前週末9日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年7月12日 5時30分

■メタップス <6172>  1,366円 (+300円、+28.1%) ストップ高

メタップス <6172> [東証M]がストップ高。9日付の日本経済新聞朝刊で、「米グーグルが日本で金融事業に本格参入することが8日までにわかった」と報じられており、買収先は、同社の持ち分法適用関連会社であるpringとされていることが好材料視されたようだ。記事によると、アルファベットC <GOOG> 傘下のグーグルがみずほ銀行(東京都千代田区)などpringの既存株主から全株式を200億~300億円で取得する方向で最終調整に入ったとしている。報道に対してメタップスは「中期経営計画の実現に向けた事業ポートフォリオの見直しを進めているが、現時点で開示すべき決定した事実はない」とコメントしている。

■ツクルバ <2978>  1,008円 (+150円、+17.5%) ストップ高

ツクルバ <2978> [東証M]がストップ高。9日午後0時30分ごろ、マネーフォワード <3994> [東証M]と業務提携契約を締結したと発表しており、これが好感された。今回の提携は、20年9月に発表した基本合意に基づくもので、新たに不動産所有者向けサービスの企画開発を行うのが狙い。これによりツクルバは、住まいの売却相談につながり「cowcamo(カウカモ)」プラットフォーム上により魅力的な物件が集まるほか、売却・購入の両面で潜在的なユーザーとの接点が広がることが期待できるという。また、マネーフォワードは、不動産にまつわるおカネの悩みに応えるサービスを提供できるようになるという。なお、サービス開始は22年内を予定している。

■SHIFT <3697>  19,300円 (+2,540円、+15.2%)

東証1部の上昇率トップ。SHIFT <3697> が急反騰。8日の取引終了後に発表した第3四半期累計(20年9月-21年5月)連結決算が、売上高328億8800万円(前年同期比58.7%増)、営業利益26億4200万円(同60.8%増)、純利益19億100万円(同83.4%増)と大幅増益となったことが好感された。営業強化により新規顧客数が増加したほか、上流サービスやクロスセルの加速により顧客単価上昇を牽引した。また、高単価サービスを増やしたことでエンジニア単価が上昇したことに加えて、稼働率も通常レベルへ回復し売上総利益率が改善した。 なお、21年8月期通期業績予想は、売上高450億円(前期比56.7%増)、営業利益34億円(同44.5%増)、純利益21億円(同27.4%増)の従来見通しを据え置いている。同時に、ローカライズやゲーム開発を行うDICO(東京都渋谷区)の株式を取得し子会社化すると発表した。エンターテインメント領域におけるサービス提供範囲の拡大を図るのが狙いで、議決権所有割合は80%になる予定。取得価額は非開示。なお、業績への影響は軽微としている。

■USENHD <9418>  2,770円 (+331円、+13.6%)

東証1部の上昇率2位。USEN-NEXT HOLDINGS <9418> が急反騰し年初来高値を更新。8日の取引終了後に発表した第3四半期累計(20年9月-21年5月)連結決算が、売上高1538億6900万円(前年同期比7.3%増)、営業利益125億4100万円(同49.0%増)、純利益66億9400万円(同2.1倍)と大幅増益となったことに加えて、8円50銭を予定していた期末一括配当を12円50銭に引き上げると発表したことが好感された。課金ユーザーが順調に増加し、映像配信サービス「U-NEXT」の提供を行うコンテンツ配信事業が収益化したことが牽引した。また、通信事業で法人向けICT(SaaSサービス)の一過性要因による売り上げ増加があったことや、店舗サービス事業及び業務用システム事業がコロナ禍から着実に復調傾向にあることなども寄与した。なお、21年8月期通期業績予想は、売上高2040億円(前期比5.6%増)、営業利益155億円(同42.4%増)、純利益75億円(同52.8%増)の従来見通しを据え置いている。

