来週の株式相場に向けて=下値切り上げ継続、往来圏の煮詰まりは近い?
この週は16日に日経平均株価が一時2万9960円まで上昇し3万円が目前に迫った。しかし、その後失速し18日には2万9400円台まで値を下げる場面があった。
米国のNYダウやナスダック指数の力強い動きを横目にみていると、日本株の伸び悩みは目立ってしまう。ただ、市場関係者からは「日経平均は着実に下値を切り上げている」(アナリスト)と全体相場の基調の底堅さを指摘する声が出ている。
テクニカル面では、日足では25日移動平均線が現在2万9302円前後の水準にあり上向き基調だ。週足では13週移動平均線が下値を支える形で、徐々に上値を探る格好となっている。「9月相場の急伸をイレギュラーとみれば、今年2月の高値から10カ月近い一進一退が続いている。相場はいつ上放れてもおかしくない」(アナリスト)という。日本企業の中間決算は良好だっただけに下値不安は限られるなか、なお時間はかかる可能性はあるものの、遠からず煮詰まりから3万円台乗せを迎える可能性はある。
来週は、東京市場は23日が勤労感謝の日で休場、米国も25日が感謝祭で休場となるため、全体として手掛けにくく様子見姿勢が強まることもありえる。日米ともに目立ったイベントは多くはないが、22日は米10月中古住宅販売件数が発表されるほか、キーサイト・テクノロジー<KEYS>とズーム<ZM>が決算を行う。24日に国内でサイエンスアーツ<4412>とラストワンマイル<9252>が東証マザーズに新規上場する。同日に米国では、7~9月期GDP改定値が発表されるほか、11月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の公表が予定されている。25日はスローガン<9253>が東証マザーズに新規上場する。来週の日経平均の予想レンジは2万9400~3万200円。(岡里英幸)