話題株ピックアップ【夕刊】(2):日東電、メルカリ、SUMCO

注目
2021年11月17日 15時17分

■日東電工 <6988>  8,870円  +310 円 (+3.6%)  本日終値

日東電工<6988>が反発。SMBC日興証券が16日付で、投資評価を「2」から「1」とし、目標株価を9300円から1万1000円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、収益源の多様化によりディスプレーのサイクルに反して23年3月期も増益が可能とみることや、核酸医薬のCMO(受託製造)が上方修正後の会社計画を上回る業績に期待できると考えること、株主還元に拡大余地があると判断することなどを理由に評価。また、営業利益予想を22年3月期1200億円から1350億円へ、23年3月期1230億円から1440億円へ引き上げている。足もとのPERは過去5年平均を下回っており、ディスプレー市場の悪化による業績の伸び悩みが織り込まれていると推察するものの、他の事業での規模の拡大が徐々に意識されることで、ディスプレー材料銘柄としての評価から一段上のステージへ向かうと予想している。

■GMO-PG <3769>  15,900円  +530 円 (+3.5%)  本日終値

GMOペイメントゲートウェイ<3769>は3日続伸。岩井コスモ証券が16日付で投資判断「A」を継続しつつ、目標株価を1万6000円から1万8000円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、動画配信、物販、公共料金などのeコマース向けオンライン決済代行サービスの拡大が続き、22年9月期は2割超の営業増益で過去最高益を更新すると予想。日本でも普及し始めているBNPL(後払いサービス)導入に向けた決済支援サービスなども加わり、25年9月期に営業利益250億円を目指す中期目標の達成に向けた成長が期待できるとして、中期的な成長期待が同社株への評価を高めると予想している。

■メルカリ <4385>  7,130円  +230 円 (+3.3%)  本日終値

東証マザーズ指数の戻り足が顕著となっている。軟調な日経平均を横目に頑強で、きょうは1189まで上値を伸ばした。市場では「個人投資家は、一時は信用評価損益率が大幅悪化していたものの、ここにきて中小型株の上昇が目立っており、回転が利くようになってきた。マザーズ指数の出直りはそれを象徴している」(中堅証券アナリスト)という。きょうはマザーズ市場の時価総額トップであるメルカリ<4385>が高いほか、FRONTEO<2158>がストップ高で全体の地合いを牽引している。

■SUMCO <3436>  2,482円  +76 円 (+3.2%)  本日終値

SUMCO<3436>が反発。11月5日にマドを開けて買われ同日ザラ場に2480円まで買われたが、その後は戻り売りに押されいったん調整局面に移行していた。しかし、足もとでは再び機関投資家とみられる実需買いが観測され上値を指向している。半導体シリコンウエハーでは信越化学工業<4063>と双璧で、世界シェアを分け合う。米国をはじめとして、サプライチェーンリスクとなる半導体不足の解消を図る動きが国際的に顕在化するなか、設備投資増強の恩恵を受ける製造装置メーカーを中心に半導体セクターへの物色人気が活発化している。しかし、半導体素材を手掛ける同社もまた追い風が意識されている。得意とする大口径300ミリウエハーの需給がロジック用を中心に締まっており、21年12月期業績は営業利益段階で505億円(前期比33%増)と大幅増益を予想、これは事前の市場コンセンサスを上回る伸びとなっている。また、300ミリウエハーに関しては増産ニーズに対応して台湾に半導体用シリコンウエハーの工場新設の方針も伝わっており、今後の業容拡大効果を評価する動きが徐々に優勢となっているもようだ。

■ニチコン <6996>  1,154円  +30 円 (+2.7%)  本日終値

ニチコン<6996>が反発。同社は16日、リコー電子デバイス(大阪府池田市)と環境発電を活用したワイヤレスでかつ10年程度メンテナンスが不要なIoTアクセスポイント及びエッジ端末システムを開発したと発表。同システムは、環境発電と2次電池で動作可能な圧力、湿度、温度、ガス(有機溶剤、アルコールなど)が検出できる環境センサーと傾斜や振動の測定が可能なモーションセンサーを搭載した、メンテナンスフリーのエッジ端末と、エッジ端末との間で見通し200メートルの通信が可能なアクセスポイントからなるIoTシステム。環境発電またはマイクロ波による充電が可能であれば、屋外室内を問わず配線レスですぐに設置が完了し、多彩な環境データに加えてセンサーが設置された物体の動きの情報が収集でき、倉庫の商品管理のほか、災害・工事など仮設現場での使用が期待されている。

