今週の【早わかり株式市況】2週ぶり下落、新型コロナ感染拡大で下値模索続く
■今週の相場ポイント
1.日経平均は2週ぶりに下落、4連休前に下げ止まるも戻り足は鈍い
2.今週は東京五輪開催が予定されるなか、新型コロナ感染への警戒感強い
3.とりわけ感染力の強いインド型変異株「デルタ株」の拡大を懸念材料視
4.週前半は米国株の地合い悪引き継ぎ下値を模索、約半年ぶりの安値圏に
5.21日(水)は米国株急反発を受け市場心理改善も、上値の重さが露呈
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比455円(1.63%)安の2万7548円となり2週ぶりに下落した。
今週は週後半に海の日とスポーツの日(東京五輪開幕日)の祝日があり3営業日にとどまった。国内外で新型コロナウイルスのインド型変異株である「デルタ株」の感染拡大が観測されるなか買い手控えムードは強く、前週に続き日経平均は下値模索の動きを強いられた。
週明けの19日(月)は前週末の米株安の影響から売り優勢の展開となり、日経平均は前週から引き継いで4日続落。下げ幅も一時500円を超え2万7500円を割り込む場面もあるなど波乱含みに。大引けはやや戻したとはいえ350円安で着地した。20日(火)もリスクオフの流れは続いた。欧米株安に加えて、外国為替市場で急速に円高が進んだことも嫌気された。国内では感染力の強い新型コロナウイルス「デルタ株」の拡大が経済活動の正常化を遅らせるとの懸念が株価の重石となった。日経平均は先物に振り回される展開で260円あまりの下げとなり5日続落。5日間合計の下げ幅は1300円以上に達し、株価水準も1月上旬以来約半年ぶりの安値に沈んだ。そして4連休前最後の取引となった21日(水)は、前日の米国株市場で主要株指数が急反発をみせたことで、市場のセンチメントが改善した。日経平均はリスクオフの巻き戻しで朝方から大きく買い優勢に傾き、上げ幅は一時500円近くに及んだ。しかし、東京五輪開催を目前に新型コロナ感染拡大への警戒感はやはり根強く、上値を重くした。4連休前ということもあり、機関投資家も買いポジションを高めにくく、朝方の買い一巡後は次第に上げ幅を縮小した。
■来週のポイント
東京を中心とした新型コロナ感染加速で経済活動の正常化が遅れるとの警戒感が強まっているだけに、来週も下値を模索する展開が続きそうだ。
重要イベントとしては、国内では30日朝に発表される6月の完全失業率と有効求人倍率、鉱工業生産が注目される。海外では26日発表の米国6月新築住宅販売件数や27日-28日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)、29日発表の米国4-6月期GDP、30日発表のユーロ圏4-6月期GDP、31日発表の中国7月製造業PMIに注視が必要だろう。
■日々の動き(7月19日~7月21日)
【↓】 7月19日(月)―― 4日続落、米株安や新型コロナの感染再拡大を懸念
日経平均 27652.74( -350.34) 売買高 9億5163万株 売買代金 2兆0666億円
【↓】 7月20日(火)―― 5日続落、欧米株安を受けリスク回避の流れが継続
日経平均 27388.16( -264.58) 売買高10億8646万株 売買代金 2兆3941億円
【↑】 7月21日(水)―― 6日ぶり反発、米株高を受け買い戻しも上値は重い
日経平均 27548.00( +159.84) 売買高 9億3725万株 売買代金 2兆1486億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、31業種が下落
(2)原油急落でINPEX <1605> など鉱業が値下がり率トップ、ENEOS <5020> など石油株も大幅安
(3)日本製鉄 <5401> など鉄鋼、住友鉱 <5713> など非鉄といった景気敏感株が売られた
(4)ソニーG <6758> など電機、コマツ <6301> など機械、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株がさえない
(5)三井不 <8801> など不動産、JR東日本 <9020> など陸運、ZHD <4689> など情報・通信といった内需株も総じて低調
(6)三菱UFJ <8306> など銀行、マネックスG <8698> など証券、T&D <8795> など保険といった金融株も軟調
(7)HOYA <7741> など精密機器、中外薬 <4519> など医薬品はプラスを確保
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(1) パワー半導体
2(3) 再生可能エネルギー
3(2) 2021年のIPO
4(6) 太陽光発電関連
5(7) 脱炭素
※カッコは前週の順位
株探ニュース