話題株ピックアップ【夕刊】(2):三菱UFJ、フェローテク、メルカリ
■三菱UFJ <8306> 634円 +4.7 円 (+0.8%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンク各社や、第一生命ホールディングス<8750>などがしっかり。米国ではパウエルFRB議長が再任の方向となったことで10年債利回りが急上昇、終値ベースで1.67%まで水準を切り上げた。前日の米国株市場では長期金利上昇による運用環境の改善を材料にゴールドマン・サックス<GS>やバンカメ<BAC>がいずれも2.6%高と値を飛ばしたほか、他の銀行株も軒並み高となった。これを受け、東京市場でも米国事業を手掛けるメガバンクや大手生保株などが堅調な値動きとなった。
■フェローテク <6890> 3,925円 -505 円 (-11.4%) 本日終値
フェローテックホールディングス<6890>が急落。22日の取引終了後、国内外で485万8300株の公募増資とオーバーアロットメントによる売り出しに伴う上限72万8700株の第三者割当増資を実施すると発表しており、株主価値の希薄化などを懸念した売りが出ているようだ。払込期日は12月7日から13日までのいずれかの日で、発行価格は12月1日から7日までのいずれかの日に決定する予定。調達資金約222億5600万円は常山工場(中国衢州市)や石川第2工場(石川県白山市)、東台工場(中国江蘇市)などの設備投資に当てる予定だ。
■メルカリ <4385> 6,980円 -340 円 (-4.6%) 本日終値
メルカリ<4385>が大幅反落。複数のメディアで、子会社のソウゾウが10月に始めた新サービス「メルカリShops(ショップス)」について、商品が購入できていないのに代金が決済される不具合が生じていたと報じられたことがネガティブ視されたようだ。
■日経レバ <1570> 16,270円 -570 円 (-3.4%) 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が3日ぶり反落。売買代金は東証1部上場企業のなかで首位となっているレーザーテック<6920>を更に上回り全市場を通じてトップ。日経平均株価にリンクする形で組成されたETFで価格変動率が日経平均の2倍に設定されていることが特徴。全体相場のボラティリティが高まる局面では個人投資家をはじめ短期資金の商いが活発化する傾向がある。きょうは買い手掛かり材料難のなか、全体相場はやや軟調気味に推移していたが、前場終盤になって日経平均は先物主導で一段安、300円を超える下げとなったことから日経レバもそれに連動する形で下値模索の動きを強めた。なお、10月上旬以降、日経レバの信用買い残は急速に減少傾向にあり、株式需給面では改善が進んでいる。
■ソフトバンクグループ <9984> 6,596円 -226 円 (-3.3%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が4日続落、前週後半を境に下値模索の動きとなっている。足もと米国株市場ではハイテク株に利益確定の売りが出てナスダック総合指数は目先上昇一服感が台頭、米ハイテク株に積極的に投資する同社株への追い風がやや弱まった。また、中国の景気減速懸念と政府当局の中国テック企業への統制強化の動きが引き続き警戒されている。特に注目されるのが、同社が出資する電子商取引大手アリババ集団<BABA>の株価であり、米国株市場で18日にマドを開けて下落したが、その後も下値を切り下げる展開となっており、今後の動向にマーケットの関心が高まっている。
■ラクーンHD <3031> 1,638円 -44 円 (-2.6%) 本日終値
ラクーンホールディングス<3031>は続落。22日取引終了後、弁護士ドットコム<6027>と業務提携を行うと発表したが、市場の反応は限定的のようだ。ラクーングループでEC事業を展開するラクーンコマース、決済・保証事業を展開するラクーンフィナンシャル、居住用・事業用家賃保証事業を展開するラクーンレントの3社のサービスと、弁護士COMが運営する「税理士ドットコム」で顧客を相互に紹介する。
■日本調剤 <3341> 1,381円 -27 円 (-1.9%) 本日終値
日本調剤<3341>は反落。SMBC日興証券が22日付で、投資評価を「1」から「2」に引き下げ、目標株価を2100円から1600円へ引き下げたことが弱材料視されたようだ。同証券では長生堂製薬(孫会社)の業務停止命令で医薬品製造販売(GE)事業への期待値が短期的に剥落したと指摘。長生堂のリコール対応などのコストは一過性であり、既に業務停止命令は解除されていることや、本体の日本ジェネリック(子会社)は業界再編のなかでシェア獲得による増収が可能と考え、来期以降の増益は可能と予想しているが、品質改善などには時間を要し管理コストが増加する可能性や、3月に行政処分を受けた日医工<4541>同様に再度リコールが生じるリスクがあることから、当面株式市場の評価は低迷すると見込んでいる。
■東京エレクトロン <8035> 61,910円 -1,130 円 (-1.8%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>がいずれも一時1000円を超える下げとなったほか、アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>、SCREENホールディングス<7735>など半導体製造装置の主力銘柄が軒並み売りに押される展開を強いられている。前日の米国株市場では米長期金利の急上昇を嫌気してグロース株に売りがかさむ展開となり、半導体関連株もその流れのなか値を下げるものが目立った。この流れが、東京市場にも波及しているほか、きょうは半導体設備向け部品を手掛けるフェローテックホールディングス<6890>が最大200億円を超える公募増資を発表したことで大きく売られており、これも影響する形となっている。ただ、下値では買い向かう動きも観測され、東エレクは足もと500円安前後まで下げ幅を縮小するなど、朝方の売り一巡後は下げ渋る動きをみせている。
株探ニュース