「グローバルニッチ」株を徹底マーク、高成長性と割安さ持つ厳選6銘柄 <株探トップ特集>

特集
2022年1月18日 19時30分

―独自分野で世界的高シェア誇り再評価余地、不安定相場での買い安心感光る―

グローバルニッチトップ銘柄の優位性に改めて注目したい。ここ株式市場では、これまで高成長期待から買われていたハイテク株を売り、買い安心感のあるバリュー株を物色する動きが強まっている。全体相場が不安定感を増すなかにあっては、業績良好で割安な銘柄が選好されやすい一方、こうした銘柄群の多くは水準訂正が一巡してしまえばそこから更に買い進むだけの魅力には乏しい。やはりここは好業績・割安に加え、成長性や人気化素地を内包している銘柄を狙いたいところで、ニッチトップ企業のなかにはその範疇に該当する銘柄が豊富にあり、マークしておきたい。

●直近好決算発表のニッチトップ銘柄に注目

まずは、直近で好決算を発表した関連銘柄にスポットを当てたい。杭圧入引抜機のトップ企業である技研製作所 <6289> は11日に9-11月期決算を発表、営業利益は前年同期比9.4%増の13億8300万円となり、上期計画(22億7000万円)に対する進捗率が61%と順調な出だしとなった。翌12日には手術用縫合針や眼科用ナイフで高シェアのマニー <7730> が決算を発表し、9-11月期は2ケタ増収増益での着地となった。足もと、両銘柄とも決算発表翌日の上昇分を吐き出す格好となっているが、好業績が確認されているだけに、今後深押しする場面があれば買いのチャンスとなりそうだ。

また、マニーと同じく12日に決算発表を行った切削工具大手のOSG <6136> も業績好調で、22年11月期通期も増収増益トレンドを継続する見通しにある。同社株の場合はこの決算発表を受けてマドを開けて買われ、その後も頑強な展開で昨年来高値圏での推移が続いている。同社は自動車関連や航空機関連産業をはじめ、微細精密加工やエネルギー分野向けの売り上げ拡大を目指していく方針にあり、24年11月期を最終年度とする中期経営計画では営業利益ベースで今期予想比49%増となる300億円を掲げている。

これら3銘柄は決算月の違いはあるが、いずれも直近2期連続で増収増益見込みにあり、コロナ禍であっても世界高シェアを誇るニッチ製品を武器に収益を上げていることがうかがわれる。そこで、経済産業省がまとめた2020年版「グローバルニッチトップ企業100選」のなかから、足もと業績良好で成長余地が大きく、中長期的にレーザーテック <6920> のような出世株となり得る有望株6銘柄をラインアップした。

●成長期待を内包した6銘柄

湖北工業 <6524> [東証2]は、異例の大量上場となった昨年12月IPOラッシュのなか、数少ないセカンダリー好調銘柄として注目される。同社はアルミ電解コンデンサー用のリード端子や通信網用光部品を手掛け、特に海底ケーブル向け光デバイスでニッチトップを誇る。21年12月期営業利益は4割増の予想で、直近第3四半期までの進捗は順調。今期配当予想は未定としているが、会社側では年1回の期末配当実施を基本方針として掲げている。リード端子は自動車電子化、光部品は世界的な通信インフラ投資を追い風とした需要拡大が見込まれており、同社に対する成長期待は高い。

ソディック <6143> は硬い金属の加工に使用される放電加工機の大手で、1マイクロメートル単位の加工を可能にする数値制御(NC)技術に強みを持つ。さまざまな製品を大量生産する際に必要となる金型の製造において放電加工機は欠かせず、製造業の持ち直しを受けて同社業績は急回復局面にある。1-9月期営業利益は前年同期比6倍の49億5000万円となり、通期計画(61億円)に対する進捗率は81%と高水準だ。足もと同社株の調整に一服感が出始めており、今後通期決算の発表を見据えて業績期待の買いが入る場面もありそうだ。配当利回り3%台でPBR1倍割れと株価指標面からの買い安心感もある。

オプテックスグループ <6914> は防犯用、自動ドアなど各種センサー大手。これまでに14年と20年の計2回取りまとめられた「グローバルニッチトップ企業100選」において中核子会社のオプテックスが連続選出されており、初回は屋外向け侵入検知センサー、2回目では自動ドアセンサーが評価された。1-9月期業績は売上高が前年同期比35.2%増の340億4900万円、営業利益が同3倍の38億1600万円で着地、防犯・自動ドア関連が堅調だったほか、半導体・電子部品向け製品が大きく伸びた。通期見通しについては既に1回上方修正を行っているが、直近四半期までの業績拡大基調が継続すれば上振れする可能性もある。

フルヤ金属 <7826> [JQ]は白金・レアメタルなど貴金属の製造や加工、回収を手掛ける。なかでも、加工が難しいとされるイリジウムとルテニウムを使った製品開発に注力しており、半導体や有機EL向けで必要不可欠な素材として旺盛な需要を捉えている。直近7-9月期業績は、営業利益が前年同期比4.9倍の47億4000万円と急拡大しており、通期計画(118億円)に対する進捗率は4割にのぼる。同社は、東京証券取引所の市場再編に伴いスタンダード市場に移行することになっているが、将来的にプライム上場を目指す考えを明らかにしており、今後の動向を注視しておく必要がありそうだ。

旭有機材 <4216> は旭化成グループ系で、プラスチックバルブの独占的メーカー。現在主流の金属バルブに比べ、プラスチック製のものは軽くて錆(さ)びないといった特徴があり、こうした強みを武器にプラントや半導体製造設備、水族館、漁業施設などでの採用が進んでいる。このほか同社では、電子材料向け樹脂製品や水処理・資源開発事業などを手掛けている。22年3月期業績予想は既に2回の上方修正が行われており、12%増収、営業41%増益の見通し。株価は、昨年10月の2回目の通期上方修正を機に上昇が加速、約2年ぶり高値圏まで浮上しており、ここからの値動きに目を配っておきたい。

テイカ <4027> は白色顔料の酸化チタンと、洗剤などに使う界面活性剤を主力とする化学メーカー。微粒子酸化チタンなど化粧品向け機能性微粒子材料で優位性を発揮しているほか、ニッチトップ製品として医療機器用の圧電セラミックスを手掛けている点がポイント。今3月期は原燃料価格の高騰による影響を受け営業減益が予想されているものの、足もとでは回復傾向にある。直近4-9月期業績は、主力化成品の販売堅調や圧電セラミックスなど電子材料の好調により増収増益を確保。今後、今年1月納入分から実施している酸化チタンの販売価格改定が利益貢献してくるとみられ、来期以降の業績が注目される。

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