TOKAI Research Memo(5):「暮らしのサポート」「ライフスタイルのデザイン・提案」をする企業グループへ

特集
2021年8月30日 16時05分

■今後の見通し

2. 中期経営計画

(1) 次の10年に向けた基本コンセプト

2022年3月期からスタートした4年間の中期経営計画「Innovation Plan 2024 “Design the Future Life”」では、コロナ禍で生活様式が大きく変化するとともに、SDGs等への取り組みが社会全体で注目されるなか、10年後のグループが目指す姿を“Life Design Group”とした。「お客様の過ごしたいライフスタイルをデザイン・提案することを通じて、社会課題の解決に貢献していく」方針を示し、この姿勢を持ってTOKAIホールディングス<3167>が掲げる経営ビジョン「TLC(トータルライフコンシェルジュ)」の充実に取り組んでいく。

従来は、家庭内を中心とした生活インフラサービス(ガス、通信、放送等)を提供する企業として、それぞれ顧客基盤を拡大していくことで成長を続けてきたが、今後は対象市場を「家庭を囲む“社会生活”」と従来よりも範囲を広げていく。また提供するサービスも生活インフラサービスだけでなくコト消費(体験)に関連するサービスなどに領域を広げ、これらサービスを掛け合わせることで、過ごしたい暮らしの潜在ニーズに応えていく「暮らしのサポート」及び「ライフスタイルをデザイン・提案する」生活総合サービス企業として発展していくことを目指している。今回の中期経営計画は、こうした“Life Design Group”の実現に向けて経営基盤を構築する期間と位置付けている。

(2) 経営数値目標

中期経営計画における経営数値目標として、2025年3月期に売上高2,450億円、営業利益186億円、親会社に帰属する当期純利益110億円とし、4年間の年平均成長率は5%台と堅実な成長を計画している。利益面では前半の2年間で先行投資を積極的に行うため利益成長が低くなるが、後半にこれら投資の効果が顕在化し利益成長も加速していく計画となっている。また資本効率を意識した経営を進めていく方針で、ROEに関しては2021年3月期の12.7%に対して13%以上、同様にROICは9.2%に対して9.9%以上の水準を目指す。自己資本比率については、投資も継続していくことから40%程度と2021年3月期並みの水準を見込んでいる。

(3) カーボンニュートラル ビジョン

同社は2021年5月に、地球温暖化対策に関する取り組み方針をまとめた「カーボンニュートラル ビジョン」を発表した。同社グループで2050年にカーボンニュートラルの達成を目指しており、その前段階として、2030年までのCO2削減施策として、以下の取り組みを推進していく。

a) ガスを利用する顧客の住宅のCO2排出量を17万トン削減する(2020年度の家庭向けガスのCO2排出量の50%に相当)。内訳としては、高効率ガス機器等の普及で7万トン、住宅への太陽光発電設備の設置により10万トンを削減する。これら取り組みは既に実施しているものだが、今後さらに強化していく。

b) 自らの事業活動から発生するCO2を1.3万トン削減する(2020年度のCO2排出量の70%に相当)。具体的には、事業所における太陽光発電設備の設置や電気自動車の導入、再生可能エネルギーの活用、LPガスの自動検針システム導入やIT活用による配送ルートの最適化等に取り組んでいく。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《EY》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.