北京冬季五輪に続け! 新旋風強まる「eスポーツ」関連株が出陣へ <株探トップ特集>

特集
2022年2月16日 19時30分

―国内最大施設の4月開業が刺激、アジア競技大会での採用も注目点に―

ロシアによるウクライナ侵攻への警戒感が和らぐなか、16日の東京市場で日経平均株価は一時620円高と大きく反発した。ただ、地政学リスクは依然として残っているほか、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐとの懸念もあり、物色の見極めは難しい。こうした局面で注目したいのが市場規模拡大中の業界だ。現在、中国・北京で冬季五輪が開催中だが、今回はコンピューターゲーム機を使った対戦をスポーツ競技として個人やチームで競う「eスポーツ」(エレクトロニック・スポーツ)に焦点を当てた。

●24年の国内市場予測184億円

2022年は「eスポーツ」に注目が集まる重要な年となりそうだ。東京eスポーツゲート(東京都港区)が4月に東京タワー直下にあるフットタウン内に国内最大規模となるeスポーツ施設をグランドオープンする予定であることに加え、9月に中国・杭州で開催される第19回アジア競技大会でeスポーツが初めて正式種目として実施されることが決まっている。

KADOKAWA <9468> グループのKADOKAWA Game Linkageが昨年4月に発表したレポートによると、20年の国内eスポーツ市場規模(放映権、スポンサー、アイテム課金・賞金など)は前の年と比べて9%増の66億8100万円で、24年には184億2800万円に拡大すると予想されている。今後も関連銘柄から目が離せず、株式市場で再び脚光を浴びる場面がありそうだ。

●広告・集客効果から企業の関心高い

eスポーツの注目度は引き続き高く、1月28~30日にオンライン形式で開催された「東京eスポーツフェスタ2022」には、ヒューマンホールディングス <2415> [JQ]傘下のヒューマンアカデミー、フロンティアインターナショナル <7050> [東証M]、日本テレビホールディングス <9404> 傘下の日本テレビ放送網などが参加。eスポーツ競技大会では、ミクシィ <2121> の「モンスターストライク」、ガンホー・オンライン・エンターテイメント <3765> の「パズドラ」、セガサミーホールディングス <6460> の「ぷよぷよeスポーツ」、ソニーグループ <6758> の「グランツーリスモSPORT」、バンダイナムコホールディングス <7832> の「太鼓の達人Nintendo Switchば~じょん!」、コナミホールディングス <9766> の「eBASEBALLプロ野球スピリッツ2021 グランドスラム」の6種目が行われ、3日間の総視聴数は約14万回に達した。

また、若年層への広告・宣伝や集客・拡散などの効果を見込み、eスポーツ関連企業と連携する動きも相次いでおり、昨年にはRobot Home <1435> や日本たばこ産業 <2914> 、プロパティエージェント <3464> 、IMAGICA GROUP <6879> が東京eスポーツゲートに出資。直近では沖電気工業 <6703> がプロeスポーツチーム「Sengoku Gaming」を運営する戦国(福岡市中央区)とオフィシャルスポンサー契約を結んだほか、東海理化電機製作所 <6995> はプロeスポーツチーム「ZETA DIVISION」を運営するGANYMEDE(東京都港区)とスポンサー契約を締結している。

●アルテリアとゲームウィズは合弁設立へ

このほか、カヤック <3904> [東証M]グループのウェルプレイド・ライゼストとテー・オー・ダブリュー <4767> が今月8日から連携を開始し、大会企画・運営やプロモーションをワンストップで推進するeスポーツ総合プロデュースパッケージの提供を始めた。TOWは新たなサービスを創出するパートナープログラム「PLAY LAB」を立ち上げており、今回の連携はその一環。ウェルプレイド・ライゼストは、eスポーツ総合商社としてイベントの企画・運営、配信からマネジメント事業、eスポーツを通した教育事業など、さまざまな事業を行っている。

ブロードメディア <4347> [JQ]子会社のブロードメディアeスポーツが運営するプロeスポーツチーム「CYCLOPS athlete gaming(サイクロプス・アスリート・ゲーミング)」は、現在開催されている「レインボーシックス シージ」の世界大会「Six Invitational 2022」に出場している。ブロードメディアeスポーツは世界に通用するeスポーツ事業を育成するため20年2月に設立された会社で、eスポーツオンライン大会を開催するなど積極的な展開をみせている。

アルテリア・ネットワークス <4423> とGameWith <6552> は1月17日、eスポーツ事業を手掛ける合弁会社「GameWith ARTERIA」を設立すると発表した。出資比率はアルテリアが51%、ゲームウィズが49%で、営業開始は3月1日を予定。新会社では、eスポーツ大会用の配信スタジオ運営事業及びeスポーツ選手やオンラインゲーマー向けの通信サービス事業などを推進していく計画だ。

BEENOS <3328> は1月1日、eスポーツ事業に参入することを明らかにした。子会社のBeeCruiseがプロeスポーツチーム「REJECT」を運営するREJECT(東京都文京区)から4人の選手を譲り受け、新たにeスポーツチーム「BEENOSTORM(ビーノストーム)」を発足。BEENOSグループは越境ECサポートサービスを運営しており、既存事業であるエンターテインメント事業や技術とのシナジー創出を見込んでいるという。

また、eスポーツの有力ソフトのひとつ「DEAD OR ALIVE」を展開するコーエーテクモホールディングス <3635> 、eスポーツ実業団を持つアカツキ <3932> 、グループ会社がeスポーツ広告マーケティング事業を手掛けるサイバーエージェント <4751> 、子会社がeスポーツチームを運営するインパクトホールディングス <6067> [東証M]、神奈川県eスポーツ連合(横浜市中区)と戦略的パートナーシップを締結しているログリー <6579> [東証M]、ゲームアプリ「ザ・峠 ~DRIFT KING 1980~」のeスポーツイベントを開催しているGFA <8783> [JQ]>にも注目。

グループ会社がゲーム情報サイトを運営するデジタルハーツホールディングス <3676> 、eスポーツ専用ライブ中継サービスの映像システムを構築した実績があるJストリーム <4308> [東証M]、高機能ゲーミングキーボードを生産する東プレ <5975> 、子会社がゲーミングパソコンを展開するMCJ <6670> [東証2]、ゲーミング周辺機器を取り扱うエレコム <6750> 、ゲーミング家具を販売するオカムラ <7994> などのビジネス機会も更に広がりそうだ。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.