注目銘柄ダイジェスト(前場):エフオン、FRONTEO、ヒマラヤなど
OBC<4733>:5250円(-240円)
大幅続落。前日に株式売出の実施を発表している。和田社長ら株主6人が最大1039万2000株(オーバーアロットメントによる売出67万7700株)売り出すと発表している。発行済み株式総数の約14%にあたる水準のため、目先の需給懸念が強まる形のもよう。プライム市場の上場維持基準である流通株式比率の充足を図ることを目的としている。今回の売出とは別に、金融機関なども株式を手放す意向を示しているとされている。
パンパシHD<7532>:2094円(-148円)
大幅続落。前日に21年6月期の決算を発表、営業利益は813億円で前期比7.8%増益となり、従来計画の800億円は超過したものの、市場予想は20億円程度下回る着地になった。22年6月期は850億円で同4.5%増益の見通しとしているが、市場予想は940億円程度の水準であったため、想定以上に収益拡大ペースは鈍いとの見方になっている。過度な期待感修正の動きに。
エフオン<9514>:869円(+116円)
大幅反発。一部のネット記事において、同社が「バイオマス発電所の売電価格の決定に関して、外部の検査機関に提出する燃料のサンプルを改ざんし、売電価格を不正につり上げていた」などと伝わり、前日まで連日の株価急落となっていた。前日に同社では、同報道のような事実はなかったと、すでに調査を行っていた調査委員会の報告をリリースしており、過度な警戒感の後退につながっているようだ。
ヒマラヤ<7514>:1349円(+117円)
大幅反発。前日に期末配当金予想の引き上げを発表している。従来予想の10円から15円に引き上げ、年間配当金は前期比10円増配の25円とする。また、プライム市場の上場維持基準において「流通株式時価総額」は基準を充たしていない旨の通知を受けたと発表、流通株式時価総額の向上に向けた施策を進め、プライム市場基準充足へ取り組んでいくとしている。今後のさらなる株式価値向上策への期待も高まる方向に。
日医工<4541>:912円(+74円)
大幅続伸。メディパルHD<7459>との資本業務提携を発表している。メディパルHDが同社の第三者割当増資を約52億円で引き受け、9.9%を保有する筆頭株主となる。1株841円で622万株を発行するもよう。同社は21年3月に品質管理上の不正が発覚、今回の資本提携で信頼回復につなげていく方針。調達資金は全額、品質や生産性向上に向けた投資に充てる計画。株式価値は希薄化するものの、信頼回復に伴う業績回復を期待する動きが先行。
ダイイチ<7643>:890円(+18円)
年初来高値。21年9月期の期末配当を従来予想の17.00円から19.00円(前期末実績16.00円)に増額修正している。年間配当は同額となる。21年9月期業績予想が当初計画を上回る見込みとなったため。ダイイチは5日に営業利益予想を17.19億円から18.97億円(前期実績17.90億円)に引き上げていた。感染予防関連商品や巣ごもり需要が堅調だったほか、商品ロスの削減や在庫効率の改善、販管費の抑制も利益押し上げに寄与した。
きずなHD<7086>:2042円(+111円)
大幅に6日ぶり反発。7月の月次業績について、葬儀売上が前年同月比23.7%増の6.69億円になったと発表している。前月は17.6%増で、5カ月連続のプラス。葬儀件数は18.2%増(前月19.3%増)の793件、葬儀単価は4.7%増(同1.4%減)の84.4万円だった。22年5月期の売上収益予想は前期比14.6%増の92.00億円。葬儀売上の伸び率は通期予想の水準を上回っており、投資家から好感されているようだ。
FRONTEO<2158>:1210円(+107円)
大幅に続伸。京都大学大学院法学研究科の稲谷龍彦教授と共同で、企業不正やコンプライアンス違反の兆候を捉えるための定量的測定方法について研究を開始すると発表している。使用するデータは有価証券報告書などで公開されている人事情報などで、AIによる自然言語処理やネットワーク解析などを駆使して企業文化と不正の発生の関係性に着目し、組織の在り方の分類・不正の兆候の把握の可否について研究するという。
《ST》