■竹内製作所 <6432>  2,941円 (+294円、+11.1%)

東証1部の上昇率4位。竹内製作所 <6432> が急反騰。8日の取引終了後に発表した第1四半期(3-5月)連結決算が、売上高333億3200万円(前年同期比29.5%増)、営業利益42億200万円(同41.2%増)、純利益31億5500万円(同49.8%増)と大幅増益となったことが好感された。水道管やガス管などの生活インフラの公共工事が欧米ともに活況で、製品需要が好調に推移した。特に米国では新築・増改築や庭整備などの住宅関連工事が各地で盛んに行われており、ミニショベル、油圧ショベル及びクローラーローダーの販売台数が大きく増加した。なお、22年2月期通期業績予想は、売上高1233億円(前期比9.8%増)、営業利益121億円(同8.4%減)、純利益89億円(同8.9%減)の従来見通しを据え置いている。

■ウエストHD <1407>  4,120円 (+405円、+10.9%)

ウエストホールディングス <1407> [JQ]が大幅高で4日続伸し、年初来高値を更新した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が8日付で、新規に投資判断「バイ」、目標株価7000円でカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。同証券では、同社の掲げるグループ理念が太陽光発電を中心とする再生可能エネルギーの普及と脱炭素社会の実現に貢献すると同時に、中長期的な利益成長の原動力になると評価。今期業績はメガソーラー再生を牽引役に営業利益は7期ぶりのピーク更新となると予想。

■中本パックス <7811>  1,750円 (+161円、+10.1%)

東証1部の上昇率6位。中本パックス <7811> が急反騰。同社は8日取引終了後に、22年2月期第1四半期(3-5月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比97.6%増の7億500万円となり、上半期計画8億5500万円に対する進捗率は82.5%となった。売上高は同18.6%増の99億7300万円で着地した。中食や内食需要の高まりを背景に冷凍食品や乳製品などのスーパーマーケット向け包材、及びテイクアウト・デリバリー用の容器・トレー向け商材、農産物向けフードパックなどが伸長。電子部品の製造工程用フィルムやパッケージ材料なども堅調に推移した。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。

■ミロク情報 <9928>  1,651円 (+110円、+7.1%)

東証1部の上昇率9位。ミロク情報サービス <9928> が4日ぶりに急反発。9日付の日本経済新聞朝刊で、「米グーグルが日本で金融事業に本格参入することが8日までにわかった」と報じられており、買収先は同社の持ち分法適用関連会社であるpringとされていることが好材料視されたようだ。記事によると、アルファベットC <GOOG> 傘下のグーグルがみずほ銀行(東京都千代田区)などpringの既存株主から全株式を200億~300億円で取得する方向で最終調整に入ったとしている。報道に対してミロク情報は、「当社が発表したものではなく、現時点で保有株式に関する決定事実はない。現在、事業投資戦略でさまざまな可能性について協議を行っているが、開示すべき事項が生じた場合には速やかに公表する」とコメントしている。

■オンワード <8016>  360円 (+23円、+6.8%)

東証1部の上昇率10位。オンワードホールディングス <8016> が急反発。8日の取引終了後に発表した第1四半期(3-5月)連結決算が、売上高460億2200万円(前年同期比7.9%増)、営業利益11億4700万円(前年同期18億5100万円の赤字)、純利益20億6000万円(同24億1700万円の赤字)となり、上期予想の営業損益30億円の赤字を大きく上回って着地したことが好感された。緊急事態宣言が発出された影響で4月後半以降の売り上げが落ち込んだことに加えて、前期に国内外の不採算事業からの撤退や不採算店舗の閉鎖が響き、売上高の伸びは小幅にとどまった。ただ、一昨年秋から取り組んできたグローバル事業構造改革の成果が表れ、売上総利益率が3.5%改善する一方で、販管費率が3.3%低下し、利益を改善させた。なお、22年2月期通期業績予想は、売上高1905億円(前期比8.3%増)、営業利益32億円(前期212億3000万円の赤字)、純利益63億円(同231億8100万円の赤字)の従来見通しを据え置いている。

