクトも食らう可能性も。

打撃を受けた時は気分は大きく凹んでしまうが、人が感情の生き物である以上は、いたって自然の反応ともいえる。

とはいえ「強い投資家」というのは、株価下落の打撃を受けてもモチベーションを落とさずに努力を続け、逆境をはねのけている。

昨日、本コラムのケーススタディ編でアップしたレスキュー隊員のsatoさん(ハンドルネーム)は、2013年から投資を本格的に始めてからの年間成績が8連勝(参考記事)。

投資開始後に、チャイナ・ショック(15年と16年)、VIXショックとクリスマス・ショック(18年)、そして昨年にはコロナショックが襲いかかっても、着実にリターンを重ねてきた。

そのさまは昨日公開した記事を含め、2回にわたって紹介するので参考にしてほしい。

2018年から勝ちで、投資開始以来プラス、運用資産1000万円以上

今記事では、第1回「株探-個人投資家大調査」の回答者から連勝さんを抽出し、回答データから連勝さんの特徴を3回にわたって解き明かしていく。まず連勝さんの定義は、

・2018年から今年春まで、それぞれの年の年間成績がプラス(勝ち)

・投資開始からの運用成績がプラス

・運用資産1000万円以上

になる。連勝は18年からなので、対象は「4連勝さん」になる。初回のデータ分析編では、

・今年春時点の運用成績

・コロナショックが襲った20年の運用成績

・日本株の運用額

・投資スタイル

・投資歴や年齢などの属性

・今年春時点の含み益と含み損が最大の銘柄

――について紹介する。

まずは運用成績について見ていく。

投資開始後から2倍以上の人が多い

投資開始からの運用成績は資産を2倍以上に増やした人の割合が、全体と比べて高い。20倍以上に増やした回答者は、全体より3倍近い水準になっている。

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注:回答数は4連勝さん344、全体2306。不明の回答は除く

続いて、今年(回答した春時点)とコロナショックが襲った昨年(20年)の状況を見ると、今年も昨年もパフォーマンスが高くなるほど、全体の水準より高い割合となる傾向が見られている。

たとえば今年のパフォーマンスでは、昨年末から「20~30%未満」そして「30~50%未満」などで、全体より高い比率になっている。

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注:回答数は4連勝さん344、全体2446。「不明」の回答は除く

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注:回答数は4連勝さん344、全体3920。4連勝さんは「利益・含み益あり」の人

投資スタイルはグロース、バリュー、テク・需給の順

投資スタイルは「グロース」「バリュー」「テクニカル・需給」「テーマ」「イベント」「その他」の順で、全体の傾向と変わらない。

その中で目立ったのが、「テクニカル・需給」と「テーマ」の割合が、全体と比べると低いことだ。

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注:回答数は4連勝さん344、全体3920

ベテランがやはり多い

4連勝さんの属性は以下の通り。

日本株の資産額は5000万円以上の人が4分の1強を占めている。

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注:回答数は4連勝さん344

投資歴と年齢は以下の通りで、やはり投資歴が2000年より前から投資をしている人が過半となり、年齢も50代以上が多い。

ベテランが多いのは、投資で成功を掴む上で経験がプラスになっている可能性を示す。もちろん失敗から学び、成功しても慢心してはならない。

そのことは、本コラムのケーススタディ編で紹介してきた投資家が示している。

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注:回答数は4連勝さん344、全体3920。4連勝さんは「2020年以降」の回答者は対象外

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注:回答数は4連勝さん344、全体3920

職業と年収は以下の通り。最後に、今春時点で「含み益」および「含み損」が最大の銘柄リストを紹介する。

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■足元で含み益の大きい銘柄

順位銘柄名<コード>
1日本電産<6594>
3ファーマフーズ<2929>
3イオン<8267>
3エムスリー<2413>
6ソニーグループ<6758>
6レーザーテック<6920>
8ソフトバンクグループ<9984>
8伊藤忠商事<8001>
8任天堂<7974>
11日本郵船<9101>
12オリエンタルランド<4661>
12スクロール<8005>
12Jストリーム<4308>
12資生堂<4911>
注:回答数は148

■足元で含み損の大きい銘柄

順位銘柄名<コード>
1日本たばこ産業<2914>
2NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバ<1357>
3明光ネットワークジャパン<4668>
4みずほフィナンシャルグループ<8411>
4ペッパーフードサービス<3053>
4スリー・ディー・マトリックス<7777>
7チェンジ<3962>
7CYBERDYNE<7779>
7シャープ<6753>
7AI inside<4488>
8SUBARU<7270>
注:回答数は96

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