本日注目すべき【好決算】銘柄 電通グループ、野村マイクロ、CKD (11日大引け後 発表分)

注目
2021年8月12日 7時01分

11日の大引け後に決算を発表した銘柄のなかから、業績好調や配当増額など市場で評価される可能性の高い銘柄を取り上げた。

電通グループ <4324>   ★今期最終は黒字浮上で4期ぶり最高益、大幅増配へ

◆21年12月期上期(1-6月)の連結最終利益は前年同期比2.3倍の361億円に急拡大して着地。コロナ禍からの経済回復を背景に、国内および海外3地域すべてで大幅に業績が改善したことが寄与。構造改革効果やコスト削減に加え、固定資産売却益を計上したことも利益を大きく押し上げた。

併せて、非開示だった通期の同損益は1075億円の黒字(前期は1595億円の赤字)となり、4期ぶりに過去最高益を更新する見通しを示した。

業績好調に伴い、従来未定としていた今期の年間配当は101円(前期は71.25円)実施する方針とした。

LINK&M <2170>   ★今期最終を58%上方修正

◆21年12月期の連結最終損益を従来予想の5.7億円の黒字→9億円の黒字(前期は9.9億円の赤字)に57.9%上方修正した。組織開発ディビジョンで大手企業向けを中心にコンサル・クラウド事業が予想以上に成長していることが背景。上期はオンライン上での新人・管理職研修や人事制度設計が好調に推移した。コロナ禍で組織課題が一層顕在化しているとみられ、この状況が今後も続くと想定。

併せて、今期の年間配当を従来計画の7.2円→7.4円(前期は7.2円)に増額修正した。

日本化 <4092>   ★今期経常を54%上方修正

◆22年3月期の連結経常利益を従来予想の26億円→40億円に53.8%上方修正。増益率が12.3%増→72.8%増に拡大する見通しとなった。自動車市場向けや半導体関連市場向けを中心に旺盛な需要が続くなか、稼働率向上や一般管理費の削減などが利益を押し上げる。

応用技術 <4356> [JQ]  ★今期経常を最高益に32%上方修正

◆21年12月期上期(1-6月)の経常利益(非連結)は前年同期比37.8%増の6.8億円に拡大して着地。BIMを起点とした建設DXが建設業や建材メーカーに加え、建物設備などの製造業にも波及し、ソリューションサービス事業の収益が大きく伸びた。また、エンジニアリングサービス事業ではCIM関連ソフトの販売や導入支援業務が好調だった。

併せて、通期の同利益を従来予想の6.2億円(予想レンジ中値)→8.2億円(同)に32.0%上方修正し、4期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。

新日本電工 <5563>   ★今期経常を38%上方修正、未定だった配当は3円増配

◆21年12月期の連結経常利益を従来予想の40億円→55億円に37.5%上方修正。増益率が14.5%増→57.5%増に拡大する見通しとなった。主力の合金鉄事業で製品需要が堅調なうえ、販売価格も高水準で推移していることが要因。円安進行による採算改善なども利益を押し上げる。

業績好調に伴い、従来未定としていた今期の年間配当は8円(前期は5円)実施する方針とした。

エンビプロ <5698>   ★今期経常は14%増で2期連続最高益、8円増配へ

◆21年6月期の連結経常利益は前の期比2.7倍の25億円に急拡大して着地。続く22年6月期も前期比13.6%増の28.5億円に伸び、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。今期は世界的な脱炭素の動きを背景にリサイクル原料を活用する動きが高まるなか、金属スクラップや廃電池などの取扱量が増加し、31.9%の大幅増収を見込む。

併せて、今期の年間配当は前期比8円増の33円に増配する方針とした。

ノーリツ <5943>   ★上期経常は黒字浮上で上振れ着地

◆21年12月期上期(1-6月)の連結経常損益は47.6億円の黒字(前年同期は1.5億円の赤字)に浮上し、従来予想の34億円の黒字を大幅に上回って着地。中国でインターネット販売が好調だったほか、北米では取り替え需要を取り込んだ。また、国内で温水空調分野を中心とした高付加価値商品の販売が拡大したことなども上振れに貢献した。

