ファンペップ---21年12月期は大幅な増収、次期は新規パイプライン創出・アライアンス活動を推進

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2022年2月15日 12時15分

ファンペップ<4881>は2月14日、2021年12月期決算を発表した。売上高が1.26億円(前年同期は0.02億円)、営業損失が7.45億円(同5.64億円の損失)、経常損失が6.79億円(同5.05億円の損失)、当期純損失が6.82億円(同5.07億円の損失)となった。

抗体誘導ペプチド「FPP003」(標的タンパク質:IL-17A)について、2019年4月からFPP003の尋常性乾癬を対象疾患とする第I/IIa相臨床試験をオーストラリアで進めている。被験者募集は、現在、用量漸増試験の最終コホート(第4コホート)まで進み、2022年内の試験終了を目標としている。また、強直性脊椎炎を対象とする開発は前臨床試験の段階にある。なお、大日本住友製薬<4506>との間でオプション契約を締結しており、北米での全疾患に対する独占的開発・商業化権の取得に関するオプション権を保有している。抗体誘導ペプチド「FPP004」(標的タンパク質:IgE)について、日本で患者数が多い花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)を対象として開発しており、現在、前臨床試験の段階にある。なお、SR-0379及びFPP003の既存プロジェクトが進展し、新規開発化合物FPP005の開発が開始されて研究開発パイプラインが拡充される中、同社は前臨床試験等の人的リソースをFPP005等の開発に優先的に投下し、FPP004については、当面の間、バックアップ化合物の探索研究を進めていくことにしている。抗体誘導ペプチド「FPP005」(標的タンパク質:IL-23)について、2023年からの臨床試験開始を目指して前臨床試験を進めている。抗体誘導ペプチドの研究テーマ抗体誘導ペプチドの探索研究は、大阪大学との共同研究により実施している。アレルギー性疾患を対象とする抗体誘導ペプチドの研究を行っている。更に生活習慣病の高血圧及び抗血栓を対象とする抗体誘導ペプチド、遺伝性疾患の家族性大腸腺腫症を対象とする抗体誘導ペプチドの研究にも取り組んでいる。また、大日本住友製薬との間で精神神経疾患を対象とする抗体誘導ペプチドの研究契約、塩野義製薬<4507>との間で疼痛を対象とする抗体誘導ペプチドの共同研究契約を締結した。さらに、メドレックスとの間でマイクロニードル技術を用いた抗体誘導ペプチドの次世代製剤技術開発に関する共同研究契約を締結した。

機能性ペプチド「SR-0379」について、高齢化社会を迎え重要性が増している褥瘡等の皮膚潰瘍の早期回復を促進し、患者のQOL向上に貢献することを目指している。SR-0379の開発は、複数のアカデミア主導の医師主導治験、更に企業治験を経て、現在、塩野義製薬との共同開発により日本での開発を進めている。2021年6月に第III相臨床試験を開始してから被験者への治験薬投与が進んでおり、2022年内の試験終了を見込んでいる。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防ワクチンについて、大阪大学との連携のもと、抗体誘導ペプチドの技術基盤を活用し、新型コロナペプチドワクチンの研究開発を行っている。ペプチドワクチンは、副反応が少ないワクチンになること、誘導される中和抗体のターゲット部位の特異性が高く変異が入りにくい部位をターゲットとすることで様々な変異株に対応可能なワクチンになることが期待される。2020年4月から、大阪大学及びアンジェス<4563>との間で、同社のペプチドワクチン技術を活用した次世代ワクチンの共同研究を実施している。

機能性ペプチドの販売について、医薬品以外の分野は、ファンケルから「マイルドクレンジングシャンプー」、更にSMV JAPANから「携帯アルコール除菌スプレー」等が発売され、同社の機能性ペプチドを含有する商品が販売されている。

事業収益は、塩野義製薬からのSR-0379の日本での第III相臨床試験開始時のマイルストーン1.25億円及びSMV JAPAN等に対する機能性ペプチド販売額0.01億円を計上した。

2022年12月期通期の業績予想について、同社の事業収益は研究開発の進捗状況や新規提携候補先等との交渉状況等に依存しており、その不確実性を考慮すると現時点では合理的に算定することが困難なため、業績予想は記載していない。

《YM》

提供:フィスコ

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