来週の株式相場に向けて=海外投資家は売り姿勢強めるか

市況
2021年10月1日 17時36分

1日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比681円安と急落し、2万9000円ラインを割り込んだ。この急落で、9月3日に菅首相が退陣を表明した後の上昇分は全て吐き出した格好となった。

なかでも、この日目立ったのは任天堂<7974>や村田製作所<6981>、キーエンス<6861>といった日経平均に新規採用された3銘柄の急落だ。先物中心に下落するなか、全体相場に影響が大きい3銘柄を中心に「海外短期筋からの売り仕掛けが入ったのでは」(市場関係者)との見方が出ている。

全体相場の下げの要因としては米国でのインフレ懸念や債務上限問題が取り沙汰されているが、やはり気になるのは「自民党の新総裁に決まった岸田文雄氏の党人事案に改革志向がみられないこと」(同)だ。河野太郎氏などによる改革路線を期待していただけに、海外投資家は一転して売りに回ったとの声も聞かれる。 

来週4日からは臨時国会が召集され、首班指名の後、組閣が行われる。そんななか、来月の衆院選を視野に海外投資家がどう動くかが最大のポイントだ。岸田政権発足後の支持率調査も注目されている。

具体的な日経平均の下値メドとして、テクニカルアナリストからは、「8月下旬からの上昇幅の3分の2押しの2万8234円」との見方が出ている。このラインも下回れば、次は2万8000円ラインの攻防となる。

来週は、海外では8日の米9月雇用統計が最大の注目ポイントとなる。もちろん、米債務上限問題を巡る動向からも目が離せない。5日に米9月ISM非製造業景況感指数、6日に米9月ADP雇用統計が発表される。

国内では、8日の安川電機<6506>の決算発表が注目される。同社の決算は、今月下旬から本格化する中間決算の前哨戦となる。また、4日にはキユーピー<2809>や不二越<6474>、6日に壱番屋<7630>、7日にセブン&アイ・ホールディングス<3382>、8日にOSG<6136>などの決算が発表される。同じく8日には日本エコシステム<9249>が東証2部に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは2万8200~2万9100円。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.