野村マイクロ <6254>   ★4-6月期(1Q)経常は3.3倍増益、記念配当10円実施へ

◆22年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比3.3倍の8.9億円に急拡大して着地。主力の水処理装置が旺盛な半導体設備投資需要を背景に受注が大幅に増加したことに加え、超純水製造装置や注射用水製造装置の工事が進捗したことが寄与。メンテナンスや消耗品の受注も好調だった。また、一部の大型水処理装置案件における原価低減なども増益に貢献した。  

上期計画の11.2億円に対する進捗率は79.0%に達しており、業績上振れが期待される。

併せて、東証1部指定記念配当10円を実施する形で、今期配当を従来計画の65円→75円(前期は65円)に増額修正した。

妙徳 <6265> [JQ]  ★今期経常を一転29%増益に上方修正、配当も20円増額

◆21年12月期の連結経常利益を従来予想の2.8億円→4.6億円に60.4%上方修正。従来の19.3%減益予想から一転して29.4%増益見通しとなった。各業界におけるデジタル化推進を受けて半導体関連設備需要が想定以上に回復するなか、上期に新規製品需要やメンテナンス需要が増加したことが上振れの背景。

業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の30円→50円(前期は40円)に大幅増額修正した。

CKD <6407>   ★今期経常を33%上方修正・15期ぶり最高益更新へ

◆22年3月期の連結経常利益を従来予想の110億円→146億円に32.7%上方修正。増益率が40.6%増→86.6%増に拡大し、15期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。製造業における自動化・省人化需要の高まりや半導体設備投資の活発化などを背景に、機器事業で想定以上の受注が続いていることが要因。

シキノHT <6614> [JQ]  ★今期経常を19%上方修正

◆22年3月期の経常利益(非連結)を従来予想の2億4100万円→2億8600万円に18.7%上方修正。増益率が15.3%増→36.8%増に拡大する見通しとなった。高付加価値案件の取り組みやコスト低減効果で、第1四半期の利益が計画を上回ったことを反映。

松田産業 <7456>   ★今期経常を29%上方修正・13期ぶり最高益へ

◆22年3月期の連結経常利益を従来予想の86億円→111億円に29.1%上方修正。増益率が2.8%増→32.6%増に拡大し、14期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。貴金属関連事業における市場環境の回復や貴金属相場の上昇、食品関連事業における市況好転などを背景に、第1四半期業績が好調に推移したことを反映。

鴻池運輸 <9025>   ★上期経常を一転24%増益に上方修正

◆22年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の34億円→54億円に58.8%上方修正。従来の21.7%減益予想から一転して24.3%増益見通しとなった。新型コロナウイルス感染症の影響はあるものの、国内・海外の各拠点で取扱量が回復することが寄与。社員の配置転換など効率化を進めることで、採算が改善することも利益を押し上げる。

玉井船 <9127> [東証2]  ★今期経常を6.7倍上方修正

◆22年3月期の連結経常損益を従来予想の1.5億円の黒字→10億円の黒字(前期は0.8億円の赤字)に6.7倍上方修正した。ドライバルク市況が想定以上に好調を維持するなか、外航海運業部門で貨物輸送配船計画を見直し効率的な配船を行うことで運航費が減少する一方、貸船料収入が前回予想を大幅に上回ることが要因。

国際紙パルプ <9274>   ★今期経常を47%上方修正・最高益予想を上乗せ、配当も2円増額

◆22年3月期の連結経常損益を従来予想の34億円の黒字→50億円の黒字(前期は120億円の赤字)に47.1%上方修正し、従来の4期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せした。買収した仏Antalisと豪Spicersの業績が好調に推移していることに加え、製紙原料の価格上昇による利益改善が寄与する。また、前期に貸倒引当金を計上した中国事業の回復が進むことも上振れに貢献する。

業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の10円→12円(前期は10円)に増額修正した。

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