前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年10月8日 5時30分

■霞ヶ関C <3498>  2,919円 (+500円、+20.7%) ストップ高

霞ヶ関キャピタル <3498> [東証M]がストップ高。6日の取引終了後、21年8月期決算を発表し、売上高は142億9500万円(前の期比78.5%増)、営業利益は13億2800万円(同4.1倍)だった。続く22年8月期業績予想は、売上高185億円(前期比29.4%増)、営業利益18億5000万円(同39.2%増)と売上高・営業利益ともに連続で過去最高を更新する見通しを示しており、これを好感した買いが膨らんだ。前期は、巣ごもり消費の増加やEC市場の拡大を背景とした需要増加に向けて物流施設開発を進めたほか、賃貸マンション・保育園の売却が収益に大きく寄与した。今期も物流関連市場の活況が継続すると見込んでおり、パートナー企業との合弁会社設立などの協業施策の戦略を活用し事業活動に注力していく。あわせて、26年8月期を最終年度とする中期経営計画を発表。最終年度に営業利益200億円とする目標を掲げた。

■日本興業 <5279>  895円 (+150円、+20.1%) ストップ高

日本興業 <5279> [JQ]がストップ高まで買われ、年初来高値を更新した。同社は6日、奈良女子大学及び大林道路(東京都千代田区)と共同で、セメントを使用しないことで通常ブロックと比較して二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に抑制できる土系ブロック「つちみちぺイブ」を開発したと発表。これが材料視されているようだ。「つちみちぺイブ」は、天然素材のみを使っており、セメントを用いて製造される一般的なコンクリートブロックと比べてCO2排出量を約44%抑制することが可能。同社は自然との共生を目指すスマートシティやグリーンインフラを活用したまちづくり、都市部における植生を生かした公園や建築外構など、「環境」「共生」といったキーワードのもとで進められる開発事業への導入に向けて、積極的に提案を進めていくとしている。

■BASE <4477>  1,189円 (+81円、+7.3%)

BASE <4477> [東証M]が急反発。6日の取引終了後、ネットショップ作成サービス「BASE」で拡張機能「Google商品連携・広告App」の提供を開始したと発表。「Google商品連携・広告App」は、3月にリリースした「Google商品連携App」をアップデートして名称変更した拡張機能。新たに広告出稿機能を追加しており、同機能内でGoogleショッピング広告「スマートショッピングキャンペーン」の出稿まで行うことができるようになったという。

■富士ソSB <6188>  364円 (+21円、+6.1%)

マイナンバー関連株が高い。富士ソフトサービスビューロ <6188> [東証2]が急反発し一時10%を超える急騰をみせたほか、クロスキャット <2307> 、インターネットイニシアティブ <3774> などが買われた。新型コロナウイルスの感染第6波に備えワクチン普及を加速させるための算段としてワクチンパスポートの発行が検討されている。先進国で新型コロナウイルスのワクチンが余剰となり、一部に使用期限が迫っていることも思惑を呼んでいる。そのなか、マイナンバーカードを使って専用アプリから申請すれば、スマホ画面に接種証明書を表示できるようにする案も浮上しており、関連銘柄に断続的に物色の矛先が向いている。また、直近では日本年金機構が3県で約97万人に誤った振込通知書を発送していたことが明らかとなっており、富士ソSBやクロスキャットには年金業務に関わるビジネスチャンスが巡るとの思惑も一部にあるようだ。

■ウエルシア <3141>  4,120円 (+230円、+5.9%)

ウエルシアホールディングス <3141> が急反発し、年初来高値を更新した。6日の取引終了後に発表した22年2月期上期(3-8月)の連結最終利益は前年同期比10.3%減の155億2700万円と減益だったものの、従来予想の151億6000万円を上回っており、これが好材料視されたようだ。積極的な出店を継続したことで、売上高は前年同期比6.6%増の5082億9500万円と増収を確保した。部門別では化粧品がコロナ以前の状況には戻らず、また食品は前期の特需の反動で苦戦を強いられた。一方、調剤は薬価改定の影響があったものの、調剤併設店舗数の増加などを通じて処方箋受付枚数が増加し、全体の収益を下支えした。

■郵船 <9101>  7,750円 (+380円、+5.2%)

日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> など大手をはじめ海運株が軒並み高。海運市況の高騰を背景に各社の業績も様変わりし、株価も8月以降一斉に水準を切り上げる形となったが、10月に入ると中国景気の減速などを警戒して利益確定売りを急ぐ動きが顕在化、急落を余儀なくされていた。しかし、株価指標面では割安感が際立っており、7日は目先筋の売りが一巡したとみてリバウンド狙いの買いが優勢となった。

■WNIウェザ <4825>  6,560円 (+320円、+5.1%)

ウェザーニューズ <4825> が5日ぶりに反発。6日の取引終了後、22年5月期上期(6-11月)の連結経常利益を従来予想の6億円から8億円へ上方修正すると発表。継続的な新コンテンツの投下や広告ビジネスの拡大を背景に、個人向けモバイル・インターネット気象の収益が想定より伸びる見通しとなった。なお、通期はソフトウェア開発のインハウス化・アジャイル型開発へのシフトの更なる推進に向けた投資促進を考慮し、従来計画の26億円を据え置いた。また、同時に発表した第1四半期(6-8月)の同利益は前年同期比94.7%増の5億1700万円だった。

