話題株ピックアップ【夕刊】(2):中外薬、オムロン、信越化
■中外製薬 <4519> 4,115円 +46 円 (+1.1%) 本日終値
中外製薬<4519>が続伸、今月12日につけた戻り高値4126円を上回り底値圏離脱の動きをみせている。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、緊急事態宣言の対象地域拡大や期間延長などに伴う経済活動への影響が警戒されている。そのなか、景気の動向に左右されにくいディフェンシブセクターに投資資金が流れており、同社株など医薬品セクターもその物色対象として買いが入りやすくなっている。同社は新型コロナ向け治療「抗体カクテル療法」の製造販売が政府から特例承認されているが、菅義偉首相がホテル療養の人に対しても投与できるように全国に拠点を整備する考えを示していることから、投資資金の流入を誘導している。
■オムロン <6645> 9,810円 +110 円 (+1.1%) 本日終値
オムロン<6645>はしっかり。きょう付けの日本経済新聞朝刊で、「高血圧患者が3億人にのぼるインドで遠隔診療に参入する」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、7月に資本参加したテラルス・テクノロジーズ社の遠隔診療アプリで、まず高血圧患者にサービスを提供するという。オムロンは英国や米国で遠隔診療に参入済みで、新興国でも生活習慣病が社会問題化し、またインドでは遠隔診療への制約が少ないことから、インドに進出する。また、25年をメドに世界で年100万人の利用者獲得を目指すとしている。
■ノジマ <7419> 2,701円 +30 円 (+1.1%) 本日終値
ノジマ<7419>がしっかり。17日の取引終了後、100%子会社アイ・ティー・エックスが手がけるKDDI事業を、同じく100%子会社であるITXコミュニケーションズに吸収分割により承継させ、新会社として事業をスタートさせると発表しており、これが好材料視された。今回の情報通信事業の再編により、新会社にITXのKDDI事業を承継させることで、ITXはドコモ事業に特化した形で運営を行うことになり、両社がより各キャリアの戦略や連携強化を図ることが可能となるという。また、両社がより迅速な経営判断ができる体制となることで、相互に事業の収益力を高めながら成長を目指すとしている。
■信越化学工業 <4063> 17,785円 +135 円 (+0.8%) 本日終値
信越化学工業<4063>が続伸。17日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表しており、これが好感された。上限を33万株(発行済み株数の0.08%)、または62億円としており、取得期間は8月18日から9月14日まで。ストックオプション(新株予約権)の行使に充当するためとしている。
■ソフトバンクグループ <9984> 6,466円 +48 円 (+0.8%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>に思惑が錯綜、6400円近辺で強弱観を対立させ売りと買いが拮抗した状態にある。株価は今年5月中旬の急落を境に一貫した下げに見舞われている。下落過程で信用取引を利用して買い向かう個人投資家が増え、それが上値を重くする要因ともなっている。足もとでは中国政府がネット系企業への統制を強化する動きをみせており、直近では17日に規制当局がネット上での不正競争行為に関する規定の草案を発表、アリババ<BABA>をはじめ中国のネット関連企業に積極投資する同社株にはネガティブに働いている。株価は大幅な調整で値ごろ感も生じており目先リバウンドに転じることへの期待もあるが、市場では「大規模な自社株買いやMBOの思惑が出れば流れが変わる可能性があるが、現状では信用買い残の整理が進まない限り手が出しにくい」(中堅証券ストラテジスト)という状況。
■パンパシHD <7532> 2,108円 -134 円 (-6.0%) 本日終値
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>は大幅安で3日続落。17日の取引終了後、22年6月期の連結業績予想を発表。売上高を1兆8700億円(前期比9.4%増)、営業利益を850億円(同4.5%増)とし、売上高、営業利益ともに過去最高となる見通しとなったものの、目先材料出尽くし感から売りが先行したようだ。プライベートブランドの強化やデジタル戦略の推進をはじめ、ドン・キホーテとユニーとのダブルネーム業態転換店の拡大などを図っていく。なお、同時に発表した21年6月期決算は、売上高が1兆7086億円(前の期比1.6%増)、営業利益が813億600万円(同7.8%増)だった。新規出店は国内で13店舗、海外で8店舗を実施したほか、米スーパーマーケットチェーンを子会社化したことに伴い、新たに27店舗がグループ店舗として加わった。一方で10店舗の閉鎖を行い、総店舗数は667店舗(前の期629店舗)となった。
■OBC <4733> 5,290円 -200 円 (-3.6%) 本日終値
オービックビジネスコンサルタント<4733>が3日続落し年初来安値を更新。同社は17日取引終了後、株式売り出しを実施すると発表しており需給悪化を警戒する売りが膨らんだ。同社社長の和田成史氏などの保有株を国内外で971万4300株を売り出す。また、同時に上限67万7700株のオーバーアロットメントによる売り出しも実施する。売出価格は8月30日から9月1日までのいずれかの日に決定する。東京証券取引所が22年4月に発足させる最上位市場の「プライム市場」への移行を目指し流通株式比率の充足を図ることを目的にしている。
■三菱電機 <6503> 1,454.5円 -24 円 (-1.6%) 本日終値
三菱電機<6503>が3日続落。17日の取引終了後、受配電システム製作所(香川県丸亀市)が製造する一部ガス絶縁開閉装置について、不適切な検査を行っていたことが判明したと発表しており、これが嫌気された。1996年から2021年にかけて出荷していた863件に関して、顧客から要求されたいた試験の一部を省略、または異なる方法で実施し、試験成績書へ不適切な記載を行っていたという。同社は6月にも鉄道車両用空調装置などの不適切検査判明を発表しており、相次ぐ不正発覚でコーポレートガバナンスへの懸念が働いているようだ。
■サーキュレーション <7379> 2,989円 +500 円 (+20.1%) ストップ高 本日終値
サーキュレーション<7379>が後場一段高。午後0時30分ごろ、副業やフリーランス契約をオンライン管理するSaaS「PROBASE」の提供を開始したと発表しており、これが好感された。同サービスは、外部人材との業務委託契約で毎月発生する業務検収・請求や、契約更新などの手続き、関わりのある外部人材の一元管理を可能にし、外部人材のマネジメントにおけるDXを実現するSaaS。これにより、複数にわたる副業やフリーランスとの契約を一元管理し、企業の管理オペレーションの効率化とフリーランスの活用促進に貢献するとしている。
■ホットマン <3190> 668円 +100 円 (+17.6%) ストップ高 本日終値
ホットマン<3190>がストップ高。午後1時ごろ、新規事業として「シャトレーゼ事業」を開始すると発表しており、これが好感された。シャトレーゼ(山梨県甲府市)は、山梨県で1954年12月に創業した菓子の製造・販売会社。ホットマンは以前から「シャトレーゼ」の店舗展開に関心を持ち出店地を模索していたが、仙台市太白区の同社イエローハット店の近くで、シャトレーゼへの出店申請(加盟審査)に許可を得たことからフランチャイズ契約を締結し、「シャトレーゼ」を展開することになったとしている。なお、同件による22年3月期業績への影響は軽微としている。
株探ニュース