来週の株式相場に向けて=いったん戻り試す展開か、再びインフレ指標注視

市況
2022年2月25日 17時41分

ウクライナ危機に世界の市場は乱高下する展開となったが、週末25日に日経平均株価は急反発。市場には「地政学リスクは短期で収束する傾向が強い」という経験則があるが、実際いまのところ「ロシアによるウクライナ軍事侵攻は早めに終わる」(市場関係者)という見方を相場は織り込みつつあるようだ。

市場では、ロシアの侵攻は親ロシア派が一部地域を占領するウクライナ東部2州に限られるとの観測が強かった。しかし、ロシアがウクライナへの電撃的な全面侵攻を仕掛けたことから、紛争の長期化観測は後退した。もちろん「戦後の国際秩序を踏みにじるロシアのやり方を許せば、その影響は先行き中国による台湾問題へと及ぶ」(エコノミスト)懸念は強い。また、ロシアへの経済制裁で原油や穀物価格などの上昇基調は続きそうだ。それでも、ウクライナ危機が早期収束するという観測を、当面の市場は前向きに受け止めている。ただ、依然としてウクライナ情勢は不透明なだけに、その動向からは目は離せない。相場はいったん戻りを試す地合いとなりつつあるが、下落基調が続いたレーザーテック<6920>や東京エレクトロン<8035>などハイテク株の反発がどこまで続くかが注目される。

そんななか、来週からは3月相場に突入する。そこで再び頭をもたげてくるのが、インフレ懸念と米連邦公開市場委員会(FOMC)だ。FOMCは15~16日に予定されているが、市場には、足もとの原油高がインフレ懸念を加速させるとの見方が多い。しかし、米国で新型コロナ感染者が減少するなか、サプライチェーンの混乱は落ち着きつつあると前向きにみる声もある。来週は3月1日に米2月ISM製造業景況感指数、4日に米2月雇用統計と重要経済指標が発表され、米インフレの行方を注視する展開が予想される。3日にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長による議会証言も予定されている。

国内では、28日にSBIホールディングス<8473>、1日に伊藤園<2593>の決算が予定されている。また、2日にビーウィズ<9216>が東証1部に、3日にイメージ・マジック<7793>が東証マザーズに新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは2万6100~2万6800円。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

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