株価指数先物【寄り前コメント】 NT巻き戻しを想定したNTロングでのスプレッド対応に
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 27740 -410 (-1.45%)
TOPIX先物 1891.5 -29.5 (-1.53%)
シカゴ先物 27745 -405
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
8日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。東京都で4度目の緊急事態宣言が発令されたほか、東京五輪の1都3県での無観客開催が決まり、世界で新型コロナウイルス感染症が再拡大していることが景気回復期待の後退につながり、景気敏感株を中心に売られた。また、長期金利が1.2%台に急低下し、米新規失業保険申請件数が予想外に増加したことも持ち高調整に向かわせた。S&P500業種別指数は自動車・自動車部品、小売、食品・生活必需品小売が小幅に上昇する一方で、運輸、保険、銀行、各種金融が下落。
シカゴ先物清算値は日中大阪比405円安の2万7745円と大幅に下落。日経225先物のナイトセッションは日中比270円安の2万7880円で始まると、寄り付きをほぼ高値に軟調な値動きを見せており、一時2万7480円まで下落幅を広げた。米国市場の取引開始後は2万7600円を挟んだ保ち合いから2万7800円水準まで持ち直す場面もあったが、引けにかけて再び軟化し2万7740円で取引を終えた。
本日はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、ギャップダウンから始まることになり、6月21日の急落局面でつけた安値である2万7720円を下回り、5月14日につけた安値2万7110円が射程に入ってくる。
6月の急落後の急速な切り返しによって目先底が意識されていただけに、同水準を一気に下回ってくる可能性から、ヘッジ対応の売りが集中する形になりそうだ。東京五輪を控えるなかでの東京都の緊急事態宣言発令は相当ネガティブ視されており、持ち高調整の動きにも警戒。また、本日もETFの決算に伴う分配金支払いのための売り需要が発生する。日経225型の売り需要は昨日の時点でほぼ通過したものの、本日はTOPIX型の売り需要が見込まれている。米国の長期金利の急低下もあり、金融セクターへの重荷になろう。
ギャップスタート後は底入れを探ることになろうが、まずは5月安値とのボトム形成を意識した動きに向かいやすく、2万7000円前半レベルまでは押し目買いは限られそうである。ギャップダウンから指数インパクトの大きい値がさ株が指数を押し下げやすく、朝方はNT倍率の低下につながる可能性も。ただし、ETFの売り需要でNT倍率の修正が見込まれるため、NTの巻き戻しを想定したNTロングでのスプレッド対応に。なお、VIX指数は19.00に上昇し、足元で上値抵抗線として意識されていた25日、75日移動平均線を突破。依然としてボトム圏での推移ではあるものの、こちらも神経質にさせる要因となろう。
株探ニュース