【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ミニ・バフェットを目指せ!
「ミニ・バフェットを目指せ!」
●本格浮上は9月半ば以降か
東京オリンピックがなんとか開催を迎えることができた。オリンピックの長い歴史の中で、ほぼ無観客開催というあり得ない異常な大会になってしまったが、開催された以上は、ただただ無事に終わることを願うのみだ。
株式市場が願っているのもそれであり、日々、コロナの感染者数の増減と日経平均株価の上下動を照合しながらテレビで競技を観戦することになる。その間一喜一憂させられるのはこれまでと変わらないだろうが、指数の変動の大きさは小さくなってくると見てよい。東京都の1日の新規感染者が3000人を越えることもあり得るという専門家の見方もあり、そんなことになったら東京市場の懸念は高まるだろうが、最大のイベントであるオリンピックが中断してしまうことはまず考えられない。であるなら、東京市場が大きく値を崩す確率は低くなる。
ただ、例年7~8月は、いわゆる夏枯れ相場になる。この点は今年も変わらないので、大量買いや一斉買いも考えられず、現状プラスアルファの展開を想定しておきたい。そして、本格浮上は早ければ9月半ば以降となる。いまはこんなシナリオを用意して、準備に入りたいところだ。
●バフェット氏の投資手法に倣う
具体的にはどうすればよいのか。私の提案は、「ミニ・バフェット」になれだ。ミニバスケットではなく、ミニ・バフェットだ。バフェット氏は膨大な資金を運用する世界一の投資家。同次元の投資を個人投資家が行えるわけではないが、狙い方は参考にできる。では、バフェット氏はどんな投資をしているのか、あるいは、してきたのか。かなり乱暴だが、ざっくりまとめてしまうと、「投資対象となる銘柄はブランド力のある企業にする」「他社が近づきがたいビジネスモデルを持っている」「売上が定期的に入ってくる企業がよい」――以上のような銘柄になるので、具体的には次のような銘柄が注目される。
まずはヤマハ発動機 <7272>だ。米国でマリンビジネスが好調ながら、株式市場では完全に敬遠状態となっているので拾っておきたい。
大企業向けの大規模システム開発に強いアドソル日進 <3837>も下げっぱなしになっているが、収益力に問題はないため、株価の底打ちは近いと見てよい。ボイラーを基盤にゴミ焼却炉の設置や管理を展開しているタクマ <6013>も、環境関連株であるのに忘れられた格好であり、今後の見直しが見込める。産業用ロボット向け精密減速機で世界シェア首位(6割)ながら、これまた市場の関心外に置かれているナブテスコ <6268>も明らかに評価不足であり、今後に期待だ。
大きく売り込まれているわけではないが、軽い押し目を入れている銘柄にも目を向けておくと、オリックス <8591>がある。
最後に太陽光発電所関連事業に強く、発電所の取得・売却のほか、売電も行っているジー・スリーホールディングス <3647> [東証2]が魅力的だ。
2021年7月23日 記
株探ニュース