【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─「収益向上・好転」+「業界首位」で絞り込む!

市況
2021年8月22日 9時30分

「『収益向上・好転』+『業界首位』で絞り込む!」

●時間軸を変えて相場の趨勢を再確認

本サイト「株探」のユーザーならば、当然、日経平均株価のチャートを日々ご覧になっていることと思う。しかし、そのチャートは日足か週足のいずれかだろう。そして、それらを見る度に日経平均株価がいかに厳しい状況にあるのかを知って、面白くないどころか、なかには心配で食事が楽しくない――こんな方もおられるのではないか。

そこで、提案。「日経平均株価の月足チャートを見る」だ。そうすると、意外なことが分かるはずだ。市場ムードは最悪といえるほど悪化しているのに、日経平均株価の月足は高値圏にあることだ。つまり、上昇トレンドは崩れたりはしていない。

確かに2月高値の3万0714円からは下落し、この原稿を書いている時点では2万7000円前後。高値から12%ほど下げており、これは決して好ましいことではない。

しかし、大事なのはやはり企業業績だ。これが向上、好転するという前提が崩れない限り、市場は目先軟調でもしばらく待てば回復に転じる。

ただ、業績好調でもすでにそれが株価に織り込まれてしまっている場合には下げてしまうこともあり、この点は警戒が必要ながら、そうしたケースは多くない。大抵はまだ株価に織り込まれていないと見てよく、目先下げていても見直しが見込める。

そして、最終的にはコロナ禍によって業績が悪化、株価も下げている銘柄もいずれ浮上に至る。

いまはまだそれは今後の楽しみの段階であり、安心して買える状況にはないが、いずれそうなる時が来るため、いまはいわゆる収益向上・好転ながら株価がここにきて売られてしまった銘柄に投資しておく。これが私の考えでは投資しやすく、成果も上がりやすい、となる。ところが、この条件を満たす銘柄は意外に多く、絞りにくい。

●売り込まれたシェア首位企業の反転を待つ

そこでもう一つ選択条件を加える。これがお勧めだ。その条件とは、難しいものではない。

国内・海外でシェア首位の製品、サービスを有すること。

これになる。いまは社会も消費者のニーズも多様化していている一方で、製品・サービスの供給元は特定化しつつある。特定化の対象は大抵、業界首位企業となるため、注目銘柄はまずはトヨタ自動車 <7203> になる。東南アジアでコロナの感染拡大が続き部品調達が停滞しているとして、9月の世界生産を4割減らすとのこと。これは当然、ネガティブ材料と受け止められて株価は急落した。だから、ここで投資しておきたい。

自動車の減産により影響を受ける企業は多いが、タイヤメーカーはその筆頭になる。世界首位はブリヂストン <5108> なるため同社株も下落中だが、これまた下げ止まりを待って投資しておくのが良策といえる。

最近テレビで「インディード(Indeed)」のCMを積極的に流し始めているリクルートホールディングス <6098> も、株価が一服中となっているため、見逃せない。

産業廃棄物処理の最大手はダイセキ <9793> 。株価は値動きスローながら底固め中であり、急がぬ投資向きとなる。

コールセンターではトランス・コスモス <9715> があり、これまた値動きスローながら下値は固まりつつあると見てよい。

各種計測器機での首位はオムロン <6645> 。株価は1月に上場来高値をつけたあと調整が続いていたが、浮上に転じており、さらなる高値が見込める状況にある。

調剤薬局首位はアインホールディングス <9627> 。セブン&アイ・ホールディングス <3382> と資本・業務提携しているだけに今後も収益増が見込め、株価も期待が持てる。

なお、ドラッグストア首位はウエルシアホールディングス <3141> 。こちらはイオン <8267> の傘下にある。アインHD、ウエルシアともに流通大手との関係の緊密さがシェアの拡大につながっているのは明らかだ。なお、ウエルシアの株価水準は高く、新規の投資はリスクが高くなっていることをお断りしておきたい。

以上、業界首位企業から目を離さないようにしよう、ということだ。いまは特にそうなる。

2021年8月20日 記

株探ニュース

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