話題株ピックアップ【夕刊】(1):SHIFT、Jフロント、東宝
■SHIFT <3697> 24,030円 +2,180 円 (+10.0%) 本日終値 東証1部 上昇率4位
SHIFT<3697>が大幅高。同社は金融・通信などを主要顧客に企業向け基幹システムのソフトウェアテスト(動作確認、品質検査)を展開している。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)シフトが加速するなか、同社のソフトの品質保証サービスが旺盛な需要を捉えている。12日取引終了後に発表した22年8月期の業績予想は、営業利益が57億円(前期比43%増)を見込んでおり、21年8月期の39億9400万円(前の期比70%増)に続き、2期連続で過去最高利益の大幅更新となる。これをポジティブ視する買いを呼び込んだ。
■Jフロント <3086> 1,104円 +87 円 (+8.6%) 本日終値 東証1部 上昇率5位
J.フロント リテイリング<3086>は急伸。百貨店業界は新型コロナウイルスの影響で大苦戦を強いられているが、9月末の緊急事態宣言解除に加え、足もとで新型コロナ感染者数が急減していることから、今後の業績動向にマーケットの注目度も高い。そうしたなか、同社は12日取引終了後に21年3~8月期決算を発表、最終損益が19億9500万円の赤字(前年同期は163億1100万円の赤字)と損失幅が縮小した。4~6月期の休業が響いているほか、夏場の感染第5波の影響も拭えない状況にあるが、22年2月期通期ベースの最終損益は10億円の黒字予想を据え置いている。コスト管理などの合理化努力を推進する一方、ワクチン普及効果から下期の消費回復を見込んでいる。前日は決算発表前に買いポジションを減らす動きがでて株価を5%超下げていたが、きょうは不安心理後退を背景に同社株への買い戻しを誘発する流れとなった。
■IDEC <6652> 2,196円 +162 円 (+8.0%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
IDEC<6652>が大幅反発。大和証券が12日付で投資判断を「3/中立」から「2/アウトパフォーム」とし、目標株価を1900円から3000円へ引き上げた。同証券では営業利益予想として、22年3月期94億円、23年3月期108億円と過去最高(18年3月期61億1200万円)を更新すると予想。21年8月から国内で幅広い標準製品の値上げ(5~50%)を実施していること、主力製品のスイッチでは半導体を使用しないことが業績のプラス材料になると予想。上期決算で通期会社計画の上方修正に期待したいとしている。
■ヤプリ <4168> 4,025円 +190 円 (+5.0%) 本日終値
ヤプリ<4168>は大幅反発。東京証券取引所が12日の取引終了後、同社株を13日付で貸借銘柄に選定すると発表しており、株式流動性の向上による売買活性化への期待から買いが入ったようだ。また、日本証券金融も13日約定分から同社株を貸借銘柄に追加している。
■イズミ <8273> 3,605円 +145 円 (+4.2%) 本日終値
イズミ<8273>は大幅反発。12日の取引終了後に発表した第2四半期累計(3~8月)連結決算は、売上高3318億4400万円(前年同期比1.7%増)、営業利益159億7000万円(同3.0%減)、純利益107億1900万円(同0.4%増)となり、営業利益が従来予想の175億円を下回り減益で着地したものの、想定内との見方が強くアク抜け感から買われたようだ。新型コロナウイルスによる影響が長引き、テナントを含む非食品領域で回復に遅れが生じた。また、夏場には豪雨・低気温の影響があり、前年を下回る状況が継続した。なお、22年2月期通期業績予想は、売上高7214億円(前期比6.1%増)、営業利益367億円(同2.6%増)、純利益235億円(同1.9%増)の従来見通しを据え置いている。
■インソース <6200> 2,277円 +91 円 (+4.2%) 本日終値
インソース<6200>が大幅反発。この日午前中、SE(システム開発者)向けデータサイエンティスト(初級)コースを開発したと発表。データサイエンティストの育成には、プログラミングなどのITスキル以外にも、統計学や機械学習に加え、ビジネス分析など多岐にわたる知識、スキルが求められることから、同コースでは幅広い知識、スキルを体系的に学ぶことのできる研修コースを開発したという。これにより、システム会社のSE、事業会社システム部のSEの双方が受講できるコースとなっているとしている。
■東宝 <9602> 5,320円 +200 円 (+3.9%) 本日終値
東宝<9602>は大幅反発し年初来高値を更新した。12日の取引終了後、22年2月期の連結業績予想について、売上高を2140億円から2260億円(前期比17.7%増)へ、営業利益を320億円から380億円(同69.3%増)へ、純利益を205億円から260億円(同77.0%増)へ上方修正した。上期の映画営業事業で、自社配給の「竜とそばかすの姫」「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールドヒーローズ ミッション」、東宝東和配給の「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」などの大ヒットがあったことや、映像事業で「呪術廻戦」「ウマ娘プリティーダービー Season2」「僕のヒーローアカデミア」などの「TOHO animation」作品がパッケージ販売、商品化ライセンス、配信などの多面的展開を図り好調に推移したことなどが寄与する。なお、第2四半期累計(3~8月)決算は、売上高1180億5000万円(前年同期比59.5%増)、営業利益214億6300万円(同3.0倍)、純利益150億8100万円(同4.0倍)だった。
■ダイセキ <9793> 5,300円 +180 円 (+3.5%) 本日終値
ダイセキ<9793>は5日続伸。12日の取引終了後、上限を80万株(発行済み株数の1.55%)、または40億9600万円とする自社株を、13日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると発表。企業環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行することが目的という。なお、取得結果はまだ発表されていない。
■セントラル警備保障 <9740> 2,944円 +99 円 (+3.5%) 本日終値
セントラル警備保障<9740>が大幅反発。12日の取引終了後に発表した第2四半期累計(3~8月)連結決算が、売上高344億5000万円(前年同期比1.6%増)、営業利益28億7500万円(同9.4%減)、純利益20億8300万円(同16.3%増)と増収増益だったことが好感された。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響により、鉄道関連施設を中心とした主要顧客からの警備業務の見直しの要請を受けたものの、東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴う臨時警備が好調に推移したことが牽引した。なお、22年2月期通期業績予想は、売上高690億円(前期比2.3%増)、営業利益46億7000万円(同1.9%増)、純利益32億円(同2.3%増)の従来見通しを据え置いている。
■新日本電工 <5563> 342円 +7 円 (+2.1%) 本日終値
新日本電工<5563>の上値追いが鮮明だ。全体軟調相場が続いているにもかかわらず、株価はきょうで7連騰と異彩を放っている。日本製鉄系の合金トップメーカーで足もとの業績は回復色を強めている。21年12月期は従来予想を増額修正し、経常利益段階で前期比58%増の55億円を計画している。ここ非鉄セクターに物色の矛先が向いていることは、同社の株価見直しにもつながっている。また、世界的に脱炭素への取り組みが加速するなかで、水素吸蔵合金で実績が高い同社は、水素貯蔵システムなどへの展開に期待が大きい。燃料電池車普及のカギを握る水素ステーションのインフラ拡充では重要な役割を担うとの思惑がある。
株探ニュース