ワコム---前年同期比で需要が落ち着き2Q減収減益なるも、通期業績予想は利益段階での上方修正を発表
ワコム<6727>は10月29日、2022年3月期第2四半期(21年4月-9月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比9.2%減の502.59億円、営業利益が同12.3%減の75.60億円、経常利益が同9.5%減の76.61億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同8.2%減の57.66億円となった。
ブランド製品事業の売上高は前年同期比0.7%減の258.78億円、セグメント利益は同28.5%増の54.93億円となった。クリエイティブソリューションについては、コロナ禍下において各国間で状況に差はあるものの、概ね経済活動が再開されたことに伴い営業活動を活発に行ったことから、プロ向けのディスプレイ製品を中心に販売を伸ばした。一方で、前年同期と比べて需要に落ち着きが見られたペンタブレット製品の販売が減少した。それらの結果、クリエイティブソリューション全体の売上高は前年同期を僅かに下回った。ビジネスソリューションについては、液晶ペンタブレットの営業活動を活発に行い、売上高は前年同期を大幅に上回った。
テクノロジーソリューション事業の売上高は前年同期比16.7%減の243.79億円、セグメント利益は同34.9%減の42.17億円となった。AESテクノロジーソリューションについては、生産サプライチェーンオペレーションの制限があったなか、同社製品に対してOEM提供先のメーカー各社から引き続き高い評価を得ており、売上高は前年同期を上回った。EMRテクノロジーソリューション他については、OEM提供先の製品ポートフォリオの変化や生産サプライチェーンオペレーションの制限を受け、売上高は前年同期を下回った。
2022年3月期通期については、同日、ブランド製品事業における一部製品ラインの原産地変更の取り組みにより、一部対米輸出モデルへの米国の対中追加関税措置について、売上原価に与える影響が当初の想定よりも低減したことなどを踏まえて、業績予想の上方修正を発表した。売上高が前期比6.0%減(前回予想は据え置き)の1,020.00億円、営業利益が同10.5%減(前回予想比9.1%増)の120.00億円、経常利益が同14.8%減(同9.1%増)の120.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同13.9%減(同10.0%増)の88.00億円としている。また、自己株式取得の実施について、2021年5月12日付発表の「自己株式の取得に係る方針」に沿って、7月30日付の取締役会による決議に続き、同日の取締役会においても新たに決議したことを発表している(期間は2021年11月1日から2022年1月28日まで、株式総数上限は400万株、価額総額上限は20億円)。
《EY》