■アトラエ <6194>  2,378円 (+112円、+4.9%)

アトラエ <6194> が大幅高で9日ぶりに反発。6日の取引終了後、集計中の21年9月期連結業績について、売上高が37億円から44億5000万円へ、営業利益が5億円から9億4000万円へ、純利益が3億3000万円から6億4000万円へ上振れて着地したようだと発表。7-9月期において、成功報酬型求人メディア「Green」の競争優位性を生かし、エンゲージメント解析ツール「Wevox」の大手企業による導入が進んだことで、売上高は想定を上回って推移。加えて広告宣伝投資の一部を翌期にずらしたことも寄与した。なお、21年9月期から連結決算に移行したため、前の期との比較はない。

■ネクステージ <3186>  2,061円 (+92円、+4.7%)

ネクステージ <3186> が大幅続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は6日、同社株のレーティングの「バイ」を継続するとともに、目標株価を2700円から2800円に引き上げた。大型総合店出店による中古車小売市場でのシェア拡大に注目しており、今回出店増により同証券による中期業績予想を上方修正している。同社では、同業大手に対して少なかった買取店舗拡大戦略をとり業績に寄与している。これを受け、同証券では21年11月期の連結営業利益予想は130億円から133億円(会社予想133億円)、22年11月期の同利益は157億円から160億円に、23年11月期の同利益は191億円から200億円に、それぞれ見直している。

■日本色材 <4920>  1,235円 (+55円、+4.7%)

日本色材工業研究所 <4920> [JQ]が大幅反発。6日の取引終了後、22年2月期の連結業績予想について、最終損益を1億100万円の赤字から1億900万円の黒字(前期8億4800万円の赤字)へ上方修正したことが好感された。新型コロナウイルス感染症の影響で国内・海外の化粧品メーカーからの受注の減少や後ろ倒しなどを受けて、売上高は92億7600万円から90億6600万円(前期比0.8%減)へ、営業損益は4800万円の赤字から7100万円の赤字(前期8億3100万円の赤字)へ下方修正した。ただ、各種コスト圧縮努力に加えて吹田工場売却による特別利益の計上が利益を押し上げる。

■識学 <7049>  2,085円 (+85円、+4.3%)

識学 <7049> [東証M]が大幅反発。同社は7日、識学式管理部門構築サービス及び管理部門特化型のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援サービスを開始すると発表している。このサービスの主な内容は、業務プロセスやデータプロセスのヒアリング、業務・データフローの再設計支援、ツールの設定代行、導入したツールの活用支援など。サービス開始は来週11日を予定している。

■イオンFS <8570>  1,492円 (+55円、+3.8%)

イオンフィナンシャルサービス <8570> が大幅続伸。6日の取引終了後、22年2月期の連結業績予想について、営業利益を410億~460億円から460億~510億円(前期比13.2%~25.5%増)へ、純利益を190億~210億円から230億~260億円(同30.0%~46.9%増)へ上方修正した。売上高は従来予想の4900億~5200億円(同0.6%~6.7%増)を据え置いた。第1四半期半ば以降に日本及びタイ、マレーシアなどで新型コロナウイルスの感染拡大に伴い経済活動が制限され、カードショッピング取扱高や個品割賦の取扱高が伸び悩んだ。ただ、デジタル化による利便性及び生産性の向上に加えて、審査の精緻化や債権回収の強化に取り組み、貸倒関連費用を中心に抑制したことが利益を押し上げる。また、業績予想の修正に伴い、14円を予定していた中間配当を19円に引き上げるとあわせて発表した。期末配当予想を据え置いたことから年間では45円となり、前期実績に対しては11円の増配になる予定だ。なお、同時に発表した第2四半期累計(3-8月)決算は、売上高2379億6600万円(前年同期比3.2%増)、営業利益332億4000万円(同4.3倍)、最終利益181億5500万円(同12倍)だった。

■西松屋チェ <7545>  1,440円 (+47円、+3.4%)

西松屋チェーン <7545> が3日続伸。岩井コスモ証券は6日、投資判断を「B+」から「A」に引き上げた。目標株価は1800円(従来2000円)とした。第2四半期累計(2-8月)の連結営業利益は、季節・天候要因に恵まれず前年同期比横ばいの64億4700万円と、計画に対して約4億円の未達だった。ただ、客数は前年を上回り、物流やインターネット販売、海外卸売り販売などの取り組みは順調なほか、物流の最適化や効率化に向けた取り組みにも着手し、利益率向上への期待が膨らんでいる。同証券では、22年2月通期の連結営業利益は前期比7.5%増の130億円(会社予想137億円)を予想し、23年2月期の同利益は139億円を見込んでいる。

■マネフォ <3994>  7,680円 (+250円、+3.4%)