■C&R <4763>  1,640円 (+79円、+5.1%)

クリーク・アンド・リバー社 <4763> が続伸。同社は8日取引終了後に、22年2月期第1四半期(3-5月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比17.3%増の12億3000万円となり、上半期計画16億円に対する進捗率は76.9%となった。売上高は同11.7%増の105億9900万円で着地。クリエイティブ分野(日本)でゲームやプロデュース、ライツ事業が伸長したほか、医師紹介事業が好調だったことなどが寄与した。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。

■フイルコン <5942>  518円 (+25円、+5.1%)

日本フイルコン <5942> が急反発し年初来高値を一気に更新した。8日の取引終了後、21年11月期連結業績予想について、売上高を236億円から242億円(前期比11.3%増)へ、営業利益を3億5000万円から6億5000万円(同5.9倍)へ、純利益を2億5000万円から5億5000万円(前期9300万円の赤字)へ上方修正したことが好感された。活況を呈する電子部品業界の影響を受けて、主に電子部材・フォトマスク事業の売上高が増加していることが要因という。なお、同時に発表した第2四半期累計(20年12月-21年5月)決算は、売上高112億7600万円(前年同期比3.2%増)、営業利益2億100万円(同34.4%増)、純利益2億1900万円(同6.1%増)だった。

■タカショー <7590>  858円 (+36円、+4.4%)

タカショー <7590> が3日ぶりに大幅反発。東海東京調査センターは8日、同社株のレーティングを「アウトパフォーム」でカバレッジを開始した。目標株価は1180円に設定した。同社はガーデニング用品の販売は国内トップクラスの実績を持つ。22年1月期の連結営業利益は前期比3.3%増の11億9500万円の見通しだが、同調査センターでは14億3000万円への増額修正を予想。新設住宅着工戸数の持ち直しに伴い、プロユースにおける新築外構向けガーデニング用品、エクステリア用品の伸びが見込める。また、ホームユース、国際事業も、新型コロナをきっかけに広がったガーデニング人気の定着により、ガーデニング用品の堅調な需要が見込める。23年1月期の同利益は16億6000万円を予想している。

■ツインバード <6897>  1,120円 (+46円、+4.3%)

ツインバード工業 <6897> [東証2]が大幅反発。8日の取引終了後、未定としていた22年2月期の連結業績予想について、売上高を137億9000万円(前期比10.3%増)、純利益を4億7000万円(同2.9倍)と発表しており、これが好感されたようだ。家電製品事業において戦略商品の導入や、博報堂との協業による自社ブランド価値向上のための戦略投資効果が奏功したほか、厚生労働省向け大型案件があったFPSC(フリー・ピストン・スターリング・クーラー)事業が収益に寄与する見通し。なお、同時に発表した第1四半期(3-5月)決算は、売上高39億4500万円(前年同期比70.4%増)、純利益4億5900万円(前年同期1億3700万円の赤字)だった。

■宝&CO <7921>  1,800円 (+68円、+3.9%)

TAKARA & COMPANY <7921> が3日続伸。同社は8日の取引終了後に21年5月期決算を発表し、売上高29.6%増収、営業20.5%増益で着地。続く22年5月期業績は売上高260億円(前期比4.9%増)、営業利益28億円(同3.4%増)とし、増収増益基調が継続する見通しとなったことが好感されたようだ。ディスクロージャー関連事業において、情報開示の充実に向けた専門性の高い印刷物、株主総会の動画配信などをはじめとするコミュニケーションツールの提供や運営のサポート、海外投資家向け情報開示に対する高品質の通訳・翻訳サービス体制などの強化に注力し、受注増加を見込む。また通訳・翻訳事業においても、国内上場企業をはじめ官公庁、海外企業などにサービス提供することで業績が拡大する見通し。

