話題株ピックアップ【夕刊】(2):メルカリ、住友林、豊田通商
■マンダム <4917> 1,801円 +147 円 (+8.9%) 本日終値
マンダム<4917>が大幅続伸。同社は10月29日取引終了後、22年3月期第2四半期(4~9月)連結営業損益が6億4600万円の赤字(前年同期は8億9500万円の黒字)だったと発表したが、会社計画である16億円の赤字との比較で改善しているほか、収支均衡を見込む通期計画が据え置かれたため、買い安心感が広がったようだ。上期は国内外で新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、日本では夏場の気温低下や長雨など天候不順により、夏シーズン品の需要が伸び悩んだとしている。
■メルカリ <4385> 6,620円 +470 円 (+7.6%) 本日終値
メルカリ<4385>が大幅反発。同社は10月29日取引終了後、22年6月期第1四半期(7~9月)連結営業利益が8億4900万円(前年同期比2.3倍)だったと発表しており、好感されたようだ。なお、合理的な算定が困難であるとして、22年6月期の業績予想は引き続き開示されていない。メルカリJP、メルペイ、メルカリUSの3本柱が好調であり、このうちメルペイは四半期で初の黒字化を達成した。加えて、新規事業も予定通りの進捗であるとしている。
■住友林業 <1911> 2,332円 +162 円 (+7.5%) 本日終値
住友林業<1911>は大幅反発。同社は10月29日取引終了後、21年12月期連結業績の見通しについて、売上高を1兆3100億円から1兆3670億円へ、営業利益を880億円から1030億円へ、純利益を600億円から750億円へ上方修正すると発表しており、好感されたようだ。米国を中心に海外住宅・不動産事業が好調に推移しているため。なお、決算期変更のため、前期との比較はない。あわせて発表した21年12月期第3四半期(1~9月)連結営業利益は697億1800万円だった。米国の戸建住宅事業を中心に、海外住宅・不動産事業が引き続き好調に推移したことに加え、住宅・建築事業の前期コロナ禍による落ち込みからの回復もみられるとしている。
■スクロール <8005> 925円 +62 円 (+7.2%) 本日終値
スクロール<8005>が大幅高で900円台を回復、一時8%高の932円まで駆け上がる場面があった。同社は29日取引終了後、22年3月期通期業績予想の修正を発表、トップラインは従来見通しから変更はないが、営業利益は39億円から59億円に20億円の大幅増額となり、これがポジティブサプライズとなった。通販事業はコロナ禍における巣ごもり消費特需が一巡したものの、新規媒体の企画や品揃えの拡充が奏功したことで収益を下支えしている。また、商品調達法の見直しや販促費の削減努力などが効果を発揮し利益率が向上している。
■豊田通商 <8015> 5,280円 +350 円 (+7.1%) 本日終値
豊田通商<8015>が4日ぶり大幅反発。同社は10月29日取引終了後、22年3月期連結純利益が1500億円から1900億円(前期比41.2%増)へ、年間配当が120円から140円(前期は112円)へ、当初の計画を上回りそうだと発表しており、好感されたようだ。自動車生産関連及び自動車販売ビジネスの業績が好調に推移していることなどにより、上期実績が当初の想定よりも堅調に推移しているため。あわせて発表した22年3月期第2四半期(4~9月)連結純利益は1275億7300万円(前年同期比3.1倍)だった。
■第一稀元素化学工業 <4082> 1,515円 +97 円 (+6.8%) 本日終値
第一稀元素化学工業<4082>が大幅反発。10月29日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、最終利益を21億円から28億円(前期比2.3倍)へ上方修正し、あわせて10円を予定していた中間配当を13円に引き上げると発表したことが好感された。なお、売上高292億円(同24.4%増)、営業利益30億円(同48.9%増)は従来見通しを据え置いたが、上期にベトナム子会社における外貨建て借り入れの未実現為替差益を計上することが要因という。なお、年間配当は23円(前期18円)となる予定だ。
■レーザーテック <6920> 26,695円 +1,665 円 (+6.7%) 本日終値
レーザーテック<6920>が活況高の様相を呈し、1600円を超える上昇で一気に2万6000円台後半まで株価水準を切り上げてきた。同社株の売買代金は午前10時20分現在で800億円に達し、全上場企業のなかで群を抜いている。前週末の米国株市場ではNYダウやナスダック総合指数など主要株指数が揃って過去最高値を更新した。そのなか、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も続伸し、過去最高値に急接近する状況にある。東京市場では半導体製造装置の主力株は総じて9月上中旬に高値を形成したあと深い押し目を形成していたが、ここにきて急速に海外投資家とみられる出遅れ修正狙いの買いが観測される。
■JT <2914> 2,378.5円 +143 円 (+6.4%) 本日終値
JT<2914>は大幅反発。同社は10月29日取引終了後、21年12月期連結業績について、売上高を2兆2000億円から2兆2800億円(前期比9.0%増)へ、営業利益を4020億円から4780億円(同1.9%増)へ、純利益を2720億円から3300億円(同6.4%増)へ、年間配当予想を130円から140円(前期は154円)へ上方修正すると発表しており、材料視された。業績予想の上方修正は今期2回目で、減益予想から増益予想へと転換した。海外たばこや医薬事業の上振れの見通しを反映させたほか、為替が円安・ドル高傾向である点も考慮したとしている。あわせて発表された21年12月期第3四半期(1~9月)連結営業利益は4806億9600万円(前年同期比23.2%増)となり、上期に続いてたばこ事業が牽引したとしている。
■テクマトリックス <3762> 1,909円 +109 円 (+6.1%) 本日終値
テクマトリックス<3762>が大幅反発。同社は10月29日取引終了後、22年3月期第2四半期(4~9月)連結売上高は161億4600万円(前年同期比10.3%増)で過去最高を記録したと発表しており、好感されたもよう。セグメント別にみると、情報基盤事業、アプリケーション・サービス事業が過去最高の売上高となった。通期の売上高見通し330億円(前期比6.7%増)は据え置かれた。あわせて発表された上期連結営業利益は16億100万円(前年同期比3.6%減)となり、通期計画37億円(前期比3.3%増)に対する進捗率は43.3%にとどまったが、前年度の新型コロナウイルスの影響による販売促進費減少の反動であるとされ、特に悪材料視はされていないようだ。
■ワコム <6727> 776円 +42 円 (+5.7%) 本日終値
ワコム<6727>が急伸。10月29日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、営業利益を110億円から120億(前期比10.5%減)へ、純利益を80億円から88億円(同13.9%減)へ上方修正したことが好感された。売上高は1020億円(同6.0%減)の従来見通しを据え置いたものの、ブランド製品事業における原産地変更の取り組みにより、米国の対中追加関税措置の売上原価に与える影響が想定よりも低減したことに加えて、為替変動の影響がプラスに働く見通し。なお、第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高502億5900万円(前年同期比9.2%減)、営業利益75億6000万円(同12.3%減)、純利益57億6600万円(同8.2%減)だった。また同時に、上限を400万株(発行済み株数の2.48%)、または20億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は21年11月1日から22年1月28日までとしている。
株探ニュース