【杉村富生の短期相場観測】 ─日本市場には実需筋が揃って買い参戦!

市況
2021年11月14日 9時15分

「日本市場には実需筋が揃って買い参戦!」

●出遅れと外部環境の急好転を反映!

外部環境は急好転している。世界的な株高である。STOXX欧州600指数は史上最高値を更新中だ。日本株は11月に入って、外国人、投信、信託銀行など機関投資家が揃って買い越し。中国恒大集団の当面のデフォルト(債務不履行)回避を受け、欧州市場ではイギリス資源大手のアングロアメリカン、ロシアのダイヤモンド産出企業のアルロサなどが買われている。

鉱山株は中国の影響を受ける。石炭、穀物などを運ぶバラ積み船の運賃を表すバルチック海運指数は堅調だ。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は頑強な動き。為替は1ドル=114円前後の円安である。アメリカの長期金利の上昇が影響している。この背景には次期FRB議長を巡る人事の迷走があろう。

本来、FRB議長はパウエル氏の続投か、新たな議長を指名するのか、この時期には決まっているはずだが、今回は遅れている。パウエル氏の任期は来年2月5日に切れる。バイデン大統領は今月25日までに、結論を出すとみられている。ウォール街では銀行規制に厳しいブレイナード理事の"昇格"(副議長は既定路線)が有力という。

●アメリカ企業のダイナミズムはすごいぞッ!

さて、フェイスブックはメタ・プラットフォームズ(Meta Platforms)<FB>に社名変更したが、これによってFANG、GAFA+Mなどの総称が使えなくなった。そこで登場したのがMAMAA(メタ、アルファベット<GOOGL>、マイクロソフト<MSFT>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、アップル<AAPL>の5社)らしい。5社合計では時価総額1000兆円を超える巨大企業が変化を遂げている。

すごい話じゃないか。ちなみに、メタ(フェイスブック)はバーチャル空間を意味する メタバース(メタ→超越、ユニバース→世界を組み合わせた造語)事業に注力するために、社名を変えたのだ。時価総額100兆円(9244億ドル)の会社である。これはアメリカ企業のダイナミズムを象徴しているといえないか。

リビアン・オートモーティブ<RIVN>が先週10日に、ナスダックに上場した。EV(電気自動車)人気を背景に、公募価格78ドルに対し、初値は106.75ドル、高値は119.46ドルだった。予想を上回るフィーバーぶりである。時価総額は859億ドル(約9.8兆円→11日は12兆円)に膨らみ、フォード・モーター<F>の773億ドルを上回った、と話題になっている。

日本市場ではバーチャル空間(メタバース)関連のグリー <3632> 、ソフトウェアの不具合を検出・報告するデバッグのデジタルハーツホールディングス <3676>リチウムイオン電池向けの精密塗工(コーティング)装置のヒラノテクシード <6245> [東証2]、業容変貌期待のアスコット <3264> [JQ]などに注目できる。

アスコットの業績は急浮上の見通しにある。中国平安グループ(保険大手)、SBIホールディングス <8473> の支援を受け再建中だ。両社の株式保有比率は81.7%に達する。2021年9月期には復配(3円)を実現した。今期は売上高が前期比2倍の510億6600万円、営業利益が4.3倍の32億3200万円を見込んでいる。

リオープニング(子会社が複数のホテルを保有)との視点に加え、SBIグループが推進するデジタル証券分野での活躍が見込める。今期の配当は「未定」(会社側)だが、良好な事業環境、業績の急浮上を考えると、増配はほぼ確実だろう。

2021年11月12日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.