ソフトバンクGや値がさハイテク株の動きを睨みつつ、決算を手掛かりとした個別物色に/オープニングコメント
9日の日本株市場は、買い先行で始まった後はこう着感の強い相場展開になりそうだ。8日の米国市場はNYダウが104ドル高だった。すでに上院通過済みの超党派のインフラ案を議会下院が週末可決したことに加えて、ワクチン接種完了者などに対する入国規制の緩和で、景気回復期待が高まった。また、連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長を始め高官がイベントで、高インフレがいずれ鈍化するとのハト派的な見解を繰り返したため低金利が当面継続するとの見方も手伝い、終日堅調に推移した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比195円高の29685円、円相場は1ドル113円20銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買い先行で始まろう。米国市場ではインフラ法案可決を好感した流れから恩恵を受けると見られている銘柄が買われているほか、低金利政策が当面続くとの見方もあって、半導体株の一角が買われており、AMDは10%を超える上昇を見せていた。東京市場においても東エレク<8035>など指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になりそうだ。
また、指数インパクトの大きい銘柄としてはソフトバンクG<9984>の動向が注目される。昨夕に第2四半期決算を発表し、純利益は前年同期比8割減だった。ビジョン・ファンドで投資する中国企業の株価下落が影響した格好であり、発表直後はPTSで売られる場面が見られていた。ただし、1兆円を上限とする自社株買いの発表もあってADRでは買われており、ボトム圏で推移する同社の反発が見られるようだと、日経平均のけん引役になろう。
もっとも、週末まで多くの企業決算が控えていることもあり、買い一巡後はこう着感が強まりやすく、ソフトバンクGや値がさハイテク株の動きを睨みつつ、決算を手掛かりとした個別物色の流れになりそうだ。また、米国のインフラ法案可決を受けて、コマツ<6301>や信越化<4063>などへの波及が見られてくるようだと、センチメントを明るくさせよう。
《AK》