米長期金利の底打ち感で日本株もトレンド転換か/後場の投資戦略
日経平均 : 28069.28 (+181.13)
TOPIX : 1955.68 (+19.40)
[後場の投資戦略]
本日の日経平均は前日のように急失速することなく、底堅く推移し、今のところ28000円台を維持している。長らく頭を抑えられていた200日移動平均線を超えてきているほか、4日連続で上値と下値を切り上げてきており、ようやく底打ち感が強まってきた様子。週足では、ちょうど一目均衡表の雲上限や52週線をサポートに反発に転じるような格好となっており、こちらも底打ちの印象を強めてくれるような形となっている。
前場が終わった時点での日経平均の騰落率は0.65%だが、TOPIX(東証株価指数)については1.00%となっている。米国でのインフラ法案の成立に向けた動きが追い風となっているほか、前週末の7月雇用統計をきっかけに米長期金利が反発基調を強めてきていることが、景気敏感株の比率の高い日本株の追い風になっている。
日経平均は2月半ばを、米長期金利は3月末をそれぞれピークに低下基調を長らく辿ってきただけに、米長期金利が本格的な反発基調を辿れるとなれば、日経平均の長い調整局面からの脱出もいよいよ本物となるか、期待されてくる。
また、今晩発表される7月米消費者物価指数(CPI)を前にした持ち高調整で、これまで相対的にアウトパフォームしてきたハイテク株を売る一方で、景気敏感株を買うといった資金シフトの動きも、上述の動きを後押ししているもよう。明日のCPIは前月比で伸びが鈍化する見込みだが、仮に予想を上回って前月比で伸びが加速するような結果になると、長期金利はさらに上昇し、“景気敏感株買い・ハイテク売り”の動きに拍車がかかる可能性がある。
さて、後場は日経平均が28000円台をキープして終えることができるかが大きな注目点になってくる。大引けまで騰勢を維持することができれば、今後の展開にも期待が持てる。今晩の米CPI発表を前に後場は様子見ムードが強まるだろうが、足元終盤に入っている4-6月期決算では、景気敏感株の大幅増益や第1四半期からの通期計画の上方修正などが引き続き確認されている。米長期金利の底打ち感が強まってきていることを踏まえれば、好決算ながらも出尽くし感で売られた製造業を中心とした景気敏感株の押し目を拾っておきたい局面と考える。
《AK》