前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―
■日本駐車場 <2353> 176円 (+6円、+3.5%)
日本駐車場開発 <2353> が大幅反発。大幅高で3月19日につけた年初来高値174円を約半年ぶりにクリアした。サブリース形式の月極駐車場などを展開する。コロナ禍にあっても法人向け月極駐車場を中心に足もとの業績は絶好調に推移しており、前週末3日取引終了後に発表した21年7月期決算は営業利益が前の期比22%増の32億6300万円と高い伸びを示したほか、続く22年7月期についても前期比38%増の45億円と成長加速し過去最高利益を更新する見通しで、これを好感する買いを呼び込んだ。なお、今期は好業績を背景に年間配当も前期実績比25銭増配となる5円を計画している。
■T-BASE <3415> 625円 (+21円、+3.5%)
TOKYO BASE <3415> が大幅続伸。前週末3日の取引終了後に発表した8月度の月次売上速報で、既存店売上高が前年同月比13.6%減と6ヵ月ぶりに前年実績を下回ったものの、アク抜け感から買われたようだ。国内の不安定な天候と新型コロナウイルス感染症拡大の影響に加え、前年実施したセール販売の反動で実店舗が同2.2%減となり、ECも同27.2%減と落ち込んだことが響いた。なお、全社売上高は、中国及び国内新規出店が寄与し同3.8%増とプラスを確保した。
■AGC <5201> 5,670円 (+190円、+3.5%)
AGC <5201> が6日続伸し連日の年初来高値更新。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が3日付で投資判断「オーバーウエイト」を継続し、目標株価を5500円から6000円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、EUVマスクブランクスやライフサイエンス(医薬品製造受託)事業など高成長・高利益率な戦略事業の拡大が株式市場からの評価を高めると指摘。また、21年12月期の営業利益を予想を1880億円と、会社計画の1800億円やコンセンサスを上回り、また22年12月期も営業増益が可能と予想している。
■野村 <8604> 580.9円 (+19.2円、+3.4%)
野村ホールディングス <8604> が大幅続伸し3%超の上昇をみせたほか、大和証券グループ本社 <8601> や東海東京フィナンシャル・ホールディングス <8616> など証券株が軒並み高となり、東証1部業種別上昇率で第2位となった。全体相場は前週から急激にリスクオンの地合いに変わった。日経平均株価は6日まで6連騰となり、6営業日合計で2000円を超える上昇をみせているが、売買代金も活況で、6日前場段階で1兆6000億円弱に達した。株高による運用益の拡大や商い増加に伴う手数料収入の拡大など、証券会社を取り巻く収益環境に強い追い風が吹いていることが好感され、買いを呼び込んだ。
■エレマテック <2715> 1,182円 (+36円、+3.1%)
エレマテック <2715> が大幅続伸。岩井コスモ証券は3日、同社株の投資判断を「B+」から「A」に引き上げた。目標株価は1450円を継続した。第1四半期(4-6月)の連結営業利益は前年同期比11.3%増の16億6500万円となった。自動車市場の回復に伴い、関連部材の販売が好調に推移したことなどが寄与した。22年3月通期の同利益は前期比19.0%増の65億円が見込まれているが、第1四半期時点の進捗率は25.6%と順調。同証券では、今期の同利益は66億円への増額修正を見込んでいる。自動車業界のCASE(コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化)の流れ加速が、中長期的な追い風となるとみている。
■カナモト <9678> 2,638円 (+76円、+3.0%)
カナモト <9678> が大幅続伸。同社は3日取引終了後に、21年10月期第3四半期累計(20年11月-21年7月)の連結決算を発表。経常利益は前年同期比10.4%増の115億4800万円となり、通期計画152億円に対する進捗率は76.0%となった。売上高は同6.4%増の1414億5500万円で着地。民間設備投資の一部に持ち直しの動きがみられはじめたほか、公共投資も災害復旧工事やインフラ関連工事、防災関連工事を中心に堅調だったことから建設機械のレンタル需要が底堅く推移した。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。
■メルカリ <4385> 5,570円 (+150円、+2.8%)
