好調継続の中小型株、22年3月期【連続増益】リスト〔第2弾〕 <成長株特集>
「成長株特集」では3月期決算企業の決算発表が出そろってから、これまで22年3月期に最高益を見込む企業にスポットライトを当てて特集記事を配信してきた。今回は最高益リストからは外れたものの、22年3月期に好業績が続く見通しを示している成長企業を探ってみた。
下表では、24日に配信した時価総額300億円以上の銘柄を対象とした「好調継続の中小型株、22年3月期【連続増益】リスト〔第1弾〕」に続き、時価総額100億円以上300億円未満の企業(最高益銘柄を除く)の中から、(1)22年3月期の経常利益が2ケタ成長かつ連続増益を見込む、(2)22年3月期の売上高が増加する見通し、といった条件を満たした32社を選び出し、増益率が大きい順に並べた。
増益率トップとなった藤商事 <6257> [JQ]の22年3月期業績は、売上高346億円(前期比28.5%増)、経常利益20億円(同4.1倍)に拡大する見通しだ。パチンコホールの新台需要が回復するなか、パチンコ機9万台(前期は7万0500台増)、パチスロ機5000台(前期はゼロ)の販売を計画する。
2位に入ったコメ兵ホールディングス <2780> [東証2]の前期業績は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための店舗休業や営業時間短縮を受けて2ケタ減収となったものの、粗利益率の改善や広告宣伝費の抑制などが奏功し、経常増益を達成した。今期は利益率の高い中古品の買取・販売の強化や適正な価格設定などを通じ、さらなる採算改善を目指す。
続く3位にリスト入りしたのは、自動車用ゴム製品大手のフコク <5185> 。今期業績は自動車生産が回復に向かうなか、主力のワイヤーブレードラバーなどの機能品や防振製品の販売復調を計画する。また、合理化や体質改善を継続することで採算も向上し、経常利益は前期比2.4倍の35億円に拡大を見込む。
4位のワイエイシイホールディングス <6298> の前期業績は、データセンターやパワー半導体 の堅調な需要を背景に、HDD製造向けバーニッシャー装置やパワー半導体素子用レーザアニーラが好調だったほか、5G関連の電子部品やEV関連部品向けテーピング装置・自動機も伸びた。今期はメカトロニクス関連の好調継続に加え、産業機器関連が回復する見通しで、経常利益は前期比倍増の15億円を計画している。
5位の大同工業 <6373> はオートバイ用チェーンの国内トップ企業で、自動車や産業機械向けチェーンなども手掛ける。前期業績はコロナ禍の影響で二輪用、四輪用ともに大きく受注が減少した。ただ、下期からは完成車メーカー向けや補修市場向けが持ち直したうえ、設備投資の圧縮や人件費の抑制、コスト削減が奏功し、4期ぶりの増益を遂げた。今期は顧客企業の生産回復などを背景に、経常利益は前期比93.5%増の28億円に拡大する計画だ。
選出リストには、「第1弾」に続いて半導体の周辺企業や自動車関連が目立つ。半導体周辺ではパワー半導体を展開する電源機器専門メーカーの三社電機 <6882> [東証2]、半導体製造装置 向け直動関連機器を手掛ける黒田精工 <7726> [東証2]、半導体・液晶製造装置向けを主力とする非鉄金属商社の白銅 <7637> 、半導体製造装置部品商社の内外テック <3374> [JQ]などがリスト入りした。半導体関連は旺盛な需要を背景に、株価が頑強な動きをみせるものが多く、成長期待が強いことがうかがえる。
また、自動車関連では車載用電装品を展開するASTI <6899> [東証2]、自動車や電子部品・半導体関連を主要顧客とする金型部品メーカーのパンチ工業 <6165> 、自動車部品メーカーのTBK <7277> 、エイチワン <5989> などがリストアップされている。
このほか、内需関連では22位に入ったキャリアインデックス <6538> の株価が強調展開を続けている。前期は人材領域がコロナ禍によるマイナス影響を受けたものの、事業ポートフォリオの改革を実施し、不動産賃貸情報サイトや応募課金モデルなど利益率の高い事業を強化したことで、採算が大きく改善した。今期は売上高26.6億円(前期比14.7%増)、経常利益6.3億円(同24.2%増)と2ケタ増収増益を見込み、4期ぶりに復配する方針だ。
┌ 経常利益 ┐ ┌ 売上高 ┐ 増益 予想
コード 銘柄名 増益率 22年3月期 増収率 22年3月期 連続期数 PER
<6257> 藤商事 312 2000 28.5 34600 2 14.3
<2780> コメ兵HD 236 1450 18.3 60000 2 15.3
<5185> フコク 144 3500 10.7 70000 2 7.3
<6298> ワイエイシイ 103 1500 24.0 30000 2 13.9
<6373> 大同工 93.5 2800 9.5 46500 2 7.5
<7908> KIMOTO 82.9 960 9.0 12600 2 17.1
<6882> 三社電機 81.4 800 12.2 21800 2 29.4
<6271> ニッセイ 72.8 660 10.0 17100 2 60.4
<7726> 黒田精 54.1 550 26.4 16800 2 39.5
<6625> JALCO 47.5 1170 73.0 4700 4 17.5
<6666> リバーエレク 46.5 778 23.2 6722 3 17.0
<8103> 明和産 44.9 2600 4.5 136000 2 10.9
<7637> 白銅 44.0 3000 22.4 48000 2 11.8
<6262> ペガサス 43.9 980 41.0 17510 2 21.2
<8041> OUGHD 39.0 2400 0.6 300000 2 9.9
<6899> ASTI 37.6 1900 17.2 53000 2 7.5
<8137> サンワテク 36.3 3500 0.8 135800 2 8.4
<3374> 内外テック 33.1 1380 12.2 30000 2 13.9
<7277> TBK 30.2 1700 18.3 52000 2 9.1
<6165> パンチ 28.3 2150 12.4 36500 2 9.5
<6137> 小池工 28.2 1750 1.9 40000 2 10.8
<6538> キャリインデ 24.2 637 14.7 2660 2 53.3
<4094> 日化産 20.0 3120 6.1 20840 2 11.8
<2676> 高千穂交易 18.8 1100 5.4 21700 2 13.2
<5989> エイチワン 16.9 4000 11.6 183000 2 8.3
<6881> キョウデン 15.8 2900 7.6 50600 2 9.0
<4333> 東邦システム 14.1 1238 8.3 13200 2 13.8
<6763> 帝通工 13.3 1000 9.8 13200 2 13.8
<8737> あかつき本社 12.7 2500 8.0 42200 2 7.0
<6391> 加地テック 11.9 470 4.5 6000 4 31.7
<3648> AGS 11.7 870 5.0 22000 2 26.6
<2372> アイロムG 10.9 1500 16.2 15000 2 22.3
※売上高、経常利益の単位は百万円。増益率、増収率は前期と比べた増加率、単位は%。連続期数は通期ベースの連続回数。
株探ニュース