■VIX短先物 <1552>  2,753円 (+97円、+3.7%)

国際のETF VIX短期先物指数 <1552> [東証E]が大幅に3日続伸。同ETFは「恐怖指数」と称される米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。8日の米VIX指数は前日7日に比べ2.80(17.28%)ポイント高の19.00と急反発した。一時、21.29と警戒ラインの20を上回った。同日の米株式市場は、NYダウは259ドル安と反落。世界で新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、米景気の先行き警戒感が台頭した。これを受けて、東京市場ではVIX短先物は上昇した。

■クリングル <4884>  1,036円 (+36円、+3.6%)

クリングルファーマ <4884> [東証M]が大幅反発。9日午後1時ごろ、脊髄損傷急性期を対象とする組み換えヒトHGFたんぱく質製剤(KP-100IT)の開発費用に対し、希少疾病用医薬品試験研究助成金の21年度交付を受けることが決定したと発表し、これが好感された。交付額は22年9月期に決定する見込み。なお、21年9月期業績予想への影響はないとしている。

■エヌピーシー <6255>  768円 (+23円、+3.1%)

エヌ・ピー・シー <6255> [東証M]が3日ぶり大幅反発。同社は8日、ホットナイフ分離法による太陽光パネル解体装置がフランスの産業廃棄物処理業者に採用されたと発表しており、これを好感した買いが入ったようだ。ホットナイフ分離法はエヌピーシーの特許技術で、パネルのガラス部分と金属部分を分離することで高いリサイクル性を実現することが可能となる。

■LTS <6560>  4,110円 (+105円、+2.6%)

エル・ティー・エス <6560> が続伸。9日午前10時ごろ、エフェクチュエーションの原理を活用し、ビジネスイノベーションを生み出す流れを実現する「エフェクチュエーションブートキャンプ」の提供を開始したと発表しており、これが好材料視された。エフェクチュエーションとは、多くの起業家が成功している要素を明らかにした論理のことで、米バージニア大学ビジネススクールのサラス・サラスバシー教授が、米国で成功した起業家に対し発話プロトコル分析で調査し提唱した、ビジネスを成功に導くための行動方針・実行論。今回提供を開始した同研修は、「新しいビジネスを生み出したい」「ビジネス変革をしたいが能力が足りない」「新ビジネスと中期経営計画がかみ合っていない」「社内の新ビジネス創出プロセスを定着させたい」などの問題を抱える顧客へ、それぞれに合わせた形で提案するとしている。

■アレンザHD <3546>  1,252円 (+30円、+2.5%)

アレンザホールディングス <3546> が3日ぶりに反発。8日の取引終了後に発表した6月度の月次売上高速報で、既存店売上高が前年同月比8.8%減と2ヵ月連続で前年実績を下回ったものの、織り込み済みとの見方が強いようだ。客数は同7.7%減(前月は10.1%減)とやや回復も見られたが、客単価が同1.2%減(前月は3.7%増)と落ち込んだことが響いた。なお、全店売上高は同6.9%減だった。

■アドウェイズ <2489>  837円 (+12円、+1.5%)

アドウェイズ <2489> が反発。9日の午前中に、子会社UNICORNがジーニー <6562> [東証M]とWeb動画リワード広告で連携を開始したと発表しており、これが好材料視された。「Web動画リワード広告」は、Webサイトを利用するユーザーに対して、フルスクリーンの動画広告を視聴する対価として報酬(リワード)を付与する広告フォーマット。今回の連携により、ジーニーが21年5月に提供を開始したWeb動画リワード広告枠の買い付けが「UNICORN」より可能になり、ゲームやマンガアプリへの動画リワード広告だけではなく、Webサイトでの動画リワード広告配信をサポートすることで、クライアントのブランド認知やユーザー獲得、より高い広告の費用対効果を実現できるようになるとしている。

※9日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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