大和証券・細井秀司氏に聞く 日経×株探スペシャルインタビュー「2022年株式市場展望」
―日本株が米国株に勝つ年、日経平均3万4000円へ―
2回目は大和証券投資情報部シニアストラテジストの細井秀司氏。
細井秀司氏(大和証券投資情報部シニアストラテジスト)
Q:2022年の株式相場を一言で語るとどんな相場でしょうか?
細井秀司氏(以下、細井):2022年は"日本株が勝つ"年になるだろうと思います。2022年末の日経平均株価で3万4000円と想定しており、年間上昇率は18%となります。これに対してダウ工業株30種平均は3万8000ドル、上昇率で5%弱にとどまるとみています。今年は米国株より日本株のほうが優位に立つ年になるでしょう。
Q:では、その根拠について教えてください。
細井:まず世界各国の景況感指数(PMI、50が好不況の分かれ目)をみると米国は横ばいで、日欧は足元やや低下傾向をたどっています。グラフの直近値は12月ですが、欧州はすでにオミクロン株の影響が出ていたといえます。日本は欧州の状況を受けてやや部品不足に陥り、思ったように生産が捗らなかったことも背景にありそうです。中国は夏場に悪化後、回復はしたけれどもかなり低い水準で推移しています。今後もオミクロン株が懸念材料になりそうです。
細井:こうした中で、昨年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策は利上げの方向に進むことになりました。市場の年末予想値は米10年国債利回りで2.04%(グラフ参照)。足元の長期金利は1.7%にまで上昇してきてはいますが、まだ2021年のレンジの上限(1.74%)にすら達していない状況です。1日に10ベーシスポイント(0.1%)を超えるような大幅な変動ならいざ知らず、少なくとも米債券市場が2.04%までの金利上昇を読んでいるのであれば1月6日の日本株の下げはオーバーシュートではないかと考えています。