株価指数先物【寄り前コメント】 5日線が位置する2万7300円水準を支持に、25日線からの上放れを試す動きに期待
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 27460 +30 (+0.10%)
TOPIX先物 1946.0 +0.5 (+0.02%)
シカゴ日経平均先物 27460 +30
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
16日の米国市場は S&P500が上昇する一方、NYダウ、ナスダックは下落。ウクライナ情勢を巡り、いったんはロシア軍の一部撤収を受けて緊張が和らいだものの、北大西洋条約機構(NATO)のイエンス事務総長が、ロシア軍の軍事力増強が続いているとの認識を示すなど、情勢を見極めたいとのムードから売り優勢の展開となった。
一方で、注目されていた米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、大半の参加者が速いペースでの利上げの可能性を指摘していることが分かった。ただし、タカ派色が強まらなかったとして金融引き締めへの過度の警戒感は後退し、買い直される場面も見られた。S&P業種別指数はエネルギー、素材、資本財が上昇する半面、電気通信サービス、食品・生活必需品小売、ソフトウエア・サービスが下落。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は日中大阪比30円高の2万7460円で取引を終えた。日経225先物(3月限)のナイトセッションは日中比20円安の2万7410円で始まり、開始直後に上昇に転じると、2万7550円まで買われる場面も見られた。買い一巡後は下げに転じており、米国市場の取引開始後には2万7260円まで売られたが、終盤にかけて再び2万7500円を回復するなどショートカバーの動きから、2万7460円と上昇して取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、小動きで始まることになりそうだ。前日の大幅上昇に対する利食いが入りやすいほか、ナイトセッションで上値抵抗線として意識されている25日移動平均線を捉えてきたことから、強弱感が対立しやすい水準である。こう着感が強まる可能性は高そうだが、FOMC議事要旨でタカ派色が強まらなかったことにより金融引き締めに対する警戒感も和らぐ格好となり、米長期金利は低下した。また、1月の米小売売上高が高い伸びとなったことも材料視されよう。
そのため、日経225先物は5日線が位置する2万7300円水準を支持線に、25日線からの上放れを試す動きが期待される。大きなトレンドは期待しづらいが、5日線水準では押し目狙いのロングスタンスになりそうだ。また、昨日は高値圏での保ち合いが続くなか、引けにかけては若干ながらショートカバーも入っていた。本日も25日線水準で底堅い値動きを見せてくるようだとショートが溜まりやすく、その後カバーを伴ったリバウンドを見せてくる展開もありそうだ。
VIX指数は24.29に低下した。リスク選好に大きく傾いたとは言えないが、支持線として意識されていた5日、25日線を下回ってきたことから、ショートは仕掛けづらいところだ。また、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.09倍に上昇した。米長期金利の低下を受けて指数インパクトの大きい値がさ株の上昇が見込まれるが、トレンドとしては依然として下向きで推移しており、現時点では戻りの局面においてはNTショートを組成するタイミングと見ておきたい。
株探ニュース