マネーフォワード <3994> が4日ぶり大幅反発。同社は7日、自社が運営するマネーフォワードファンドを通じて、ベトナムで電子請求書受領管理サービスなどを提供するビジボッツ(シンガポール)に出資したと発表。ベトナムは、22年7月に電子請求書の発行を義務化する法令が施行予定であるなど政府主導でデジタル化の取り組みが進む一方、電子請求書処理における課題(受領者側のペイン)を取り除くサービスはまだ少なく、成長のポテンシャルが高い市場となっている。今後同社は「マネーフォワード クラウド」事業で培ったノウハウを共有することで、ビジボッツがベトナム国内で電子請求書受領管理サービスを拡大し顧客企業の電子請求書対応を推進できるようサポートするという。

■資生堂 <4911>  7,814円 (+221円、+2.9%)

資生堂 <4911> が続伸で25日移動平均線とのマイナスカイ離を解消したほか、花王 <4452> も続伸し5日移動平均線を上回り、目先底入れの兆しをみせている。新型コロナウイルスの新規感染者数が急減するなか9月末で緊急事態宣言が解除され、企業によっては従来のテレワークから出社に切り替える動きもみられるようになった。休日の人出も増勢となっており、巣ごもりからリベンジ消費へとシフトが進むなか、女性層の化粧品需要も高まるとの見方が強まっている。これを背景に改めて化粧品関連株が買い戻される流れにある。資生堂は信用取組も直近の信用倍率が0.9倍台と売り長で株式需給面からも買い戻しを誘発しやすい状況にある。

■クスリアオキ <3549>  7,450円 (+150円、+2.1%)

クスリのアオキホールディングス <3549> が8日ぶりに反発。6日の取引終了後に発表した9月度(8月21日~9月20日)の月次営業速報で、既存店売上高は前年同月比2.1%減と前年割れが続いたものの、6月が同6.8%減、7月が同6.1%減、8月が同4.9%減と減収率が縮小傾向にあり、9月もこれを持続したことが好感された。客単価が同1.9%増と堅調に推移したほか、客数が同3.9%減と前月の同6.9%減から改善したことが寄与した。なお、全店売上高は同11.6%増だった。

■ディスコ <6146>  29,290円 (+470円、+1.6%)

ディスコ <6146> が続伸。半導体製造装置メーカーで切断装置などを主力展開している。半導体需給の逼迫を背景とした半導体メーカーの生産設備増強の動きを背景に業績は好調に推移している。6日取引終了後に発表した21年7-9月期の単体売上高は563億円と前年同期比で4割強の伸びを記録した。また、同期間の出荷額も498億円と4割を超える伸びを示していることで、これをポジティブ視した投資資金の流入を誘った。

■東エレク <8035>  45,890円 (+730円、+1.6%)

東京エレクトロン <8035> が反発。ここ半導体関連株への売り圧力が強く、その象徴株である同社株は前日6日まで8日続落となり、この間に9000円以上も水準を切り下げていた。海外投資家の売りが中心となっていると思われるが、下げ過ぎとみて目先自律反発狙いの買いが優勢に。前日の米国株市場では半導体銘柄が総じて高く、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も小幅ながら続伸しており、これも追い風となった。ただ、上値では戻り待ちの売りも厚く、上げ幅は限定的となった。

■丸善CHI <3159>  388円 (+6円、+1.6%)

丸善CHIホールディングス <3159> や三洋堂ホールディングス <3058> [JQ]が小幅高。ノーベル文学賞の発表に伴い、書店関連株などが物色された。

■イオンディラ <9787>  3,470円 (+45円、+1.3%)

イオンディライト <9787> が3日ぶりに反発。6日の取引終了後に発表した22年2月期上期(3-8月)の連結業績は売上高1639億700万円(前年同期比9.5%増)、経常利益84億8900万円(同13.2%増)となり、これが好感された。清掃事業で新型コロナウイルス感染拡大防止に向けたアルコールなどによる消毒清掃が拡大したほか、設備管理事業では新規顧客開拓や既存顧客における各種整備業務の受注が好調だった。また、建設施工事業は福島県沖地震の復旧関連工事やイオングループ外での改装工事の受託が増加したことなども寄与した。

■ファストリ <9983>  71,470円 (+880円、+1.3%)

ファーストリテイリング <9983> が5日ぶりに反発。日経平均寄与度が際立って高く、ここ全体相場の波乱局面では日経平均の下げを同社株が増幅させている要素も強かった。7日は全体相場が先物主導で買い戻されるなか、同社株にはインデックス買いが流入し株価が押し上げられた。「目先はオプションSQに絡む売り買いが活発で、同社株もその影響が株価に反映されやすい」(ネット証券アナリスト)と指摘されている。

■カチタス <8919>  3,860円 (+45円、+1.2%)

カチタス <8919> が3日ぶりに反発。SMBC日興証券が6日付で同社の投資判断「2(中立)」を据え置き、目標株価を前回の3500円から3700円に引き上げた。レポートでは、割安リノベーション住宅の好調な需要を背景に、高水準の利益率が続くと予想。やや遅れていた在庫仕入れの回復も踏まえ、来期以降の利益成長確度が高まったと判断した。また、来期利益成長見通しも一部織り込んだとしている。

※7日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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