好調継続の中小型株、22年3月期【連続増益】リスト〔第1弾〕 <成長株特集>

特集
2021年6月24日 19時40分

「成長株特集」では3月期決算企業の本決算発表が出そろってから、これまで22年3月期に最高益を見込む企業にスポットライトを当てて特集記事を配信してきた。今回は最高益リストからは外れたものの、22年3月期に好業績が続く見通しを示している成長企業を探ってみた。

下表では、時価総額300億円以上3000億円未満の企業(最高益銘柄を除く)の中から、(1)22年3月期の経常利益が2ケタ成長かつ連続増益を見込む、(2)22年3月期の売上高が増加する見通し、といった条件を満たした33社を選び出し、増益率が大きい順に並べた。

増益率トップとなったのは神戸製鋼所 <5406> 。22年3月期は自動車向けを中心に鉄鋼の販売数量が回復するうえ、原料価格上昇などで在庫評価も好転し、経常利益は前期比2.8倍の450億円に急拡大する見通しだ。2位に入ったアルミ加工メーカー大手のUACJ <5741> は海外を中心に缶材や自動車関連材の需要を取り込むことに加え、アルミ地金価格の上昇に伴う棚卸評価関係の好転やタイ子会社の業績改善なども利益を押し上げる。

3位にリスト入りしたアルミ電解コンデンサー最大手、日本ケミコン <6997> の今期経常利益は前期比2.6倍の54億円に拡大する見通しを示している。最重要戦略市場に位置づける車載、ICT、産業機器市場向けに、付加価値の高い導電性高分子タイプやハイブリッドタイプの販売拡大を見込むほか、固定費削減や生産性向上といった構造改革を継続することも大幅増益に貢献する。

続く4位ヨロズ <7294> の今期経常利益は前期比2.3倍の33億円に膨らむ計画だ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で落ち込んだ自動車生産が回復に向かうなか、サスペンション部品などの販売が伸びる。また、前期にコロナ禍の影響で25億円の営業赤字に沈んだ米州部門は、販売増加と合理化効果で黒字転換を目指す。

選出リストには、自動車市場の回復を受けて業績改善が続く企業が目立つ。ホンダ系自動車部品メーカーの武蔵精密工業 <7220> とエフ・シー・シー <7296> 、自動車電装部品の大手メーカーであるミツバ <7280> 、自動車用オイルシール最大手のNOK <7240> 、カーナビゲーションやカーオーディオを展開するJVCケンウッド <6632> 、自動車用緩衝器で世界大手のKYB <7242> 、独立系自動車用プレス部品メーカーの東プレ <5975> などがリスト入りしている。

また、旺盛な半導体需要が追い風となる銘柄も多く入った。13位のCKD <6407> は半導体用流体制御機器などの販売が増加し、今期の経常利益は前期比40.6%増の110億円を見込む。15位の芝浦メカトロニクス <6590> はロジック・ファウンドリー向け、メモリー向け、パワーデバイス向けの設備投資ニーズが継続するなか、主力の半導体製造装置が伸びる。このほか、26位に半導体用ソケット大手の山一電機 <6941> がリストアップされている。

内需関連に目を移すと、14位のFRONTEO <2158> [東証M]は前期に経常損益が3.3億円の黒字(前の期は9.9億円の赤字)と2期ぶりの黒字転換を果たした。リーガルテックAI事業で利益率の高いAIレビューツールを活用した案件の受注が増加したほか、AIソリューション事業では企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進を背景にビジネスインテリジェンス分野で金融関連の大型案件を複数獲得した。今期もAI関連サービスの売上増加で利益率が向上し、経常利益は前期比36.4%増の4.5億円を見込む。

また、33位に入ったメルコホールディングス <6676> の今期業績は、コロナ禍による外出自粛やテレワークの拡大が続くなか、Wi-Fiルーターなどパソコン周辺機器を展開するIT関連事業の成長が継続する計画だ。経常利益は前期比10.2%増の100億円に伸びる見通しで、11年3月期に記録した過去最高益(109億円)の更新も視野に入る。株価は22日に1995年11月につけた上場来高値を約25年7ヵ月ぶりに塗り替えている。

    ┌ 経常利益 ┐   ┌ 売上高 ┐   増益  予想

コード 銘柄名    増益率 22年3月期 増収率 22年3月期 連続期数  PER

<5406> 神戸鋼      178   45000   9.6  1870000    2  10.0

<5741> UACJ     169   16000  15.8  660000    2  16.8

<6997> 日ケミコン    158   5400  10.1  122000    2  12.6

<7294> ヨロズ      128   3300   9.4  130000    2  16.0

<7220> 武蔵精密    82.4   15100  12.4  230000    2  15.2

<7296> FCC     68.4   14000  14.9  168000    2  8.4

<9110> ユナイテド海  60.9   8900   5.5  146000    2  7.1

<7280> ミツバ     60.0   14000  11.4  300000    2  5.4

<7240> NOK     48.3   27200   4.6  624000    2  16.0

<4118> カネカ     47.3   32500   7.4  620000    2  13.0

<7732> トプコン    43.2   8000   8.6  149000    2  34.5

<6632> JVCケンウ  41.2   6400   4.2  285000    2  12.7

<6407> CKD     40.6   11000  10.6  118000    2  20.8

<2158> フロンテオ   36.4    450   1.3   10500    2  125

<6590> 芝浦      34.8   3800   7.2   48000    2  17.1

<5659> 日精線     34.5   3500  14.3   39000    2  11.6

<1945> 東京エネシス  27.6   5000  29.4   77000    2  9.8

<8153> モスフード   26.1   1800   1.4   73000    3  86.9

<8515> アイフル    25.4   24200   4.2  132800    2  8.7

<9733> ナガセ     24.2   5602   8.6   49780    3  14.7

<5463> 丸一管     23.4   25400  22.6  197500    2  12.4

<2715> エレマテック  19.7   6200   0.4  181000    2  11.8

<6788> 日本トリム   18.8   2800  17.9   17580    2  16.9

<7242> KYB     16.3   19000  11.3  365000    2  6.0

<5975> 東プレ     15.2   19000  16.5  250000    2  7.0

<6941> 山一電機    14.5   3600   6.6   29500    3  13.0

<6962> 大真空     14.5   2900  11.5   37000    2  21.4

<7313> TSテック   13.1   41000  16.4  403000    2  9.8

<8078> 阪和興     12.8   32500  10.6  1930000    2  5.7

<5703> 日軽金HD   12.4   27000   8.7  470000    2  6.4

<6737> EIZO    11.2   9800   7.4   82200    3  15.1

<3593> ホギメデ    10.6   6620   5.2   38400    3  21.1

<6676> メルコ     10.2   10000   7.8  140000    2  12.1

※売上高、経常利益の単位は百万円。増益率、増収率は前期と比べた増加率、単位は%。連続期数は通期ベースの連続回数。

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