■RSテクノ <3445>  7,140円  +80 円 (+1.1%)  本日終値

RS Technologies<3445>が3日続伸。SBI証券は16日、同社の投資判断「買い」を継続、21年から22年の化学セクター中小型株のトップピックとして推奨し、目標株価を1万1000円から1万2000円へ引き上げた。SBIでは好調な再生ウエハーの需要を受け、21年12月期営業利益予想を64億円から70億円へ上方修正し、23年12月期は90億円まで拡大すると予想しており、これらが材料視されている。同社は今期に中国で8インチプライムウエハーの能力増強(月8万枚から13万枚へ)を行うほか、12インチ再生ウエハーでは日本(月26万枚から28万枚へ)、台湾(月16万枚から18万枚へ)の能力増強により、販売数量増加が見込まれる。再生ウエハーも需要好調な環境下、下期からは増強効果が業績に寄与する見通し。RSテクノは台湾半導体大手の中期的な半導体能力増強計画に伴う再生ウエハー需要拡大を受け、台湾の12インチ再生ウエハーの能力を23年に月産22万枚まで引き上げる計画であり、中期成長が続く見通しであるとしている。

■フルマルHD <7128>  2,061円  +23 円 (+1.1%)  本日終値

フルサト・マルカホールディングス<7128>が続伸。同社は16日取引終了後、10月1日の設立後に未定としていた21年12月期連結業績及び配当予想を開示した。売上高は735億円、営業利益は12億5000万円、純利益9億円、年間配当は12円50銭を計画。連結ベースでの配当性向は35%程度を基本とし、最低年間15円の安定配当に努めるとしている。あわせて、22年12月期の配当について、フルサト工業とマルカの経営統合による持ち株会社設立・上場を記念して、普通配当に加えて1株当たり50円の記念配当を期末に予定していると発表した。

■芝浦メカトロニクス <6590>  8,100円  +90 円 (+1.1%)  本日終値

芝浦メカトロニクス<6590>の上げ足に弾みがついている。きょうは5連騰で8190円まで買われる展開となった。半導体向けエッチング装置やチップボンダーなどで高い競争力を誇る。ロジックファウンドリー向け、メモリー向けいずれも半導体メーカーの生産設備増強の動きを背景に好調だが、政府が先端半導体工場の誘致や既存工場の刷新支援などを主眼とした政策パッケージを、19日に発表する経済対策のひとつに盛り込む方針を示していることもあり、同社のビジネスチャンスが広がるとの見方が出ている。

■パーソルHD <2181>  3,510円  +35 円 (+1.0%)  本日終値

パーソルホールディングス<2181>が4日続伸し、年初来高値を更新。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は16日、同社の投資判断「Overweight(強気)」を継続し、営業利益予想の上方修正と業界平均PERの上昇も踏まえ、目標株価を3100円から4000円へと引き上げた。三菱UFJモルガンでは、中長期的な(1)市場シェア拡大による人材派遣・BPOの拡大、(2)雇用流動化による人材紹介の拡大を想定しているとし、22年3月期連結営業利益予想を400億円から490億円(前期比85.3%増)へ、23年3月期を470億円から540億円(同10.2%増)へ、24年3月期を555億円から636億円(同17.8%増)へ引き上げた。今期については、Staffingはコロナワクチン接種などの公共スポット案件の利益寄与に加え、継続的な人材派遣やBPOも想定以上に好調と判断。Careerに関しては人材紹介市場の回復に対して三菱UFJモルガンの想定以上に生産性改善が寄与していると指摘している。

■セプテニHD <4293>  518円  -35 円 (-6.3%)  本日終値

セプテーニ・ホールディングス<4293>は大幅反落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が16日付で、投資判断を「オーバーウエート」から「ニュートラル」に引き下げたことが弱材料視されたようだ。同証券では、21年9月期決算と同時に発表された電通グループ<4324>との資本・業務提携深化による利益貢献を含めて業績予想を見直し、営業利益予想を22年9月期で46億円から51億7700万円へ、23年9月期で49億円から71億4000万円へ修正した。これに伴い目標株価を550円から570円引き上げたが、カバレッジセクター内における株価パフォーマンスが想定的に中位になると考えたため、投資判断を引き下げたとしている。

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