山田勉氏【下期相場入り目前、再びの3万円大台は通過点か】(2) <相場観特集>

特集
2021年9月27日 19時45分

―22年3月期も中間地点に到達、ここからの見通しは―

27日の東京市場は上値こそ重かったものの内需株を中心に底堅さを発揮した。日経平均は前週末の急伸の余韻冷めやらぬなか、利益確定売りをこなしプラス圏で推移する場面もあった。今年は3万円台に入ると値動きが重くなり2万円台に押し戻される展開が繰り返されてきたが、今回は3万円大台ラインを足場に一段の上値追いが期待できるのかどうか。個人投資家にも人気の高いベテラン市場関係者2人に全体相場の展望と物色の方向性について聞いた。

●「3万2000円台を視野に置く強気相場へ」

山田勉氏(auカブコム証券 投資情報室 マーケットアナリスト)

日経平均は前週末の急伸に続き、週明けも利食いをこなし頑強な値動きをみせた。これは、今週9月30日を期限としていた緊急事態宣言の解除が予定通り行われる見通しとなったことを受け、経済再開ステージを株式市場が織り込む動きに入ったことを意味している。これまで出遅れていた内需系の銘柄に物色の矛先が向くことで、10月相場では強気優勢の地合いが想定される。

今週は29日に自民党総裁選の投開票が行われるが、誰が次期首相となっても株式市場はリスク選好ムードが続きそうだ。新型コロナウイルス感染者数のピークアウトと合わせ経済が正常化することへの期待が関連株を刺激しているが、新政権にはこの経済再生の流れをせき止めることのないように積極的な政策を望みたいところ。総裁選については今のところ河野太郎規制改革相が優勢のようだが、決選投票となれば2位、3位連合で逆転も考えられる。本音をいえば河野氏以外の候補者が勝利した方が株式市場にとってメリットが大きいと思われるが、いずれにせよ次の総選挙で自民党が大敗を喫する可能性が低くなったことで、相場の先行きについても強気にみてよい。

日経平均は当面3万1000円を通過点とする上昇相場を予想、10月中に3万2000円台をうかがうような動きとなっても不思議はない。中国不動産大手の恒大集団の影響は限定的といえる。ポイントとしては、新型コロナに対する過度な警戒こそが株式市場の真の敵であるということ。これが修正される過程で相場も上値追い態勢を強めていくことになる。そうしたなか、当面は投資対象も旅行電鉄ホテル百貨店のような人流が伴う消費関連株に矛先が向かいやすいとみている。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(やまだ・つとむ)

マーケットアナリストとして証券界で十数年活躍。2004年5月、カブドットコム証券(現auカブコム証券)入社。『こちカブ』(ラジオNIKKEI)『まーけっとNavi』(日テレNEWS24)『マーケットホットライン』(ストックボイス)などに出演。

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