大谷正之氏【目先リバウンド局面に、戻り相場は持続できるか】(1) <相場観特集>
―米国発のリスクオフ相場一巡、ここからの相場展望を読む―
週明け31日の東京株式市場では日経平均が続急伸となった。前週末の米国株市場で主要株指数が大幅反発をみせ、目先リスクオフの巻き戻し局面に入っている。前週に日経平均は一時2万6000円トビ台まで売り込まれたが、前週末に急反発し、その流れを引き継いできょうは、グロース株への買い戻しが加速し2万7000円台に戻している。2月相場を目前に、ここはどういう投資スタンスを取るべきか。先読みに定評のある市場関係者2人に意見を聞いた。
●「2万6000円台を固める展開か、好業績銘柄など注目」
大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)
この日の日経平均株価は2万7000円台を回復したが、まだ下値は固まっていない。本格化した国内企業の決算発表を横目にみながら、今後も米長期金利の動きに神経質に反応する展開が予想される。
今週末には米1月雇用統計が発表され、インフレ懸念が少し落ち着くようなら押し目が買われる可能性がある。当面の戻りのフシは年初からの下げの半値戻しの2万7700円前後で、今週に2万6600円を維持できれば、下値を切り上げる展開も期待される。ただ、27日につけた2万6170円の安値が、はっきりとした節目となったかは不透明な部分もあり、場合によっては、再び割り込むこともあり得る。
こうしたなか、2月相場の日経平均株価は幅広いレンジを想定している。下値メドは2万5200円前後とみている。これは、2020年3月安値から昨年9月高値までの値幅に対する38%押しの水準となる。上値のメドは26週移動平均線のある2万8500円前後だろう。基本的には、なお日柄調整が必要で、トレンドはもみ合いを想定している。
個別では、好決算を発表した銘柄を見直す展開が予想される。直近では、信越化学工業 <4063> やアルプスアルパイン <6770> 、トプコン <7732> 、新光電気工業 <6967> などが好調な決算を発表している。また、3月期末が近づき高配当利回り銘柄は評価されそうだ。三菱商事 <8058> など商社株や三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> など銀行株は、バリュー株を見直す動きのなか再評価されよう。
(聞き手・岡里英幸)
<プロフィール>(おおたに・まさゆき)
1960年生まれ。立正大学文学部卒、83年丸和証券入社、営業を経て96年から現職。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト(CFTe)、AFP(日本FP協会認定)、(内閣府認証)NPO法人金融証券マーケットフォーラム理事。トレンドの芽をいち早くキャッチすべく、フィールド重視の調査を心がけている。
株探ニュース