富田隆弥の【CHART CLUB】 「上昇しやすい師走」
◆さて11月も下旬を迎え、いよいよ師走が近づいてきた。国内では新型コロナウイルスの感染拡大が収束する一方、企業業績は増額修正が相次ぎ、そして過去最大規模の経済対策も決まり(11月19日決定)、久しぶりに明るい師走を迎えることができそうだ。
◆公務員やサラリーマンは冬のボーナスを前にウキウキし始め、金融界はその資金獲得に向けて準備に入る。米国ではブラックフライデー(26日)を機に年末商戦が本格化し、クリスマスムードが高まっていく。そうした背景もあり、12月の株式市場には上昇アノマリー(経験則)がある。
◆日経平均株価は11月16日に2万9960円の高値を付けた。17日、18日と調整したが、日足チャートは25日移動平均線(18日時点2万9255円)や10月6日安値から続く支持線(同2万9700円近辺)を下値とする上昇基調を保っており、3万円回復は近そうだ。そして3万円に乗せると、9月に付けた年初来高値3万0795円の奪回を目指す可能性が出てくる。
◆NYダウは11月8日の3万6565ドルをピークに調整が続く(17日終値3万5931ドル)。10月4日安値から引く支持線を割り込み、調整しやすいタイミングとして少し留意は必要だが、25日線(18日現在2万9255ドル)に差し掛かるほか、好調な年末商戦が報じられる11月下旬を迎え、そろそろ切り返すことが想定される。
◆NYダウやナスダックの堅調が伝われば、日本株は出遅れているだけに師走に向けて上昇に弾みを付けてもおかしくない。公務員のボーナス支給日は12月10日。そこは日本株のメジャーSQ(先物・オプション清算日)でもあり、日柄的にまずそこまでの上昇を想定してみたい。
(11月18日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース