7-9月期【利益3倍増】企業はこれだ!〔第3弾〕 33社選出 <成長株特集>

特集
2021年11月28日 19時30分

本特集では、7-9月期(第2四半期)に経常利益ベースで利益3倍増を達成した3月期決算企業を取り上げる「7-9月期【利益3倍増】企業はこれだ!」シリーズの第3弾をお届けします。

最終回となる第3弾は、第1弾配信の21日時点で時価総額が100億円超450億円以下の銘柄(銀行を除く)の中から、直近3ヵ月実績である21年7-9月期(第2四半期)に経常利益が前年同期と比べて3倍超の大幅増益を達成した33社をリストアップし、増益率の大きい順に並べた。下表は四半期ベースの「増益連続期数」、4-9月期(上期)経常利益の通期計画に対する進捗割合を表す「対通期進捗率」も併せて記した。

増益率トップとなったのは、プリント配線基板メーカーのキョウデン <6881> [東証2]。21年7-9月期(第2四半期)の経常利益は前年同期の5000万円から12億7700万円に急拡大して着地。主力の電子事業でアミューズメント機器、産業機器、車載機器、インフラ関連、センサー・モジュールデバイス分野を中心に受注が伸びたほか、生産効率の改善効果も利益拡大につながった。併せて、26年3月期に売上高846億円(22年3月期計画は545億円)、営業利益125億円(同41億円)を目指す中期経営計画を発表している。

2位の長野計器 <7715> は圧力計事業と圧力センサ事業で半導体業界、空圧機器業界、建設機械業界向けの旺盛な需要を取り込み、7-9月期は売上高136億円(前年同期比30.8%増)、経常利益10.6億円(同12.5倍)と業績高変化を遂げた。好調な決算を背景に、株価は22日に07年10月以来、約14年1ヵ月ぶりの高値となる1859円まで上値を伸ばしている。

7位に入ったウェルス・マネジメント <3772> [東証2]の7-9月期経常利益は前年同期比7.2倍の48億円に拡大し、四半期ベースの最高益を達成した。主力の不動産金融事業で遅れていた京都の大型ホテル案件の引き渡しが完了したうえ、他のプロジェクトの物件売却も順調に進んだ。また、運営する全ホテルでの通常営業再開や開発中のホテルに対するコンサルティング売上の計上が寄与し、ホテル運営事業が黒字転換したことも大幅増益に貢献した。

15位の日本電子材料 <6855> と16位の藤倉コンポジット <5121> は世界的な半導体需要の拡大が業績に追い風となった。電子材料はメモリーIC向けを中心に半導体検査用プローブカードの販売が大きく伸びた。一方の藤コンポは、産業用資材事業で半導体関連向け制御機器が好調だったほか、自動車関連や住宅設備関連の工業用品が回復した。また、スポーツ用品事業では自社ブランドのゴルフ用カーボンシャフトが国内や北米で好調だった。

17位にリスト入りしたギークス <7060> の7-9月期経常利益は前年同期比4.2倍の5.9億円と四半期ベースの過去最高益を大幅に塗り替えた。ゲーム事業で新規運営タイトル「僕のヒーローアカデミア ULTRA IMPACT」がスマッシュヒットしたことが収益を大きく押し上げた。また、主力のIT人材事業は顧客からの強い需要やリモートワークを取り入れるフリーランスの増加を背景に2ケタ成長を遂げた。

19位の木村化工機 <6378> は化学プラントの設計・製作・据付工事を手掛けるエンジニアリング事業で手持ちの案件が進捗したほか、原価低減や出張制限による経費減少なども寄与し、4四半期連続の大幅増収増益を達成した。同社は世界で初めて低濃度アンモニア水から高純度水素を製造することに成功するなど、水素関連の一角としても注目を集める。株価は08年6月以来、約13年5ヵ月ぶりの高値圏を快走する展開となっている。

24位にリストアップされた保土谷化学工業 <4112> の7-9月期は、スマートフォンのディスプレー向け有機EL材料が好調だったほか、韓国子会社のPCR診断キット用材料は昨年の特需が収まった後も安定した販売が続いた。また、プリンター向け材料や樹脂材料なども伸び、経常利益は前年同期比3.6倍の17.9億円に膨らんだ。併せて、通期の経常利益予想を従来計画の2倍となる50億円に大幅上方修正している。

●7-9月期【利益3倍増】シリーズ ─────

〔第1弾〕 37社選出 (時価総額2000億円超)

〔第2弾〕 33社選出 (時価総額450億~2000億円)

も併せてご覧ください。

  ┌ 経常利益 ┐   増益  対通期 予想

コード 銘柄名    増益率  7-9月期 連続期数 進捗率  PER

<6881> キョウデン   2454   1277     3  65.9 12.0

<7715> 長野計器    1148   1061     2  55.7 13.9

<4027> テイカ     1146    947     1  71.1 13.3

<5757> CKサンエツ  1028   2809     2  82.8  7.1

<4078> 堺化学      993   2240     4  63.9  7.1

<6349> 小森       651   1029     4  90.1  9.7

<3772> ウェルス     625   4805     2  80.2  9.9

<3106> クラボウ     616   2234     4  56.3  8.7

<7628> オーハシテク   520    670     4  52.5 10.4

<6157> 日進工具     495    541     4  58.5 28.4

<4116> 大日精      485   2233     4  58.4  6.7

<4092> 日本化      428    829     4  58.1  9.1

<5976> ネツレン     424   1074     4  58.0  9.6

<5408> 中山鋼      392   1304     1  29.6  4.8

<6855> 電子材料     380   1880     9  71.7  8.4

<5121> 藤コンポ     352   1262     4  56.4  6.0

<7060> ギークス     318    598     1  54.3 30.7

<6364> 北越工      291   1134     3  56.0 13.0

<6378> 木村化      290    745     4  67.8 15.9

<9066> 日新       278   2126     4  59.5  6.8

<6997> 日ケミコン    277   1506     6  55.4  8.2

<9358> 宇徳       274    760     3  61.9 16.3

<9896> JKHD     261   4052     4  68.0  5.1

<4112> 保土谷      256   1796     1  70.0 14.8

<4837> シダックス    252   1106     3  70.2 11.2

<6961> エンプラス    252    763     4  51.0 10.7

<8793> NECキャピ   246   3469     4  73.1  7.7

<8249> テクノアソシ   243    997     4  58.5  9.1

<4094> 日化産      236    917     3  60.1 10.5

<6245> ヒラノテク    222   1515     4  63.4 13.4

<7637> 白銅       214    963     4  56.9 11.3

<5480> 冶金工      213   2580     2  62.4  4.4

<5464> モリ工業     211   1672     3  53.9  5.6

※経常利益の単位は百万円。20年4-6月期の経常利益が5000万円未満の銘柄は除いた。

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