話題株ピックアップ【夕刊】(2):トヨタ、日本製鉄、タムラ

注目
2022年1月5日 15時14分

■トヨタ自動車 <7203>  2,292円  +57.5 円 (+2.6%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>続伸し連日の上場来高値更新となったほか、ホンダ<7267>、日産自動車<7201>など自動車株が総じて買い優勢の展開。米長期金利の上昇傾向が強まるなか、日米金利差拡大を背景に外国為替市場ではドル買い・円売りの動きを誘発し、1ドル=116円台前半まで円安が進行、これは2017年1月以来約5年ぶりのドル高・円安水準にあり、為替感応度の高い自動車セクターは輸出採算向上に対する思惑から買いを誘導している。なお、トヨタは21年の米国市場における新車販売台数が米ゼネラル・モーターズ<GM> を抜いて首位となったことが伝えられている。米国で海外自動車メーカーが販売台数で首位に立つのは史上初ということもあり、これも同社の株高を後押しする材料となっている。

■日本製鉄 <5401>  1,953.5円  +44.5 円 (+2.3%)  本日終値

日本製鉄<5401>、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>など大手鉄鋼株の上値追いが続いている。鉄鋼株は全般軟調地合いのなかきょうも根強い買いを集めているが、海外投資家が買い主体とみられる。これは米国株市場で、長期金利の上昇を背景に株価指標面が割安なバリュー株への投資が顕在化していることが影響している。日本製鉄はPER3倍台でPBRが0.5倍台、JFEはPERが同じく3倍台でPBRが0.4倍台と割安感が際立っている。世界的に感染拡大が続く新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン株への警戒は怠れないものの、重症化リスクが低いとの見方で経済への影響は限られるとの思惑が、鉄鋼など景気敏感セクターにとってポジティブに作用している面もある。

■タムラ製作所 <6768>  707円  +15 円 (+2.2%)  本日終値

タムラ製作所<6768>が続伸。きょう付の日刊工業新聞で「実装後にハンダ周囲の温度が200度Cまで上昇しても接合状態が劣化しないパワー半導体向け鉛フリーハンダ接合材を開発した」と発表しており、これが好材料視された。記事によると、今回開発した製品は炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウムを基板に使い、接続部の温度が高くなる次世代パワー半導体などでの使用を見込んでいるという。3月からサンプル提供を始め、23年以降の量産化を目指すとしており、中期成長への寄与が期待されている。

■三菱商事 <8058>  3,790円  +80 円 (+2.2%)  本日終値

三菱商事<8058>が続伸、約2カ月半ぶりに昨年来高値を更新した。昨年12月下旬以降、原油市況が再び上昇基調にあり、前日もWTI原油先物価格は91セント高の1バレル=76ドル99セントと続伸した。前日の米国株市場ではエクソン・モービル<XOM>が3.8%高に買われるなどエネルギー関連株の上値指向が目立った。東京市場でも総合商社大手は資源関連ビジネスを手掛けており、市況高は収益面で追い風となる。また、同社株はPER7倍台で配当利回りが3.7%台と高く、1倍を下回るPBRも考慮してバリュー株投資の観点でも買いを誘導しやすい。

■サンゲツ <8130>  1,670円  +24 円 (+1.5%)  本日終値

サンゲツ<8130>が続伸。午前10時ごろに発表した自社株の取得状況が好材料視されたようだ。同社は21年10月8日に上限を100万株(発行済み株数の1.68%)、または20億円とし、取得期間を同年10月11日から22年1月13日までとする自社株買いを発表したが、21年12月31日時点で61万7700株を取得し、取得価額の総額は9億7672万円に上る。自社株の取得が順調なことから、更に自社株買いが進むとの見方が強まっているようだ。

■チヨダ <8185>  794円  +7 円 (+0.9%)  本日終値

チヨダ<8185>が続伸。4日の取引終了後に発表した12月度の月次売上高速報で、既存店売上高が前年同月比7.7%増と2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。前年に大雪で防寒・防水・防滑といった機能性冬物商品の販売が大きく伸びた北陸などは反動により売り上げは減少したものの、新型コロナウイルスの感染者数が低い水準で推移したことから、全国的に売り上げは回復基調となった。特にコロナ感染拡大前の前々年同月比でも12月は今期初めてプラスとなった。

■日本郵船 <9101>  9,200円  +60 円 (+0.7%)  本日終値

日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運大手3社の株価上昇基調が目立っている。海運セクターは業種別騰落でも、寄り付き直後は前日に続いて33業種中で値上がり率首位となるなど買いの勢いが強い。米長期金利の上昇を受けて、米国株市場でも目先はバリュー株シフトの動きが表面化している。東京市場でも超低PERと配当利回りの高さが際立つ海運大手はその代表格として買いを誘導している。前日は、先物主導のインデックス買いとは別に海外投資家の実需買いが観測されており、インカムゲイン狙いで株価の先高期待が強まっている。

■高島屋 <8233>  1,089円  +7 円 (+0.7%)  本日終値

高島屋<8233>は続伸。4日の取引終了後に発表した12月度の店頭売上速報で、高島屋各店及び国内百貨店子会社の売上高が前年同月比9.9%増と3カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。外出機会の増加に加え、前年の年末にかけて新型コロナウイルスの感染が急拡大した反動の影響があった。商品別では紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾、子供情報ホビー、スポーツ、リビングなどがプラスとなった一方、呉服、美術などは前年に届かなかった。なお、免税売り上げは同55.2%増だった。

■加賀電子 <8154>  3,255円  +20 円 (+0.6%)  本日終値

加賀電子<8154>は3日ぶりに反発。同社の子会社である加賀FEIはきょう午前11時30分ごろ、太陽誘電<6976>からBluetooth及びWireless LANモジュールに関わる商権、開発・製造技術並びに知的財産権を承継し、1月から小型無線モジュールの受注を開始すると発表した。IoTが浸透していく中で、無線モジュールは持続的な需要拡大が見込める成長市場になっており、加賀FEIでは太陽誘電から承継した小型・低消費電力のBluetoothやWireless LANの無線モジュールを中核として、ネットワーク・クラウド、ソフトウェア開発、電波法認証取得、EMSサービスなど、IoTソリューションビジネスの拡大を目指すとした。

■日本航空 <9201>  2,197円  +12 円 (+0.6%)  本日終値

日本航空<9201>た高い。共同通信が4日の取引終了後、中堅航空会社のスカイマーク(東京都大田区)について「営業損益が昨年12月に単月で黒字に転じたことが4日分かった。単月黒字はコロナ禍の影響が出る直前の2020年初頭以来、約2年ぶり。」と報じており、航空大手2社についても業績回復を期待した買いが先行しているようだ。記事によると、札幌や羽田、神戸、福岡、那覇空港の発着便を中心にビジネスや観光客の動きが活発になっているとした。

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