【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─岩盤的な下値水準に届いた東京市場、落ち着き取り戻すか?!

市況
2021年12月5日 9時30分

「岩盤的な下値水準に届いた東京市場、落ち着き取り戻すか?!」

●「オミクロン株」の影に怯えた東京市場

新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」はどれほど恐いものなのか。いまのところ、まだ誰も分かっていない。

・従来型より感染力が強そうである

・ワクチンを2回接種している人でも罹患することがある

・アフリカ、欧州を中心に、世界に感染が広がりつつある

・日本でも12月3日時点で2人の感染が確認された

分かっていることはこれくらいだが、株式市場は恐れおののいているのが実際だ。世界の株式市場の中で特に劇的な下げを演じたのが東京市場であり、日経平均株価は11月26日の寄りつき2万9324円から12月3日の安値2万7588円まで実に1736円も下げてしまった。

東京市場の神経質な様相がよく表れている下落ぶりといえるが、今後もこのような調子で下げてしまってはたまらない。

この点、どうなのか。

まず指摘しておきたいのは、「オミクロン株」の感染状況についてだ。EU域内で感染が確認された11カ国の計44人に、重症や死亡の報告はなく、把握している範囲では全員が軽症か無症状と報じられている点だ。

それに11月に感染者が確認されたアフリカ南部ボツワナでは、19人の感染者のうち、16人は無症状で、3人は極めて軽い症状とのこと。

オーストラリア政府のケリー首席医務官は、オミクロン株について「多くの国で300を超える感染例が診断されているが、全てが非常に軽症か症状が全くなかった」と指摘している。

もちろん「オミクロン株」は怖くなく、安心して良いなどとは言えないものの、東京市場のこれまでの反応は過敏すぎると言ってよく、市場は次第にそれに気づいて、落ち着きを取り戻すと見てよいのではないだろうか。

チャートからの判断も類似のものになる。日経平均株価は下値支持線だったはずの2万8000円も簡単に割り込んでしまい、2万7500円近くまで下げてしまった。そして、そこで3日間保ち合っている。これは好ましい動きになる。日経平均株価が10月初めに急落した時、止まったのがこの水準だからだ。今回はそこまで下げたことになり、ここは岩盤的な下値と見てよい。

●指数との連動性高い銘柄から絞り込むと

そこで今回の注目銘柄は、日経平均株価との連動性の高い個別銘柄の中から、まずは三井不動産 <8801> になる。特にマイナス材料もないのに、大きく売り込まれてしまった。週末の3日は3%超反発したものの、上値まではかなりの距離がある。

NTT <9432> も同様だ。ただ、この銘柄はスピードが遅い。少しスピードアップを狙うならNTTデータ <9613> がある。

12月という月を考えると、JT <2914> も投資対象になる。この株は配当狙いの投資家たちにとってはスター株だ。この点を考えると、月末の権利確定日直前まで株価が上昇する可能性が高い。

配当狙いの投資家たちにとってスター株といえる銘柄は他にもある。12月決算ではなく、3月決算なのだが、株価が下げていると押し目狙いの買いが入りやすいので魅力的なのがオリックス <8591> だ。11月25日に高値をつけた後、押し目を入れて反発の兆しを見せたところなので見逃さないようにしたい。

以上はオーソドックス銘柄になるが、中小型株にも目を向けておくと、LITALICO <7366> になる。障害者支援と福祉施設向けプラットフォーム運営に強く、発達障害児支援にも展開しており、今後も社会的な必要性の高さから株価の伸びは続くと見てよい。

最後に企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援製品「LaKeel DX」で知られるラキール <4074> [東証M]の浅い押し目も魅力的に見える。

2021年12月3日 記

株探ニュース

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