話題株ピックアップ【夕刊】(2):富士通、INPEX、トヨタ

注目
2021年6月22日 15時20分

■富士通 <6702>  20,005円  +945 円 (+5.0%)  本日終値

富士通<6702>が大幅高、株式併合後初となる2万円大台乗せを果たした。時価は2001年1月以来約20年半ぶりの高値圏に浮上している。スーパーコンピューター「富岳」の開発などコンピューター分野における知見と技術力で日本を代表する存在で、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資需要を取り込み業績も拡大基調を続けている。日本が官民を挙げて取り組むポスト5G(6G)では、半導体開発や実装などでキーカンパニーとなる可能性も指摘される。海外投資家とみられる買い需要が観測されるなか、株価は昨年12月以降、75日移動平均線をサポートラインとする強力な下値切り上げ波動を形成している。

■ソラスト <6197>  1,398円  +66 円 (+5.0%)  本日終値

ソラスト<6197>が大幅反発。21日の取引終了後に発表した5月度の介護サービス利用状況で、訪問介護利用者数が前年同月比94.0%増、デイサービスが同16.7%増となり、昨年10月以降続く訪問介護利用者数の大幅増加基調が続いていることが好感されたようだ。

■カネカ <4118>  4,400円  +180 円 (+4.3%)  本日終値

カネカ<4118>が反発。全体相場の地合い改善が追い風となっているもよう。また、同社はきょう、自社の生分解性ポリマー「Green Planet」がファミリーマート(東京都港区)のスプーンに採用されたと発表していることも買い手掛かりとなったようだ。「Green Planet」のカトラリー(ナイフやフォーク、スプーンなどの総称)用途での採用は国内初。主に弁当や丼、スープ向けスプーンとしてきょうから、ファミマの首都圏約40店舗の一部店舗で順次導入されるとしている。

■インフォマート <2492>  952円  +37 円 (+4.0%)  本日終値

インフォマート<2492>が反発。午前11時ごろ、同社が提供する「BtoBプラットフォーム 契約書」が、サイボウズ<4776>が提供する「kintone」とAPI連携を開始したと発表しており、これが好感された。今回の連携は、企業の契約業務における生産性の向上を実現するのが狙い。これにより、「kintone」上で社内承認が完了した契約書データを「BtoBプラットフォーム 契約書」で操作することなく、「kintone」の画面上からそのまま取引先へ発行することができるようになる。また、取引先の承認状況も「kintone」上で確認ができ、その情報は「BtoBプラットフォーム 契約書」にも反映されるとしている。

■日東工器 <6151>  1,863円  +72 円 (+4.0%)  本日終値

日東工器<6151>が反発。午後2時ごろ、大阪市鶴見区に西日本物流センターを新設すると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。同センターは8月16日に営業を開始する予定で、西日本エリアへの納期短縮を図り、顧客満足度を高めることが狙い。また、現在主力の物流拠点である栃木と大阪の2拠点を整備することで、震災や感染症などの緊急事態における事業継続計画(BCP)体制の強化も図るとしている。

■INPEX <1605>  833円  +30 円 (+3.7%)  本日終値

石油関連株が高い。INPEX<1605>や石油資源開発<1662>、それにENEOSホールディングス<5020>や出光興産<5019>などが値を上げている。21日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の7月限が前週末比2.02ドル高の1バレル=73.66ドルと上昇した。一時73.96ドルと18年10月以来、2年8カ月ぶりの水準に上昇した。イラン大統領選で保守派のライシ師が当選したことで、核合意を巡る米国との交渉が難航するとの観測が浮上。イラン産原油の輸出早期再開の観測は後退し、供給増には至らないとの見方が強まったことが原油相場には上昇要因となった。

■トヨタ自動車 <7203>  9,960円  +322 円 (+3.3%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>、日産自動車<7201>、ホンダ<7267>など自動車株が一斉高。前日の米国株市場ではバリュー株中心に買い戻され、NYダウは6日ぶりに反発、600ドル近い大幅な切り返しをみせた。この地合いが東京市場にも波及し、トヨタなどの自動車株に物色の矛先が向いている。外国為替市場でもリスクオンの流れを受けて1ドル=110円台前半までドル高・円安方向に振れており、輸出採算改善期待から自動車セクターには追い風材料となっている。トヨタは前週15日に初の1万円大台乗せを果たしたが、前週末の波乱相場で大陰線を引き、再び9000円台に押し戻されていた。ただ、22年3月期は売上高、営業利益ともに2ケタ伸長が見込まれ、PERも12倍前後に過ぎず割安感がある。目先はリバウンド狙いの買いを呼び込む格好となっている。

■ソニーグループ <6758>  10,870円  +330 円 (+3.1%)  本日終値

ソニーグループ<6758>が3日続伸。前日の全体急落相場のなかで同社株は主力ハイテク株のなかでは唯一プラス圏で引ける強さをみせた。前日に売り込まれなかった分だけきょうは上げ幅も小さくなるが、25日移動平均線とのマイナスカイ離解消に向け強調展開を続けている。テクニカル的には5月末に1万1095円、6月7日に1万1050円、6月15日に1万1085円で目先三点天井を形成、ここを上抜けるかがポイントとなる。きょうは前場取引時間中に同社の株主総会が行われることで、必然的にマーケットの注目度も高い。

■野村総合研究所 <4307>  3,655円  +110 円 (+3.1%)  本日終値

野村総合研究所<4307>が反発。21日の取引終了後、上限を2000万株(発行済み株数の3.30%)、または600億円とする自社株買いを行うと発表しており、全体相場が前日急落からの反動高となるなか同社株の浮揚力を強めている。取得期間は6月22日から12月30日まで。資本効率の向上、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の一環として自己株式を取得するとしている。うち一部株式を22日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得するとしており、きょう午前10時30分に1410万5000株を取得したと発表した。

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