大和証券は3日、東証2部、東証マザーズ、ジャスダック上場銘柄などを対象にした「東証プライム上場期待銘柄」をスクリーニングした。同予想は8月末時点の情報をもとにしたもので、株主数や流通株式、流通時価総額、独立社外取締役などの項目をベースにスコアをつけている。2022年4月に予定される東京証券取引所の市場再編に絡んで、新市場の選択申請は9月1日から12月30日の間に行われ、結果は22年1月11日に公表される予定だ。このなかプライム市場への上場に向け最高となるトータルスコア「8」を記録した銘柄には、メルカリ <4385> [東証M]、JMDC <4483> [東証M]、ハイレックスコーポレーション <7279> [東証2]、バリュエンスホールディングス <9270> [東証M]、アルファポリス <9467> [東証M]が挙げられた。また、「7」の銘柄はフリー <4478> [東証M]、ハーモニック・ドライブ・システムズ <6324> [JQ]、ワークマン <7564> [JQ]、セリア <2782> [JQ]、千代田化工建設 <6366> [東証2]、フェローテックホールディングス <6890> [JQ]、フクダ電子 <6960> [JQ]、東洋合成工業 <4970> [JQ]など。
■WNIウェザ <4825> 5,850円 (+150円、+2.6%)
ウェザーニューズ <4825> が5日ぶり反発。同社は6日、東日本電信電話(NTT東日本、東京都新宿区)と「災害時における相互連携に関する協定」を締結したと発表しており、これが好感されたようだ。これにより両社は、災害などが発生した際の迅速な初動対応環境の整備をはじめ、NTT東日本の敷地にWNIウェザの浸水を検知するIoTセンサーの設置などを行う。
■Rフィールド <2910> 1,607円 (+39円、+2.5%)
ロック・フィールド <2910> が続伸。前週末3日の取引終了後、22年4月期の連結業績予想について、売上高を453億8200万円から456億6700万円(前期比4.4%増)へ、営業利益を10億8100万円から14億6300万円(同32.1%増)へ、最終利益を7億1100万円から10億円(同14.1%減)へ上方修正したことが好感された。6月以降、週末を中心に底堅い需要により来店客数が増加したことを背景に、売上高、利益が計画を上回ったことが要因という。ただ、その後の変異株の感染拡大による店舗の臨時休業や、食料品フロアなどへの入場制限の影響により、足もとでは売り上げが落ち込んでいるとしている。なお、第1四半期(5-7月)決算は、売上高117億200万円(前年同期比24.9%増)、営業利益7億2900万円(前年同期3億1100万円の赤字)、最終利益5億200万円(同1億3900万円の赤字)だった。
■東エレク <8035> 50,180円 (+1,190円、+2.4%)
東京エレクトロン <8035> が8連騰と異彩の上げ足をみせ5万円大台を回復したほかレーザーテック <6920> 、アドバンテスト <6857> など半導体製造装置関連が軒並み高、更にSUMCO <3436> や信越化学工業 <4063> など半導体シリコンウエハー大手も揃って上昇するなど半導体関連株全般への物色人気が顕著となった。世界的な半導体需給の逼迫を背景に、サムスン電子やTSMC <TSM> など大手半導体メーカーが生産能力増強に積極的で日本の製造装置や素材メーカーに追い風が強まっている。前週末の米国株市場ではNYダウは小幅に反落となったが、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は続伸し再び過去最高値更新を視野に入れており、これを受けて東京市場でも関連銘柄への投資資金の攻勢が続いた。
■ライフネット <7157> 1,224円 (+29円、+2.4%)
ライフネット生命保険 <7157> [東証M]が続伸。前週末3日の取引終了後に発表した8月の業績速報で、新契約件数が前年同月比19%増の9093件と大幅な増加となったことが好感された。また、新契約の年換算保険料は3億5400万円(同9%増)となったほか、保有契約件数は47万516件と順調に積み上がっており、業績への貢献が期待された。
■トヨタ <7203> 9,962円 (+206円、+2.1%)
トヨタ自動車 <7203> が続伸。8月20日にザラ場で9000円大台を割り込む場面があったが、その後は戻り足が鮮明で、直近は5日・25日移動平均線のゴールデンクロスを示現し1万円大台復帰を指呼の間に捉えている。自販連が6日に発表した8月の車名別新車販売台数で、首位はトヨタの「ヤリス」で第2位が同社の「ルーミー」、更に第3位も同社の「アクア」となったことが分かった。15ヵ月連続でトヨタ車が上位3傑を独占する状況が続いており、改めて株高を後押しする材料となっている。
■SBG <9984> 6,320円 (+120円、+1.9%)
ソフトバンクグループ <9984> が続伸。前週は日経平均が週間で1486円の上昇をみせ、1週間の上げ幅としては今年最大となったが、日経平均寄与度の高い同社株はほぼ横ばいだった。米国株市場でも同社株と株価連動性が高いハイテク株比率の高いナスダック総合指数の強調展開が続いているものの、それとは裏腹に依然として上値の重い展開が続く。同社は中国電子商取引最大手のアリババ <BABA> のほか配車アプリ大手のディディやオンライン保険の衆安保険などに投資しており、中国政府のネット企業への規制リスクが高まっていることに伴う影響が警戒されている。なお、信用買い残は整理が進捗し直近データで1700万株を割り込んだが、需給面で引き続き重荷となっている。
※6日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース