話題株ピックアップ【夕刊】(1):スノーピーク、東京海上、トヨタ

注目
2021年12月14日 15時13分

■ステムリム <4599>  569円  +80 円 (+16.4%) ストップ高   本日終値

ステムリム<4599>がストップ高。13日の取引終了後、塩野義製薬<4507>に導出済みの再生誘導医薬開発品レダセムチドについて、塩野義が実施した急性期脳梗塞の患者を対象とした第2相臨床試験で、主要評価項目を達成したとの連絡があったと発表しており、開発の進捗を好感した買いが入った。同試験は、脳梗塞発症後4.5時間から24時間の患者で、血管再開通療法(血栓溶解療法または血栓回収療法)を実施できなかった人を対象に、レダセムチドの有効性と安全性を検討することを目的とした第2相プラセボ対照二重盲検無作為化比較試験。その結果、目標達成が確認され、急性期脳梗塞患者に対する有効性が確認されたほか、副次評価項目である安全性でも有害事象の発現率はプラセボ群で同程度であり、忍容性が確認されたとしている。今後は試験の良好な結果を踏まえ、塩野義でグローバル第3相臨床試験への移行に向けた準備を進めていく予定。なお、22年7月期通期業績に与える影響は軽微としている。

■スノーピーク <7816>  3,975円  +190 円 (+5.0%)  本日終値  東証1部 上昇率9位

スノーピーク<7816>が続伸。同社は13日、11月度の連結売上高が前年同月比46.6%増になったと発表しており、これが好感されたようだ。国別では国内が同32.8%増となったほか、米国、韓国、台湾なども伸長。国内の販売別では直営店が同9.3%増、EC自社が68.7%増となり、秋冬キャンプ需要の増加などが寄与しているという。

■メルコホールディングス <6676>  4,300円  +155 円 (+3.7%)  本日終値

メルコホールディングス<6676>は続伸。13日の取引終了後、430万株(発行済み株数の19.34%)の自社株を12月27日付で消却すると発表しており、これが好材料視された。なお、消却後の発行済み株数は1793万7873株となる。

■東京海上 <8766>  6,344円  +193 円 (+3.1%)  本日終値

東京海上ホールディングス<8766>が連日の年初来高値更新で最高値街道に突入した。市場では「売り圧力が限定的な一方、ここ機関投資家とみられる実需買いが観測され株式需給関係が良い。直近ではUBS証券が13日付で同社株の投資判断を新規Buy(買い)としたことが追い風となっているようだ。欧米の損保株と比べバリュエーション面で割安感があり、株主還元に対する前向きな姿勢も評価されている」(中堅証券ストラテジスト)としている。

■JSR <4185>  4,425円  +105 円 (+2.4%)  本日終値

JSR<4185>が高い。SMBC日興証券が13日付で、投資評価「1」を継続し、目標株価を4500円から5000円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、第2四半期決算では電子材料の固定費増が想定よりも重かったとしながらも、一方でCDMO(医薬品受託開発製造企業)での資材調達問題の解消は好印象であると指摘。更に、12月8日の事業説明会では、CDMOでの利益率の改善への道筋が具体的に示された点が好材料となり、ライフサイエンス事業は本格的な拡大期を迎えたとみている。米インプリア社の買収を経て、EUV用フォトレジストでの地位も更に強化されており、長期的な成長性も高いと見込んでいる。

■東建コーポレーション <1766>  9,260円  +210 円 (+2.3%)  本日終値

東建コーポレーション<1766>は4日ぶりに反発。同社は13日取引終了後、22年4月期第2四半期累計(5~10月)連結営業利益が72億2400万円(前年同期比6.3%増)だったと発表した。通期計画159億6500万円(前期比2.6%増)に対する進捗率は45.2%。建設事業は前期上半期の受注高が伸び悩んだことにより、完成工事高が前年同期と比較して減少した。利益面では木材の国際的な需給バランスの急変による木材価格の高止まりが続いているものの、原価管理徹底の取り組みなどにより、完成工事総利益率は改善した。また、不動産賃貸事業は管理物件数の増加に伴い、サブリース経営代行システム(一括借り上げ制度)による入居者からの家賃収入及び管理料収入などが増加しているとした。

■トヨタ自動車 <7203>  2,045円  +43 円 (+2.2%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>が5日ぶり反発。前日の米国株市場ではNYダウをはじめ主要株3指数が軟調な値動きを示し、東京市場でも輸出主力株には逆風が強い。そのなか同社株はここ下げ基調となっていたが、75日移動平均線が下値サポートラインとして意識されており、水準的にもちょうど2000円大台攻防で強弱観が対立している。米長期金利が急低下しているにもかかわらず、外国為替市場では足もと1ドル=113円台半ばの推移と円安水準でもみ合っていることがプラスに作用している。PERやPBRなど指標面では割安感が強く、当面は75日線を巡る攻防が予想される。

■ハウス食品グループ本社 <2810>  2,953円  +59 円 (+2.0%)  本日終値

ハウス食品グループ本社<2810>、カゴメ<2811>、味の素<2802>、ニチレイ<2871>など食品株が全体軟調地合いのなかで強さを発揮している。前日の欧米株市場が安く、主力輸出株にはポジション調整の売りが出る一方、ディフェンシブ銘柄である食品セクターに資金シフトの動きがみられる。原料価格上昇などを背景に製品価格の値上げに動く企業が相次いでいるが、食品関連は値上げによって需要が大きく減退しにくい業態であることから、川上インフレに対して相対的に優位性がある。

■イーエムシステムズ <4820>  776円  +15 円 (+2.0%)  本日終値

イーエムシステムズ<4820>がしっかり。13日の取引終了後、グッドサイクルシステム(東京都渋谷区)の株式を追加取得し、持ち分法適用関連会社化すると発表しており、中長期的な企業価値向上に資するとの期待から買われているようだ。今回の関係強化により経営資源を集中させることでこれまでの業務提携を深化させ、更なる薬局向けシステム事業の強化につなげるのが狙い。EMシステムは現在、グッドサイクルシステム株式を4万9550株(発行済み株数の9.99%)所有しているが、22年1月5日付で最大14万3000株を取得し、合わせて最大19万2550株(同38.85%)とする見込みだ。

■ニッパツ <5991>  1,013円  +14 円 (+1.4%)  本日終値

ニッパツ<5991>が上値追い加速、2019年4月以来2年8カ月ぶりの高値圏に急浮上している。自動車用懸架ばねやHDD用精密ばねなどを手掛けるが、半導体製造装置向けでも需要を取り込んでおり、世界的な半導体生産能力増強の動きが同社株に追い風となっている。また、電気自動車(EV)向けモーターコアの販売拡大も収益に貢献、市場では「モーターコアで収益を伸ばし株価も大変貌している三井ハイテック<6966>の連想も働きやすい」(中堅証券ストラテジスト)という声も出ている。22年3月期は大幅増配見通しにあることも買いを誘っている。

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